白い綿帽子 / THE★MELODY | 安眠妨害水族館

安眠妨害水族館

オバンギャと初心者に優しいヴィジュアル系雑食レビューブログ

白い綿帽子/THE★MELODY
¥1,000
Amazon.co.jp

1.白い綿帽子
2.through the Night
3.砂の城

1999年にメジャーデビュー。
キッズ・ウォーの主題歌に抜擢されるなど、それなりに露出もあったのですが、泣かず飛ばずで2002年に解散してしまったMELODY。
ところが、2006年にSHUJI、JIRO、RYOの3人で、実質的な再結成。
THE★MELODYとバンド名を改め、活動を再開しました。

本作は、2009年にリリースされた、復活後2枚目となる、通算6枚目のシングル。
スーパーウルトラミラクルロックバンドというコンセプトは相変わらずのようですね。
キュートでポップ・・・で押すには、年齢的に厳しさが見えつつありますが。

「白い綿帽子」は、楽曲そのものは解散前に制作されたもの。
現体制でのリテイク、といったところでしょうか。
さすが、メジャーを経験したバンドだけあってか、音源としては垢抜けている感じがしますな。

イントロは、キラキラとした同期が効いていて、とても切ない。
シンセの和風なフレーズが印象的な、ミディアムバラードです。
ただ、メロディそのものは、無難すぎるかな。
彼らの持つ、わかりやすさ、ポップさという部分を示してはいるのだけれど、シングルとして切るには、イントロでの期待を、楽曲全体で超えられなかったのが正直なところ。

カップリングの「through the Night」は、デジロックテイストが強まったアッパーチューン。
ソフビ感が強まり、疾走系のポップロックとしては、なかなかノスタルジックな攻め方をしてきます。
歌メロには、SHUJI節が全開。
こういうのが、MELODYだったなぁ、といった懐かしさ。

ネックなのは、歌い癖でしょう。
パートごとに、表現の一部なのか、声色を変えてくるのですが、上手くハマっていないというか、もっと率直に言ってしまえば、痛々しさが・・・
ここをなくすと、普通のバンドになってしまう側面もあり、難しいところではあるのですが。
現役時代から、賛否両論の部分でしたよね。

ラストの「砂の城」は、再びミディアムバラード。
他の2曲に比べて、音のバランスがおかしい気がするのだけれど、わざとなのかな。
ボーカルだけが、はっきりくっきり。
あとは、ぼやけてしまっているような。
サビで、バンドサウンドでがっつり!ときそうなところで、肩透かしがあるのが残念。
曲のタイプが、表題曲と重なってしまっているのがなぁ。
これだったら、「白い綿帽子」のほうが聴きどころがある気がします。

総合的には、思った以上にクオリティが高まっていてびっくり。
楽曲としても、キャラさえ気にならなければ、無難に聴けてしまうでしょう。
登場が早すぎたお洒落系バンドといったところで、時代が時代なら、もう少し評価されていたのだろうか。
それとも、没個性化して、メジャーデビューや再結成は夢のまた夢だったのか。

インディーズ時代の「魔法のメロディー」は、投売り価格で売られているけれど、メジャー進出後のアイテムは、実はなかなか手に入れにくい彼ら。
再結成後の作品であれば、配信でも購入可能ですので、聴きあぐねている人は、この辺りから攻めてもいいのかも。