弊所のボス高宮は、弁護士という職業を「天職」といいます。

自分の能力と、他者から求められるものが一致していたら、

これほど、うれしいことはありません。

しかし、他方でやはり自分の役割を見いだせないという人も、もちろんいます。

 

 

そんな若者が「家栽の人」に出てくるエピソードがありました。※1 

過去に犯罪を起こしてしまった少年が、桑田判事を訪ねます。

 

 少年「高校ん時は シンナーばっかやってたし、、、

     あんな仕事もろくに続けられなくて、、、

     こうやって、、、

     へまやって、、、」

 

桑田判事「大丈夫ですよ。君はまだ若いから

       自分より周りの人達が大きく見えてしまうんですよ」

 

少年   「そんな馬鹿馬鹿しい。だって俺は前歴付きの未成年だし、

       判事さんはいい大学出て裁判官で、、、話にならないっすよ。

 

桑田判事「私の方が偉いというんですか。」

 

少年   「そりゃ」

 

桑田判事「なぜ?」

 

少年   「なぜって、、、」

 

桑田判事「仕事で人の値打ちが決まるのなら、

       私たちは一生奴隷なんですね」

 

 

職業に貴賤はない、といいますが、

人の価値は、仕事だけで決まるものではありません。

(もっとも、もちろん、仕事で成功するのもその人の価値ではあります)

そして、前歴や大学で、人のすべての価値が決まるものではありません。

 

 

そう。職業に貴賤はない。

職業に区別はない、ということはそうですが、

離婚弁護として、一つだけ職業の中で区別する基準があります。

それは、「自営業か、給与所得か」といことです。

の違いは、婚姻費用・養育費の算定表においても明確に分けられていたり、

強制執行を考えるにあたっても、給料差し押さえができるかどうかで

回収可能性が全く違ったりします。

そのため、離婚手続の中で有意にある区別があるとすれば、

自営業か、給与所得か、ということになるかもしれません。

 

 

さて、そういった中で個々の区別がごちゃごちゃになってくると

問題としては、かなり複雑です。

かつて裁判官との会食に参加した時に

裁判官が言っていたのは、

事件の解決として判断が難しいのは、

自営業者の収入(ちなみに二番目な、面会交流)と言っておりました。

 

そして、この問題は、養育費・婚姻費用だけでなく

財産分与にも及びます。例えば、平成26年3月13日判例タイムス1411・177では

「妻から夫に対する財産分与の申し立てについて、夫の設立した医療法人の財産について、

医療法人の法人化前の診療所に係る財産は夫婦共有財産であったこと

、医療法人の出資持分の96.66%を夫が保有しており医療法人を

実質的に支配する立場にあったことから、医療法人の財産分与の対象に含めるとされました(※2)。

 

つまり、名義がだれか(この事件では夫の母の出資も検討されています)、

法人になっているかなどはそれのみで検討されるのではなく、

夫婦で築いたといえるか否かで実質的な判断をする、ということです。

そのため、財産分与において損しない方法は、名義や会社ということにとらわれず、

きっちりと出資や、経緯を説明すれば、いいということになります。

 

 

ところで、先に紹介した「家栽の人」のエピソードには続きがあります。

その犯罪を犯してしまった少年は、盆栽屋さんのおじさんを紹介されます。

その帰り道、

桑田判事「名木と普通の盆栽なんて小さな差なんだよ

       ただ、あのおじさんはその違いを分かるために

       何十年も目を光らせてきた、、、

       あのシャラ(木の名前)が何かを言うんじゃない、

       あのおじさんが感じることができるんです」

 

 

確かに、人は仕事の奴隷ではありません。

でも、だからこそ、職業の名前ではなく、自分ができること、

ほかの人にはできない小さな(そして大きな)差を生み出せるようになりたいと思います。

そして、いつか高宮のように胸を張って、自分の仕事を

「天職」と言いたいですね。

 

※1 原作毛利甚八さん・作画魚戸おさむさん「家栽の人」第5巻case8シャラ 

※2 編著森公任先生・森元みのり先生

   「2分の1ルールだけでは解決できない財産分与額算定・処理事例集p69

最近、司法試験の合格発表がありました。

悲喜こもごもです、、、青春ですね。

決して自分は合格しているから、という偉そうに観察する気はなく、

やはり、(不合格を含めて)自分が通ってきた道であり、

自分の先輩たちもとってきた道です。だから

昔のことを思い出すと、センチメンタルになってしまいます。

そんなこんなで、少し前のことを思い出したりします。

 

 

同時に思うのは、自分の親のこと。

私が小学校のときに「司法試験やりたい」といったときに、

反対はしませんでした。

大学時代には

「ほんとに司法試験やりたかったら家を売ってでもやらせてやる」

と父に言われました。

 

当時は、まだ法科大学院もなく、合格率3%の試験でした。

そんな途方もないことを言い出す子どもを、どんな思いで見ていたか、、、

今思うと、私は冷や汗が出ます。

そういった後押しがあり、今では弁護士をやれています。

 

 

 

他方、子どもは親からよくない影響を受けることもあります。

例えば、「久留米和也」くん。

「天才柳沢教授の生活」という漫画のキャラクターです。

和也君は、お父さんから

「一番だ 常に一番だ」

「一位になれなければ罰を与える」と言われて育ちます。

そして、父の意に沿わない大学に入って、

親には見放され、ぐうたらな生活をします。

そんな中、自分の父親とは全く違う「柳沢教授」に出会って言われるのです。

「怒られなければ レポート書けないのですか?」

「罰がなければ前に進めないのですか?」

「それでは何のために大学に来てるのかわかりません 

 前に進む道を自分で見つけるために大学に行くのです」

 

 

