去る7月26日(土)から31日(木)の6日間に渡り、ふくしまっ子Smileプロジェクトさまによる「第5回ふくしまっ子Smileキャンプ」が開催されました。
(以下、「ふくしまっ子Smileキャンプ」=略称:ふくスマ)
全国からの本当に多くのご支援により本年もなんとか開催できる運びとなりました。
福島事務所からも厚く御礼申し上げます。
本年は、毎年恒例の「総本山知恩院 おてつぎこども奉仕団」入行とともに、大阪なんばグランド花月観覧と淡路島での体験活動の日程となりました。
それでは実際の様子です。
出発日26日早朝、福島県JRいわき駅と郡山駅にキャンプを待ち望んでいた総勢50名のふくしまっ子たちがおそろいのブルーの帽子を身に着けて集結しました。
それぞれの集合場所にて団結式をしていざ出発!
保護者の方々も少し心配そうではありましたが、子供たちが充実した時間を過ごしてくることへの期待に満ちた表情で送り出していただきました(^^)/
新幹線の中でお弁当や、お友達とのお喋りを楽しみながら京都へ。
京都駅からは佛教大学さまのご支援による佛教大学バスで京都の街並みを車窓から観光しながら総本山知恩院さまへ。
仏教大学さま、本当にお世話になりました。
お昼過ぎには東京教区・和歌山教区・奈良教区・佐賀教区から参加の子供たちとともに「おてつぎこども奉仕団」に無事入行し、結団式・法然上人御堂参拝・お勤めの練習・諸堂拝観・夕べの集いなど、総本山知恩院さまの荘厳な空気を肌で感じ取りながら、沢山の貴重な体験を楽しみながらも時には厳しく、メリハリのある有意義な時間が流れていたように感じました。
まず入団式とオリエンテーションに臨みました。
オリエンテーションの後、各班に分かれてまず自己紹介(^^)
法然上人の御廟にも参拝しました。
経蔵では特別に内部も見せていただきました。
大鐘楼見学では、その大きさにみんなビックリしながら実際に自分の手で触れ、国内最大級の大きさを体験していました。
夕食時には、皆で「食前のことば」「食後のことば」をお唱えしました。
皆、天地の恵みやたくさんの手間暇を掛けて作られた食材・食事に対する感謝の気持ちを噛みしめながらお唱えしている様子でした。
夕食後には奉仕団参加の子供たち全員で協力して行うゲームをして交流を深めました♪
ともかく約6時間という長時間移動の疲れがある中、その疲れも忘れるぐらい子供たちは楽しんでいる様子でした(^^)
27日。
普段より早い朝5時に起床した子供たちは眠気と戦いながら、まずは朝のお勤め。
荘厳な空気に身も引き締まります!
続いて法然上人の御堂に参拝し、朝の清掃活動。
みんなでお世話になっている知恩院の広くて長い廊下を一生懸命雑巾がけしてくれました。
ピカピカの廊下は気持ちいいですね(^^)
朝食を済ませた子供たちは、現在平成の大改修を行っている御影堂の改修の様子を見学。
あらわになっている歴史ある小屋裏、梁や垂木などの様子を実際に自分の目で見て、勉強させていただきました。
続いてこの日のメインイベント比叡山青龍寺へのハイキングへ。

まずは根本中堂にお参りさせていただいた後、青龍寺へ向かう山道へ。
時折パラパラと小雨が降るお天気でしたが、比叡山の大自然と綺麗な空気を感じながらハイキングを楽しんでいる様子でした。
ハイキング途中の一枚。
足元を確かめながら山道を進んでいくと…
山中にたたずむ青龍寺に到着。
到着後はまずお勤め。
ご法話もいただきました。
昼食のお弁当の後、待ちに待った「沢遊び」の時間。
雨模様になりそうなお天気で安全面も考慮して沢遊びできるかどうか心配されましたが、子供たちの願いが通じたのか、なんとか遊ぶことができました。

