そろそろ、とあの人が立ち上がる
私はふざけた調子で
お背中流しますね、と言う
あの人がバスチェアに座る
私はボディソープを泡立てて
あの人の背中から肩や腕、お腹を洗う
今度行きたいお店や
観たい映画の話をしながら
私はこのお風呂の時間がすごく好き
あの人が私に体も心も委ねてくれる
そんな気がしている
あの人の、に手を伸ばす
たっぷりの泡をつけて
あの人の、を包みこむ
話をしているあの人の声が上擦る
私はどんな映画なの?と話を続ける
あの人は映画の監督の話をする
私はそれを聞きながら
あの人の、をそのままゆっくり擦る
あの人の声に吐息がまざる
私は我慢出来なくなって
胸の先をあの人の背中に押しあてる
ねぇ何してるの?
声が出てるよ
自分で背中に擦りつけてるの?
いやらしいなぁ
私はまたその声で達してしまう
あの人はそれにすぐ気がつく
もういっちゃったの?