その言葉に、感化されて久留米君が自分の父親の書斎の本棚を見ると、

「子どもに自分の言うことを聞かせることしか考えない男」

「親父は俺を自分とは違う人間に成長させようとしていた

 それは父親の、、、小さな男なりの、、、愛情だったんだ」

と気づきます。

 

和也君は、ある時まで親からよくない影響を受けてしまいますが、

成長して、その影響から脱するのです。

あるとき、子どもは、親の考えていることがわかるまで、成長するのです。

きっと、そうやって繰り返すんだと思います。

 

 

いずれかの段階において、親の考えがわかるまで成長をするのですが、

それは、健全な成長があればこそ。

子どもの成長を阻害する大きな要因の一つが、

親同士の葛藤だったりします。

 

 

 

本によれば

「周囲の世界の関係性に問題や葛藤があるとき…

 その主観的な快・不快体験が実際の脳と心を創る。

その子にとりストレスが過剰なら、分子レベルで網の神経細胞のDNAメチル化は疎外され、

脳波形成不全に陥る。ストレスが持続し累積すれば、

脳にはやがて機能的脳加増f-MRI上に非可逆性の構造のゆがみとして異常が現れる」※2

と難しいことを言っております。

つまり、親同士の葛藤も子どもにはよくない、ということです。

そして、「DVにさらされた子どもの63%が、

普通の子どもに比べてより多くのメンタルヘルス上の問題をしていている」※3

といいます。

 

これは、親同士けんかをしないように、うまくやりましょう、

ということではないと思います。

相談する中には「子どものために」と言って離婚をしない選択をする方がいます。

でも、「離婚をしないこと」が常に子ども

にとって最善ではありません。

同書でも、葛藤を見せることは子どもにとって良くない。

「どの子にも、父母の葛藤と離婚・別居が自分のせいではないことが伝えられること。

離婚しても両親が自分を生んだ父母であることには変わりがないことを確信出来ること。」※4

が大切だと言っています。

 

 

 

 

 

だからまずは、自分自身が幸せになること。

離婚という場面だけを切り取ることなく、

自分が幸せになること(葛藤から離れること)はきっと子どもに伝わります。

そして、子どもは親の考えていることをわかってくれる日が来ます。

そのときに、離婚という場面になっても自分を愛してくれたと気づくんだと思います。

 

 

 

と、そんな偉そうなことを思う今日この頃。

私のような若輩者には、わからないことも当然あります。

でも、一般の人よりも、離婚によって笑顔を取り戻した人を

見てきました。だからこそ、少し偉そうなことを書きました。

みなさんも、子どものために、自分が幸せになる方法を

一緒にかんがえませんか。

 

 

※1 山下和美さん著「天才柳沢教授の生活」25巻・179話

※2 渡辺久子さん「子どもの発達と監護の裁判―科学的検討・外部臨床家との連携・検証」

  「離婚後の子の監護と面会交流」梶村太一先生・長谷川京子先生・吉田容子先生編著・p44

※3 同上・p49

※4 同上・p56

最近、どうも肩があがらない、、、

そんなこんなで、四十肩、五十肩をパソコンで検索する、今日この頃、、、

 

四十、五十といえば、

孔子の「論語」にも「四十にして惑わず」というものがあります。

当時の40歳というのは、今ではもっともっと、高齢であるといいます。

そして、この有名な「四十にして惑わず」ですが、

実は、孔子が生きていた時代には「惑」という言葉がなかったらしいのです。※4

そこで、著者の安田さんは、「孔子が生きていたらどんな文字を使っていただろう」

と考察を進めます。

 

 

安田さんによれば、もしかしたら、「惑」は、孔子の時代でいう「或」だったのだろうとし、

この或は、境界によってある区間を区切ることを意味するといいます。

つまり、「四十、五十くらいになると、どうも人は『自分はこんな人間だ』と限定しがちになる。

『自分ができるのはこのくらいだ』とか『自分はこんな性格だから仕方ない』とか

『自分の人生はこんなもんだ』とか、狭い枠で囲って限定しがちになります。…

「そんな風に自分を限定しちゃあいけない。もっと自分の可能性を広げなきゃいけない」

 

というのが孔子の言う「不或」ではないか、というのです。

孔子さんであれば、こんな風に一つ一つの区切りをもっと、

前向きに、そして、未来があるものとして

とらえていたのではないか、というのです。

 

 

さて、

社会人として、一つの大きな区切りとなるのは、退職ではないでしょうか。

今までずっとやってきた会社を辞める、

今までの経験を生かす、

まったく新しいことを始める、

悠々自適に暮らす、

いろいろな選択はあるかもしれませんが、それでも自分の限界を決めず、

自分を生かす選択ができたらいいですね

 

 

 

もっとも、離婚の中での退職というのは、

いまだもらってもいない退職金を相手にとられる、というような形で、

問題提起されることが多いです。

 

 

現時点では、退職をしていないけれども、

退職金は、給料の後払い性格を有しているため、将来もらえる退職金も

一部夫婦で協力した財産だというわけです。

 

退職金の処理の仕方としては、※3

(1) 財産分与の対象とすべき退職金の額はいくらか、

(2) 実際に手元にお金がないためどうやって払うか

などが問題となります。

 

処理の方法としては、

(1)については、基準日に自己都合退職をした場合の額をいれる、

将来の金額から中間利息を控除する、もらってからその額の一部をもらう、

などという処理の仕方があります。

(2)については、婚姻時に退職したと仮定した金額を聞く、勤務期間を按分するなどの方法があります。

 

平成22年6月23日東京家裁審判家月63.2.159によれば

、「夫は信用金庫に30年以上勤務しており、信用金庫を退職した場合は退職金の支給を

受ける蓋然性が高いことから、退職金は、財産分与の対象となる夫婦の共同財産に当たる。

別居時に自己都合退職した場合の退職金額983万6500円に同居期間を乗じ、

それを別居時までの在職期間で除し、50%の割合を乗じて分与額を算定し、

夫が、退職金の支給を受けたときは、そのうちの399万4379円を分与すべきである」。

 

