思い出のマーニー | ハイランドは今日も雨

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先の記事でオバケ屋敷について書いたので、

もう少しその話を。


小さい頃女の子なら誰でもお伽噺を読むでしょう、

いわいる王道の絵本の中で、

ボクが好きだったのは眠り姫でした。

王子様のキスよりも何よりも、

「100年間の間お城の全てが眠ってしまう」

ことに一番心惹かれました。

一番好きだったページも、

時が止まった瞬間の、

燃えさかる暖炉の炎、オーブンで焼いているお肉、犬にかまれかけた人と、

時間が動き出して、

再び揺らめく暖炉の炎、焼けて肉汁の垂れるお肉、犬に噛まれて悲鳴を上げる人のページでした。

何度も2つのページを見比べて、

時が戻ったことと、時が止まったままのことを繰り返し、

空想の世界に耽っていたのだと想います。

運動の出来ない分、ボクは本の中で生き生きとした子供でした。

空想のままに絵を描いてばかりいました。


さて、最近いくつか映画を見に行きました。

「アナと雪の女王」

「思い出のマーニー」

「マレフィセント」

を見てきた訳ですが、

その中でも今日は「思い出のマーニーの話」を。


※以下ネタバレにならない程度の話です。

田舎に喘息の静養にきた12歳の少女杏奈は、

湿っ地屋敷と呼ばれる古びた洋館に惹かれます。

そこに住んでいる金髪碧眼の少女マーニーは、

まるで空でもフワリと飛んでしまいそうな、

可愛らしい幽霊さんのような登場で観客を魅了します。

実際杏奈も、「貴女本当に人間?」と問うくらい。


そのマーニーの住む古びた洋館、

登場人物達はみなその屋敷が好きですし、

観客の私達も好きになっていきます。


どうして好きにならずにいられるでしょうか、

古びた懐古的な洋館、

かつてはそこに居た華やかな人々、

今はもうない世界。

そういった類のものは永遠に手に入れられないからこそのロマンだと想うのです。


さて、お題に戻りましょうか、

ボクは小さい頃から高校生くらいまではしょっちゅう絵を描いていて、

部活も美術部でしたが、

大人になってからは普遍的な忙しいという理由にかこつけて、

中々絵を描くこともできないでいます。

このままもう絵を描かなくても、

もっと上手な人の絵を見ていれば良いや、

と思っていたのですが、

杏奈に触発されて?(杏奈は絵を描くのが好き)

偶にはボクも描いてみよう、ということで、


思い出のマーニー


少しジョン・エヴァレット・ミレイのオフィーリアを意識して描きました。 

久しぶりなので苦労しましたが、

描くことそのものが楽しくて、

上手い下手はおいておいて、好きなこと(絵を描く)をするって良いものだなって。

子供の頃は夢中で描いていたのに、

どうして好きなことをしなくなっちゃったのかな、

と、自分自身にやたら懐古的になってみたり。


ということで、ボクがなりたかったものは、

絵描きさんでした。



映画「思い出のマーニー」ですが、

この年齢ならではの少女達が共有する心の世界と、

湿っ地屋敷が引き出す幻想的かつちょっぴり怪奇的な世界観は、

ボクの心の中に見終わった後も不思議な余韻を残しました。


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