残念ながら生きている/悠希
1. 残念ながら生きている
2. 台無し
人格ラヂオのVo&Gt.悠希による3rdシングル。
2016年に会場限定シングルとして発表後、2018年に一般流通。
ソールドアウト状態ではありますが、配信アルバム「悠希作品集 ひとつめ」に収録されているので、収録を耳にすることは現在でも可能です。
「残念ながら生きている」は、ほんのりと不気味さを帯びたレトロなサウンドが特徴的。
重層的にシンセを取り入れるなど、ソロだからこその味わいを足してはいますが、実に悠希さんらしい作風だな、と。
ウネウネと絡みつくギターのリフに、細く鋭く、それでいて伸びやかな歌声が重なって、なんともアンティーク感のある楽曲に仕上がっていますね。
階段のようにキーが上がっていくサビも独特。
盛り上がりそうなところで、一度フラットに戻したのはこのためか、と驚かされました。
カップリングの「台無し」は、レトロな世界観はそのままに、歌謡曲調に振り切った印象。
キャッチーとは少し意味合いが違うのかもしれませんが、耳馴染みが良いフレーズが多く詰め込まれているので、歌メロが耳に残るのですよ。
キメが多めのギミックなど、バンドサウンドの旨味を残しているのもポイント。
特に間奏は、それぞれのパートが主張し合う攻めたアレンジに仕立てられています。
悠希さんのソロと言えば、アコースティック三部作というイメージも強いのですが、その合間にリリースされたシングルのクオリティも十分に高い。
入手困難だからといって埋もれさせるには惜しい楽曲が多く、配信での解禁は買い逃していた層にとっては救済策になったことでしょう。
人格ラヂオが動きを見せた2022年、改めて聴くと味わい深い1枚です。
<過去の悠希に関するレビュー>