まったく、関係のない話ですが、

限界を決めないといえば、最近、個人的に一番面白かった本。

それは、箕輪厚介さん「死ぬこと以外かすり傷」ですね。※1

大変、エキサイティングでした。その中には、

 

「古い世代には訳の分からない変化が今まさに起こり始めている。

 わくわくする未来が迫っている。この波に乗ろう。

 自分たちの手で、世界の輪郭に触れ、自由で新しい秩序を作りなおそう。

 おっさんの言うことはすべて聞かなくていい。

 その代わり、誰よりも動け。」※2

 

そう。

今、いろいろなことが変わり始めている気がします。多分、、、

でも、ジェネレーションギャップというのはいつの時代にもあったと思います。

そして、いつの時代も「自分に限界を決めず、新しいことに挑戦すること」

をしてきた人が、輝いてきたんだと思います。

 

 

LAGOONは、離婚という一つの選択から、

みなさまの未来が開けますように、お手伝いさせていただきます。

 

 

※1 孔子「論語」

※2 安田登さん「身体感覚で『論語』を読み直す。―古代中国の文字から」p40

※3 編著森公任先生・森元みのり先生「2分の1ルールだけでは解決できない財産分与額算定・処理事例集・p159

※4 箕輪厚介さん「死ぬこと以外かすり傷」・株式会社リーブルテック

※5 同上・はじめに

すっかり、秋の匂いがしてきました。夏の終わり、、、

なんだか寂しい気がします。

 

 

夏と秋の変わり目って何でしょうか?

ビーチボーイズで反町隆史さんは

「自分で夏は終わりと思ったら、その時が終わりなんじゃないかな」

と言っておりました※1

そう、この季節を分ける、この世界を分ける、のはいつでも自分なんです。

「はじめアルゴリズム」という漫画です(最近の私のお気に入りです)。

数学的な天才「ハジメ」君も言っております。

 

 

「たとえばね

 右と左ってもともとあると思う?

 何もない空間があったとするでしょ?

 そこに線を引くから 左右ができる

 僕が線を引くから右と左に分かれる

 何もなかった空間に右と左っていう新しい世界が生まれるんだ… 

 僕がわけるから 世界はこう見えている、、、?

 だとすると

 もともと世界は分かれてないんじゃないか?

 

 

 

前回のブログで、人は世界を見たいように見るということを書きましたが、

具体的には、人は自分にとっていいように、「世界を区切る」のです。

本当は、もっと世界は複雑で、

本当は、もっと素敵で

本当は、もっと醜いものですが、

自分で区切って、自分が見たいものを見るようになります。

 

 

 

といっても、離婚の世界で自分の都合のいいように、

すべてが解決ということはありません、、、

そのため、法律など(一応)万人が納得できる基準が必要です。

そして、離婚で区切るといえば、財産分与の基準日があります。

 

財産分与の基準日を設定するのは、財産は常に変動しているから。

どこまでが、夫婦で分けるべき財産か、分ける必要のない財産か。

ものの本を見ると、離婚時や別居時などと言っておりますが、

結局のところ、

夫婦で協力して築いた財産は夫婦で分けましょう」ということ。

別居をしていても、ただの単身赴任のときもあるし

離婚をしていても、一緒に生活をして協力しているときもある。

だから、ポイントは夫婦で協力していたかどうか。

 

そのため、そうはいっても別居時が多くの場合、財産分与の基準日になります。

別居を開始すると協力ができなくなりますので。

裁判所でも「別居」とは「夫婦における経済的協力関係が解消されたとき」と言ったりします。

 

 

そのため、財産分与の基準日は、実質的な判断を伴うことがありますが、

逆に言えば、夫婦で協力して得た財産は夫婦で分けましょう、というところに立ち返ると、

派生問題として以下のようなものにも対応ができます。

 

 

 

●別居時に一方が財産を持ち出した場合

妻が別居に際して、妻名義の財産を持ち出した場合、

妻が家計のやりくりをするなどして貯めたものであっても、

それは夫婦で協力して形成された財産といえるから、

持ち出した額をすでに受領済みであることを前提に財産分与額を決定した

(平成15年10月23日東京地裁判決)。

 

 

●離婚を申し出た後に多額の預金の引き出しがある場合

「相手方の年収の3分の1を超える高額な払戻しがあり、

…その使途につき相手方において相応の説明を期待し売るべきところ、

相手方は生活費や遊興費等に使ったと述べるだけで、合理的な説明がなされていないこと、

相手方は預貯金の預け替えを頻繁にしていること等本件記録に現れた事情を総合的に考慮すると、

…払戻金は基準日の時点において、

現金又は預貯金等の形で存在していたと認めるのが相当である」

(平成25年東京家庭裁判所審判)※3

 

 

 

いずれにしても、基準日とは関係なく、

夫婦で協力して築いた財産は分けましょうというのが、考え方となってます。

 

世界は、自分で切り分けるものではありますが、

私とあなたの世界は、少しだけ重なって、少しだけ離れています。

そのため、最小公倍数を決めて一人でも多くの人が納得できるようにと

裁判所は考えます。多分。

 

他方、弁護士は、少しだけ重なって、

少しだけ離れている「私とあなたの世界」の最大公約数を考えて、

両者が少しでも納得出来るように事件を解決できたらと願っています。

 

 

 

※1 脚本岡田惠和さん「ビーチボーイズ」フジテレビ

※2 「はじめアルゴリズム」(第3巻) 著者三原和仁人さん・p173

※3 編著森公任先生、森元みのり先生「2分の1ルールだけでは解決できない財産分与額算定・処理事例集」新日本法規・p39

暑くなったり、寒くなったり、おかしな気候です。

でも、天気が良くなると、さすが「5月」。

とても気持ちがいいです。

 

