【雪の茅舎 秘伝山廃 純米吟醸】
このお酒のデータは…
●蔵元 齋弥酒造店(秋田県,由利本荘市)
●特定名称 山廃造り 純米吟醸酒
●原料米 秋田県産「あきた酒こまち」(精米歩合50%)
「山田錦」(精米歩合50%)
●酸度 1.8 ●アミノ酸度 ?
●日本酒度 +1 ●アルコール度 16-17%
●酒造年度 H19BY
8月末は【残暑見舞いの酒】
私事となりますが、毎年8月の下旬になると、私の故郷である秋田の親戚から、「残暑見舞い」として地酒が2本ずつ送られてきます。
そこで8月最後の週末は、そんな「残暑見舞いの酒」をじっくりと呑みながら、今年の短かった夏を締めくくることとしました。
さて今年送って頂いたお酒は、
【雪の茅舎 秘伝山廃 純米吟醸】です。
これは、秋田の山内杜氏の一人である「高橋藤一」氏が、伝統の山廃造りで醸した純米吟醸酒で、酵母の働きに任せてじっくりと発酵させる為に、敢えてモロミに櫂入れはせず、またお米の旨味を最大限に引き出す為に、搾ったお酒を濾過も加水もせずにそのまま瓶詰めされています。
ちなみにこのお酒は、国際的な日本酒コンクールである、2008年の「インターナショナル・サケ・チャレンジ」の、生もと・山廃部門において金賞を受賞しています。
香りはやや強めで、「黄桃の缶詰」のような甘い果実の香りや、「ぜんざい」を想わせる香りがあり、「完熟した果実のような甘美で濃醇な香り」が広がります。
口に含むと、やや艶やかな甘味と柔らかく豊かな酸,そして膨らみのある旨味の調和が絶妙に取れており、後口はしっとりとしていて心地よい甘味のフレーバーが残ります。
コクやボリューム感も充分にあり、全体としては「優しくジューシーな飲み口で、三味のバランスの良い芳醇かつ洗練された味わい」のお酒でした。
今回は「雪の茅舎」の芳醇で充実感のある味わいに合わせて、しっかりした味付けの惣菜を二品選んでみました。
ぜんまい,人参,稲荷揚げ,突きこんにゃくが醤油,味醂,砂糖,出し汁で甘辛く煮付けられていて、白いご飯が欲しくなるような味の惣菜です。
ご飯の替りに「雪の茅舎」を合わせてみると、お酒のやや艶やかな甘味と「うま煮」のあまから味が同調し、また両方の味わいの濃さのレベルも丁度良くて、思わずお酒が進んでしまう組合せです。
【きのこと茄子のマーボー】です。
3種類のきのこと茄子と挽き肉に、オイスターソースが効いた濃い味わいの餡がタップリと絡まっていて、さらにピリ辛の唐辛子が味にアクセントを添えて、こちらも思わず炊き立てのご飯が欲しくなってしまうような中華料理です。
おもむろに「雪の茅舎」と合わせてみると、料理単体では少し濃過ぎるようにも感じた「マーボー」の味わいに、お酒の優しい甘味が加わることによって、口の中で丁度良いバランスの味わいへと変化し、お酒と料理の両方が一層美味しくなるような組合せでした。
さて今年の夏は、様々なタイプのいわゆる「夏スペックの酒」を呑み、その中には確かに「蒸し暑い真夏の夜」というシーンにピッタリのお酒もあったのですが、こうして夏の終わりに洗練された香味の山廃純米吟醸酒をじっくりと呑んでいると、やはりこういったTPOで呑む方が、日本酒の本領を発揮しているような気がしてきてしまいます。
呑ん兵衛というのは本当にわがままなものですねえ…。
