CUNNING KILLER / 12012 | 安眠妨害水族館

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CUNNING KILLER/12012


1. CUNNING KILLER

2012年12月12日という、実に12012らしいタイミングで発表されたシングル。
会場限定でのリリースとなっていました。

コンセプトは"Crime and Punishment"。
翌年に発売されたミニアルバム「DEICIDA OF SILENCE」とはジャケットのアートワークが繋がっているなど、同一のテーマで描かれていることが強調されています。

その「CUNNING KILLER」は、とにかく激しい。
メンバー脱退による活動休止を経て、復活作として送り込まれたフルアルバム「12012」。
これもまた、ラウドに振り切れた良作だったのですが、まだまだその先があったとは。
ラウド一辺倒で攻めて、次はどんなバリエーションを…といったところで、更なるハードさを求めてくる潔さがありました。

原曲はGt.酒井洋明さんによるものとのことですが、鋭いギターには、初期衝動すら感じとれる。
原点回帰、もとい原点以上に衝動性を求める性急なリズム。
重低音への意識を強めるベースに、ズカズカと絶え間なく響くドラムは、すべてを黒く飲み込む破壊力を持っています。

Vo.宮脇渉さんのシャウトは、まだまだ改善の余地はあったのかもしれないけれど、聴いているうちに、これが良いと思うようになった。
言ってしまえば、ハイトーンでガナっているとも、スクリームでまくしたてているともとれる強引なスタイル。
しかしながら、その馴染まなさが狂気的な演奏と噛み合っている気がするのですよ。
凶悪性のみを研ぎ澄ませて、研ぎ澄ませて、ハマるべきところにハマったのかと。

ネックとしては、このボリュームで1,500円。
価格的にボーナストラックでもあるのかと期待したけど、本当に1曲のみ。
さすがに、高すぎたよなぁ。
今となっては入手困難ではあるので、買っておいてよかったというのも事実なのですが、それでハードルが上がってしまったところはありましたね。
もっと多くの層に聴いてもらいたかった感はあります。

<過去の12012に関するレビュー>
12012
SEVEN
PLAY DOLLs
Increasingly