私は、5月うまれのおうし座なんです。

インターネット等で調べると、おうし座は、

マイペース、

五感に優れている、

自分の周りに自分の好きなものを集めることだけを考えている、

などといろいろと分析をされております。

自分自身も、そう間違ってはいないかな、思います(笑)

 

実は、おうし座のもとになるギリシャ神話も

好きな物を集める、みたいな話なんです。それはこんなお話。

ゼウスが一目ぼれした女の子の気を引くために、牛になる。

女の子が(牛になった)自分の背中に乗ったとたんに、

猛ダッシュして女の子を誘拐する、、、

これは、好きな物を集める、というよりは、

単なる誘拐罪(刑法225条〈結婚目的誘拐〉)ですが、、、

 

 

 

ゼウスが犯罪者か、否かは置いておき

昔の人は、空を見て、星と星をつないで

「あれはギリシャ神話に出てくる牡牛だわ」と思いを

はせるのですから、ロマンチックですね。

 

ただ、注意しなくてはならないのは、

無理やりにつないでも、真実はわからない、という事。

RADWINPSソクラティックラブという曲の中でも

「だけどその言葉の何処かに あなたが隠れているのならば

無理矢理でもその点と点を 繋げて あの星座みたいに

その心の形を分かった気にさせて

ペガサスも孔雀もオリオンも 言われたってんなの分かんないよ

乙女も牛もヤギもコンパスも どれ一つそうは見えないんだよ」

と言っております。

人は、自分が見たいように、世界を見る、、、

ということですね。

 

 

法律相談をしておりましても、

ポイント、ポイントを説明されて、だからこうなんです、

という方がたまにいらっしゃいます。

自分で星をつなげて、大きな星座にしてしまうのですね。

(もちろん、これがよくないわけではなりません。

真実に合致していることも多々あります。)

しかし、その点と点を裁判官とも、

星座を共有してもらわなければ、判決は出ません。

やはり、それが真実に合致していても、裁判所に判決で浮気があった、

と言ってもらうためには、「証拠」が必要になります。

というわけで、今日は不貞の証拠の話です。

ここではひとまず、「不貞」は、性交または性交類似行為の立証として考えます。

不貞の訴訟では、性交又は性交類似行為が間違いなくあったとなっても、

慰謝料が取れないことがあります(既婚者だと知らなかった、婚姻関係が破たんしていた)

 

1 LINE

今、相談を受けていて、一番多いのは、実はLINEだと思います。

きちんとメールに残る事、細かい心情をそのまま送っていることも多く、

これらものは、とても強い証拠になります。例えば、直接的な文言はもちろん、

「昨日の夜は、ありがとう💛」「●●の肌、あったかかった」とか出てると推認されます。

(そういった直接の文言でなくても、ある裁判官から

「こういった艶のあるメールのやりとりをしているんだから、

関係があったと思います」と非公開に言われたことがありました)

 

2 探偵の報告書

これもよく見ます。そして、弁護士として思うのは報告書の良しあしに雲泥の差がある、

ということです。探偵さんは、本当にお金がかかることもあったりしますが、

きちんとした探偵さんだと、そのまま裁判に使えます。

もっとも、注意が必要なのは、あくまでも探偵さんで立証できるのは、

不貞行為自体だけであることが多いです。

また、実際に不貞の慰謝料と探偵料金がペイするかどうかは別の問題となります。

 

3 動画、録音

今、スマートフォンをみんな持っていて、動画を取っていることもあります。

また、録音機も安価に手に入るようになったので、たまに訴訟とかに出てきますね。

 

4 クレジットカードやレシート

直接ホテルの利用履歴があることもありますが、その前後で、男女一人ずつで食事をした、

その後、朝食まで一緒に食べていたということになれば、宿泊したことは間違いないね、

となることもあります。

平成19年3月19日東京地裁判決では、ダイヤモンドの婚約指輪を購入して

その販売証明書の氏名欄に書面したことを認定して、不貞関係があったことを認めたというものがあります。

 

5 誓約書

浮気を問い詰めたところ認めて、「もうしません」という誓約書があったりすると、

不利益なことを自分では認めないだろうといえられるので、不貞行為自体はあったのでは、と言えます。

また、浮気相手を訴える時の配偶者の誓約書、離婚をするときに浮気相手の誓約書、いずれの場合にも武器になります。

 

6 GPS

GPSも車につけてその車ごとホテルに行っていたりすると、不貞の証拠になります。しかし、ホテル以外の場所で相手の家にいたとか認められないことも多いです。そして、車をほかの人に貸していた等、反論も容易にできてしまいます。何より、違法収集証拠として排除される可能性があります。

 

 

 

不貞に関しては、やはり、当事者の感情的な思い入れが強く、

きちんと証拠と証拠を結んで、像(星座)を結ばなければなりません。

難しいかもしれませんが、点と点を結び付ける時は、慎重に。

本当はそうでないのに、あらぬ想像をどんどん自分の中で

大きくしてしまって、苦しくなってしまっている方もいます。

 

逆に、点と点をポジティブに結んで、

ほかの人からは、牛に見えませんよ

と言われながらも、あれは牛なんだと、

希望を持てることは、ステキなことだと思います。

人は、自分が見たいように、世界を見る、、、

というのは、積極的な意味でももちろん使えると思いますので、

皆さんステキな世界を見てください。

 

ちなみに、先ほど言引用した「ソクラティックラブ」。都市伝説として、

出てきた星座を本当に点で結ぶと「LOVE」になるとかならないとか、、、

やはり、野田さんは天才です(笑)

 

 

※1 RADWINPS「ソクラティックラブ」

作詞&作曲 野田洋次郎さん

※2 中里和伸先生、野口英一郎先生著「不貞慰謝料請求の実務」主張・立証編・p106以下

ゴールデンウィークも終わってしまいましたね。

私も、この連休中に誕生日を迎え、色々と感慨深いものがありました。

そんなこともあり、実は、すごく大きい買い物をしそうなんです(笑)

おそらく、クレジットカードのお世話になります、、、

 

そう、クレジットカードというのは、ある種、現代の錬金術。

今お金を持っていなくても、支払ができます。

将来入ってくる給料という信用を介して、今払うというのも一種の「等価交換」。

 

鋼の錬金術師でも※1

「人は何かの犠牲なしに何も得ることはできない

何かを得るためには、それと同等の代価が必要になる

それが、錬金術における等価交換の原則だ 」と言っています。

 

そして、この等価交換の原則は、

これからどんどん、変わってくるかもしれませんね。

話題の本「お金2・0」でも「資本主義から価値主義へ」と言っており、

その中で価値とは、「経済的には人間の欲望を満たす実世界での実用性、を指す場合や、

倫理的・精神的な観点から真・美・愛など人間社会の存続にプラスになるような概念

指す場合もあります」※3と言っています。

つまり、人間の持つ感情や、共感や観念的な物が価値となり

お金やそれ以外にも交換できるようになるかもしれません。

 

 
 

 

さて、それでも今、現在において、錬金術を用いて、

大きなお金を生み出すためには、

銀行に行って、信用してもらい、抵当権をつける必要があります。

そう、住宅ローンです(笑)

離婚においても、この住宅ローンが問題になることが多いです。

離婚をするときに、家がある、そしてローンがあると一言で言っても、

実は問題の状況は様々です。

売却して、プラスになったら2分の1というのが一番わかりやすいですが、

一番問題となるのが、現時点で家に居住している人が

ローンの名義人ではない場合。

例えば、ご主人がローンを組んで専業主婦の奥様が家を取得したい場合。

これは結構大変なことが多いです。

 

こういった場合に、こうすれば、完全に解決できる、、、

という方法はないと思います。

そこで、解決策ではなく、何点か注意事項を。

 

●調停でローン名義人を変更する、などと約束しても、

 調停調書に基づいて変更することはできません。

 ここは、あくまでも銀行さんとのお話し合いになります。

 

●ローン名義人を維持する、

 でも、実際には住んでいる方がローン名義人へ支払を続ける、

 という方法もあります。

例えば、夫の通帳を妻が管理し、妻がその通帳にお金を入れるなど。

こういった方法も、銀行さんとの関係ではあくまでも夫が名義人なので、

夫の状況が変化したときに、妻は身動きが取れないことがあります。

もっとも、調停条項にするとすれば

「申立人と相手方は、相手方が別紙債務目録記載の残債務●●万円について、相手方が申立外●●銀行に対して支払義務のあることを確認する。 申立人は、相手方に対し、前項記載の残債務●●万円を免責的に引き受ける」とか、「申立人は、相手方が申立外●●銀行に負担する。別紙債務目録記載の現在の残債務●●万円を完済したときは、前項の不動産につき、同債務を完済した日を財産分与の日付とし、財産分与を原因とする所有権移転登記手続をする」など記載する場合があります。※4

 

●ローン名義人の住民票の移動等をすると、

銀行さんは、ローンの一括請求などをする場合があります。

転勤など許される場合もありますが、基本的にローンを

組んだ人がその不動産から離れることを嫌います。

 

 

そう、住宅ローンという錬金術をつかうときには、

いろいろ気を付けなければなりません、、、

 

 

しかし、等価交換を否定する、方法があるんです(笑)

「鋼の錬金術師」の一番最後。

エドワードが愛するウィンリィにプロポーズをする場面。

「ウィンリィ!あーーーその、、、なんだ

 えーと 予約つーか 約束つーか 

  なぁ  等価交換だ

 俺の人生半分やるから  

  お前の人生 半分くれ!」

とプロポーズをします。

これに対して、ウィンリィは

 「あーーもうどうして錬金術師ってそうなのよ

  等価交換の法則とかって バッカじゃないの?

  ほんと バカね  半分どころか 全部あげるわよ」

といって、プロポーズを受けるんですね。

そしてエドワードは

  「おまえやっぱ すげーわ!

   等価交換の法則なんざ カンタンにひっくり返しやがる」※3

 

というのです。

つまり、錬金術、等価交換を否定するのは、「愛」なんですね(笑)

(もちろん、「お金2.0」では、「愛」という価値の等価交換ですが)

 

 

愛とは、一緒にいるだけでなく、きれいに別れるのも愛。

また、子どもに対する思いも愛。

そのほかいろいろなものに対する愛も含めて、

思いやりがあると、住宅ローンの清算もスムーズです。

まさに、「価値主義」(笑)

LAGOONの離婚も、現時点ではお金に換えられない、

笑顔、勇気、安心を提供できたら、と考えております!!!

 

 

※1荒川 弘さん、『鋼の錬金術師』、スクウェア・エニックス、2002年、第1巻

※2 同上p75

※3 佐藤航陽さん「お金2.0」(幻冬舎)2017年。p163

※4小磯治さん著「夫婦関係調停条項マニュアル第6版」

民事法研究会p136

5月になって暑い日が出てきましたね。

LAGOONでも毎年恒例、エアコンの温度戦争を繰り広げられております。

暑い、エアコン、、、とくれば、私は、ほぼ毎年見る映画があるんです。

 

「サマータイムマシンブルース」※1という映画です。

 

話の内容としては、とても暑い夏の日に、

部室のクーラーのリモコンが壊れてしまうところから物語が始まります。

そこで、突然、部室にタイムマシーンが出現したため、

「昨日」にタイムスリップして、壊れていないリモコンを取りに行く。

ただ、過去を変えてしまうと、「今の自分」が消えてしまうと取り繕うというドタバタ奮闘するというコメディです。

以後、ネタばれしてしまいますので、ご注意ください。

 

 

物語のクライマックス。女の子が言います

「ひょっとして変えられなかったりして。時間の流れ

…最初から全部決められてた…みたいな」

 

ここでサークルの顧問の先生が登場。

先生は、全部決められているかもしれないけど、

「未来にタイムマシンがあるってことは

 誰かが それを作るってことだから

 じゃあ 僕が そいつになってやろうって

こう 決められたワクに滑り込むみたいな 」といいます。

 

もともと、その先生は、タイムマシンを全く信じていませんでした。

だから、タイムマシンを作るというのは、その先生にとって

自分の延長線上にある選択肢ではありませんでした。

でも、タイムマシンを作ると決めた。仮に運命が決められているとして、

今の自分の延長線上にない選択肢

(決められた未来)であっても

その未来に自分が入ってしまえばいい。

ステキですね。

これを聞いて主人公の男の子も行動を起こそうとします。

実は、物語の中で、主人公の男の子は、未来人に会います。

しかし、この未来人、、、

「今」の主人公の片思い中の相手が将来に生んだ子

であることがのちに明らかになります。

 

そこで、主人公は、気づいてしまいます。

その未来人(自分が好意を抱く人の子ども)の苗字が自分の苗字と違うと。

もしも、自分と自分の好きな人が結婚するのであれば、

自分と同じ苗字(または相手と同じ)になるのですが、

そうではないことは、自分と自分の好きな人が結婚していないことを意味します。

 

そこで、主人公は、

「あのさ 苗字って 変えられんのかな」と考え始めます

つまり、好きな人の苗字(またその子どもの苗字)は変えられないとして、

自分がその苗字になってしまえばいい。

その未来に合うように自分を変えてしまえばいい、と考えるわけです。

 

さて、ここまできて、ようやく本題。

この映画の主人公は、自分の苗字を変える方法を考えますが、

離婚をすると、苗字が変わることがあります。その中でも、

子どもの苗字については、注意が必要です。

(なお、婚氏続称といって、離婚をした後も結婚しているときの苗字を使うこともできます。)

 

離婚をしたときの戸籍の状態

まず、離婚をしますと、戸籍の戸主の方に子どもが残ります。

例えば、お父さんの戸籍にお母さんが入っている場合には、

お父さんの戸籍に、子どもが残り、お母さんだけが戸籍から除かれます。

(お母さんの選択肢としては、新たに戸籍を作るか、

結婚する前の戸籍に戻るかを選択できます。これは離婚届に記入する事項ですね)

 

そのため、その後、子どもがお母さんの苗字になるためには、

お母さんの戸籍に子どもを移す必要があります。

(移さなくても、お父さんの戸籍に親権者欄にお母さんの名前が記載されているので、問題はないのですが)

 

申立の必要書類・費用

このときは、子どもの戸籍をお母さんの戸籍に移すには、

裁判所に申立をして許可をしてもらう必要がございます。

これが、子の氏の変更許可申立となります。

費用は、子ども一人800円+切手代

必要な書類としては、お父さん、お母さん、子どもの戸籍

(同じ戸籍は一通でいいので、お父さんの方に入っているのであれば、

戸籍は2通になることが多いです

 

 

手続の進行・その後の届出

申し立ての趣旨は、例えば、

申立人の氏●●を母の氏●●に変更することの許可を求める、

と書いたりしますが、婚氏続称の場合には、ここに同じ苗字を書きます。

しかし、同じ苗字ではありますが、違う氏だ、ということとなりますので、

安心してください。

 

申し立てると、その日のうちに結論が出ることも多いです。

また子どもが15歳未満の場合には、法定代理人

(お母さんがなることが多いです)が子を代理します。

 

許可が出た後は、市区町村役場にその審判書(許可)をもって、

届出をします。このとき子の本籍地

又は届出人の住所地の役場で入籍の届出をしましょう。

 

 

 

 

運命は決まっているか、、、

いろんな考え方があると思います。

でも、運命が決められていないのであれば自分で自由にできるし、

運命が決められているのであれば自分が望む運命に滑り込めばいい。

結局、自分次第、ということでしょうか。

 

今ある環境を「これは運命だったんだ」肯定できたらステキです。

また、今、現時点で、つらい状況であってもハッピーエンドに向けての

前振りくらいに考えて、ハッピーエンドという決まった未来に滑りこみましょう。

 

 

 

※1 「サマータイムマシンブルース」もともとは演劇。その後、2005年9月3日映画化。

監督本広克行さん、脚本上田誠さん、主演瑛太さん、上野樹里さん

もう早いもので4月も終わりですね。

4月というのは、新しい生活の始まりだったりします。

そんな甘酸っぱい青春をかみしめるため、

久々に「ハルフウェイ」※1という映画を見ました。

セリフについてはほとんどアドリブだったり、

監督が岩井俊二さんだったり、

脚本が北川悦吏子さんだったりで、

邦画っぽい雰囲気が好きです。

 

内容は、高校生カップルの話。

主人公の男子高校生は、大学進学に際して、

遠いところの大学に行くことを決めちゃいます。

彼女は、離れ離れになりたくなくて止めるわけです、、、

 

そんな彼女を見た学校の先生が

「彼がね、頑張って大学行って

 乗り越えてきたらそりゃいい男になるよね。

 …だって一緒に添い遂げる男の人がさ、

『いや東京いったことありまへん何もしりまへん』というのと、

『色んなこと経験してきてその上で君を守りたい』なんて言われたら。

…嬉しいでしょ。」

 

っていいます。

彼と離れたくないという彼女もいじらしいですが、

先生の方が一枚上手ですね。

彼女はまだ、道半ば(halfway)

=ハルフウェイです。(笑)

 

 

高校生の彼女にとって、その恋は本当に大切なものなんだと思います。

しかし、道を歩んでいると、困難なことに直面をするのです、残念ながら、、、

そう。金八先生も言っています。

「道」という字に首という字が隠れています。

すなわち、

道を選んで

その道を歩いて生きるということは、

首をかけて生きるということです。」※2

道を歩むということは、命を懸けるほどの覚悟を伴う厳しいもの。

私も、まだまだ長い(だろう)弁護士人生、命を懸けて、頑張ってまいります。

 

 

ところで、道を歩んでいる途中ということに関していえば、

離婚の中では、解約返戻金というのがありますね。

払い続けて最後まで歩めば、満期にたくさんお金が入る。

しかし、払い続けている途中で離婚になり財産の整理が必要となった、、、

まさに、道半ば(halfway)。

 

清算方法

離婚における財産分与において、生命保険・学資保険など積立型の財産というのは、

別居時(又は離婚時)に解約したらいくら戻ってくるか、という

解約返戻金という金額を2分の1にするのが原則です。

対して、掛け捨て型の保険については、財産分与の対象になりません。

 

もちろん、結婚前から入っていた生命保険であった場合には、

その分を差し引いたりして、あくまでも「二人で積み立てた」分のみを

財産分与の対象にします。

 

ただし、解約をそもそもせずに、継続したい場合には、

名義変更をしたり、代償金を支払ったりして、継続する場合もあります。

 

見つけ方

そして、相手が保険に入っているかどうか

すらわからない場合どうするか。

弁護士がいる場合には23条照会という制度を利用して、

生命保険協会に紹介してしまうのも方法です。

ご自身で調停をやられている場合には、

預金通帳(引き落としになっているとわかります)や

課税証明、給与明細などを見ると、ちらっと記載されている場合があります。

それを指摘して、ここに保険があるーーなどと訴えましょう。※3

 

 

税金について

さらに、解約返戻金に関する税金に関して

分与される側に贈与税、分与する側に譲渡所得税は、基本的にかかりません。

もっとも、解約返戻金が支払保険料総額よりも多い場合には所得税が

発生する場合があります。※4

 
 
 
 

 

ハルフウェイの主人公のカップルは、

道半ばであると同時に、まだ、世の中に出ていないということで

「井の中の蛙」なのかもしれませんね。井の中の蛙、大海を知らず、、、

 

でもこの言葉は、実は途中で、続きがあります。

井の中の蛙大海を知らず、されど空の深さ(青さ)を知る。

そうなんです。まだ、未熟かもしれませんが、

だからこそ、空の青さを知っているんです。

 

私もまだまだ、未熟者ではありますが、

離婚が成立して笑顔になった人を知っています。

曇った顔が、晴れやかになるように、

みなさまに晴れやかな空のきれいさを伝えられたら、

うれしいです。

 

 

※1「ハルフウェイ」(HALFWAY)は、主演北乃きいさん・岡田将生さんの日本映画。2009年2月21日公開。

※2「3年B組金八先生」シーズン5第7話・TBS・武田鉄也さん

※3「財産分与実務処理マニュアル」・編集弁護士法人エートス・新日本法規p211

※4 同上p315

随分と、暖かくなってきましたね。そう。もうすぐ5月。

私の誕生月です(笑)

私への誕生日プレゼントは、

事務所の方に送っていただければと思います。嘘です。

 

 

この歳になると、一年が速く思いますし、

昨年の自分と比べて、どうか、、、

きちんと成長できているのか、、、

はっきりわからなかったりしますね。

 

 

やはり、若いときの方が、成長を実感できますし、

いろいろと可能性があるということや、

心と体との齟齬ということで、思春期は大切ですね。

私も気持ちは若いつもりなのに、

体がついていかない、という齟齬を感じますが、、、

 

これに関して、「ロミオとジュリエット」を題材にした

河合隼雄先生と松岡和子さんの対談にも端的に表れていますね。※1

 

河合:(ロミオとジュリエットを)読み直してみて、すごく感激しました。   

   端的に言うと、思春期の心を描いているという点で最高だと思います。

   …ジュリエットは、まさにその十四歳。その心を描いている。…

松岡:…この作品には下書きがありまして、長い長い、説教臭い物語なんです。

    そこでのジュリエットは十六歳。

    それを十四歳の誕生日を迎える直前に引き下げたといいうのは、

    シェイクスピアはやはり、若さということを意識しているんだと思うんです。

 

ということのようですね。

そして、河合先生は、子どもが大人になるときには、大人に知られてはならない秘密を持つことが絶対条件、

とおっしゃっています。そして、「(14歳という歳は)とても難しい年頃です。

…秘密にしても、「あの人が好き」とかいう場合は形になりますが、

実際にはもっとうごめいていて、つかえどころがなくて、親に言えない、

親に言ってもわからないという状態です。そうすると、

…最後は「分からないからやってしまえ」ということで、思いかけない結果が出てしまう。」※2

 

そうなんです。

私も、中学の期末試験で九科目のテストをすべて白紙で出したことがありました(笑)

今思えば、中二病的なものですが、

シェイクスピアも河合隼雄先生も、この年齢の難しさを指摘してくれます。

私も、そんなことをしながらも、弁護士になりました、、、

(良い子は、決してマネしないでください)

 

 

 

14歳というのは、ひとつの目安ではありますが、

子どもが何歳か??ということは、離婚においても

本当に大きな要素です。

もちろん、いろいろな手続きの中で、いろいろな要素になりうるのですが、

例えば、監護権を検討するにあたって、

子どもの意思というのは、

年齢によって、どのように反映されるか、、、

 

 

 

家庭裁判所には、調査官という方がいて、

発達心理学や、児童福祉、教育学なども学んでおられる専門家が

いらっしゃって調査をしてくださいますが、その調査を前提にして

 

おおむね満10歳以上のこの意思が尊重される傾向にあるそうです。※3、※4

 

 

例えば、5歳、6歳の意思を重視しなかった例として、

平成11年9月20日東京高裁決定では「5、6歳の子どもの場合、周囲の影響を受けやすく、

空想と現実とが混同される場合も多いので、

たとえ一方の親に対する親疎の感情や意向を明確にしたとしても、

それを直ちに子の意向として採用し、あるいは重視することは相当ではない。」と判断しています。

 

ほかにも、10歳の子の意思を重視した例として、

平成12年4月19日大阪高裁決定では、「意思の形成過程はともかくとして、

事件本人(子どものこと)が現在の生活環境から引き離され、

抗告人のもとに引き取られるのを強く嫌悪していることは確かであって、

事件本人がある程度の自己主張をできる年齢に達していることを考えると、

この意思を尊重しなければならない。

 

 

 

河合隼雄先生もおっしゃるように、

子どもは、親に秘密を持ちます。

お母さんや、お父さんが仲が悪いことを知っていて、知らない振りしたり、

お父さん・お母さんの両方に「一緒にいたい」と言ったり、、、

矛盾しているようですが、

どの気持ちも、本当ということもあるとも思います。

一緒にいたいし、一緒にいたくない、、、

いろんな気持ちがうごめいている、と思います。

 

 

ただ、仲が悪いのに離婚しないこともまた、子どもにはよくありません。

自分がつらいけど離婚しないことを、子どものせいにしてはいけません。

 

どうしたら、子どもに負担をかけないで、

自身が幸せになるか、一緒に考えていきましょう。

 

※1 河合隼雄さん、松岡和子さん「快読シェイクスピア」新潮社版・p18

※2 同上p21

※3 富永忠祐先生「親権・監護権をめぐる判断基準」p25

※4 富永忠祐先生編「子の監護をめぐる法律実務(改訂版)」p97

暖かくなってきました。花粉が舞っております、、、

この時期は、何より花粉との闘いになります、、、

もっとも、桜が咲いて、卒業式があって、

イベントが多いことは喜ばしいことです。

出会いと別れ、ムフフですね。

 

 

桜が舞って、ハート型の桜が肩に乗って、

2人が出うと言えば、「君に届け」※1でしょうか。

実は、先日、「君に届け」の最終巻が発売されました。

爽子ちゃんと風早君が付き合うのか、付き合わないのか

どきどきはらはらしながら、読んでいた当時が懐かしいですね。

司法試験勉強中に通読して、号泣していたころが懐かしい、、、

 

 

最終巻にはこんなセリフがありました。

「あなたがどこにいても何をしていても

自分と関わり合いがあってもなくても

あなたが生きて そこにいて

なるべく元気ならそれでいい

、、、だって

次に会ったら またきっと笑ってくれるでしょう?

あの変わらない笑顔で 

私の心を 難なくほどいてしまうでしょう?

私はあなたに届きたい いつも いつまでも 届け」※2

 

「私はあなたに届きたい」、、、

というのは詩的で素敵ですね(笑)

「なるべく元気ならそれでいい」

というのは、健気ですね。

これを読んで、面会交流を望む親の気持ちが書かれている!

と思うのは、私が離婚弁護士だからでしょうか、、、

 

やはり、自分の気持ちを表現して、

思いを寄せる人に届ける、というのはとても難しいです。

自分の気持ちを表現するのも難しいし、

相手がどのように受け取るかも、また、難しい問題があります。

それでも、

そう、

届いて欲しいんです。(笑)

 

 

 

離婚の事件を扱っていても、

気持ちを伝えることが、重要な場面があります。

その一つが、間接交流における手紙。

 

面会交流は、養育・監護していない親が

子どもに会うことを言いますが、

直接、子どもに会うことが出来ない場合は、

間接交流を行うことが多いです。

 

間接交流は、手紙、メール、電話をしたり、写真、成績表など

子どもの状況が分かるものを送ることを言います。

間接交流の方法は、多岐にわたっていて、

今では、SNSや動画(スマホで動画を取ることも多いです)

の転送なども考えられます。

誕生日プレゼント、クリスマスプレゼントを贈る

ということも一つの方法です。

 

 

その中でもやはり、手紙を書くというのは、一つの重要な方法です。

「今やあまり紙の手紙がやりとりされなくなったからこそ、

自分あての手紙が郵便受けに届いているというのは、

新鮮でうれしかったりする」※2ものですからね。

 

手紙を書くにあたっての注意点は、

題して「面接交流はこう交渉する」という本に

このように書かれています。

「別居親としては、募る思いや、

子どもの将来に役立てて欲しいという思いで、

熱く、説教じみた手紙を書いてしまいがちです。

そのような手紙を読んだ子どもの感想はどうでしょうか。

「うざい」とか「ああ、お父さん(お母さん)は相変わらず一方的だね・・・」

と思われてしまうのではないでしょうか。

(…)もちろん、同居親の悪口や、

「いつでもお父さん(お母さん)のところに戻ってきていいんだよ」

といった内容も書いてはいけません。」

 

 

 

間接交流は、直接交流(実際に会う事)ができていない状態

ですから、直接交流に向けて、という目的意識が大事だと思います。

間接交流でやり取りを実際に会った時に

話題にしたりするのもいいですね。

さらに、もしも実際会うまでに時間がかかってしまうことが

あったとしても、あきらめてはいけません。

現時点で子どもの拒否感が強くても、

根気よく手紙を書いてくれていた、

プレゼントを渡してくれた

などは積み重なって子ども達の気持ちに届くと思います。

 

 

 

皆様のお気持ちが、きちんと、相手に届くように、

LAGOONは、お祈りしております。

 

※1 椎名軽穂さん著者・「君に届け」30巻・集英社クリエイティブ

※2 小泉道子さん著・元家裁調査官が提案する面会交流はこう交渉する・民事法研究会 p89