普段は非常に静かな青龍寺ですが、この日は子供たちの大きな歓声が響き渡り、沢山の笑顔で溢れかえりました。
水を掛合ったり、沢蟹を探して見つけたカニの大きさを競い合ったり、1時間ほどの短い時間でしたが存分に楽しんだようです♪
青龍寺での日程を終えた子供たちは、青龍寺にキチンとご挨拶して帰路へ。
比叡山から帰りのバスの中では遊び疲れたのか、熟睡してしまう子供たちの姿が・・・
知恩院に戻り、休憩・夕食の後、「ともしびの集い」が行われました。
子どもたちがそれぞれ頂いた御燈明の灯火を阿弥陀様の御前にお供えし、皆で明るく仲良く正しく生活することをお誓いさせていただきました。
日中、沢遊びであれほどはしゃいでいた様子とは打って変わって、神妙な面持ちでともしびの集いに臨んでいる姿が印象的で、蝋燭の明かりに照らされた子供たちの顔つきはひとまわり大人に近づいたようにも見えました(^^)
28日。
おてつぎこども奉仕団最終日。
朝食の後、3日間ともに過ごしたお友達と一緒に思い出の寄せ書き作りと連絡先交換。
おてつぎこども奉仕団での思い出を振り返りながら、懸命に考えながら寄せ書きに書き込む姿が微笑ましく感じました。
参加した114名の子供たち全員で寄せ書きを完成させた後は、解団式に臨みました。
お勤めと代表のお子さんによる感想文の発表、そしてお世話になった指導員のお兄さん、お姉さんとのお別れの挨拶などが行われ、子供たちも間もなく修了する奉仕団に名残惜しい面持ちでした。

最後のお勤めでは、入行した最初はお念仏をお唱えするのもたどたどしかった子どもたちが、しっかりとかつ自然にお唱えしている様子にキャンプスタッフも頼もしく感じました。
子どもたちの吸収の速さには驚かされますね。
解団式を終えたふくしまっ子たちは、知恩院に後ろ髪を引かれながらも一路、大阪難波へ。
関西の文化のひとつともいえる「なんばグランド花月(NGK)」観覧!
ふくしまっ子たちがNGKの入口に到着すると、なんと桂文枝師匠がお出迎えしてくれはりました!
ふくしまっ子たちに文枝師匠の凄さが伝わったかどうか分かりませんが、ふくスマスタッフは本当に感動されておりました。
NGKでは、TVでもお馴染みの芸人さんたちによる漫才や吉本新喜劇を生で楽しませていただきました。
ふくしまっ子たちのほとんどが吉本新喜劇を観るのは初めてということもあり、はじめは笑いの文化の違いに少し衝撃を受けた様子も見えましたが、いざ始まると関西の芸人さんの独特の世界にあっという間に引き込まれ、大きな笑い声と笑顔で溢れている様子でした。
NGKを後には、大阪の街を大阪教区青年会の皆さんが案内してくれました。
大阪独特の街並みに少し圧倒されたかな?
みんなでグリコ!
続いて、「包丁一本~♪」で有名な法善寺さまの水掛不動尊に参拝させていただきました。
水掛不動尊についてのお話を戴いた法善寺住職神田眞晃上人、また大阪教区青年会の皆様、大阪での日程では大変お世話になりまして本当にありがとうございました。
福島事務所といたしましても心より御礼お申し上げます。
ふくしまっ子たちは大阪の方々にお見送りを受けながら、最終目的地の淡路島へ。
29日。
淡路島での初めての朝を迎えた子供たちは、美味しい朝食をしっかり食べた後、淡路牧場へ。
美味しい牛乳を飲みながら牧場の方から牧場と生産される牛乳についてのご説明をいただき、続いてバター作りを体験。
牛乳と生クリームを入れた容器を指示に従ってシャカシャカ振って、あっという間に出来上がり♪
完成した手作りバターをクラッカーにつけていただきました(^^)美味しかった~♪
さらに実際に乳しぼりを体験。
時折、脚を動かす乳牛に少しびっくりしながらも順番に乳を搾り、自分たちが普段飲んでいる牛乳がどのように搾乳されているのか、体験できたのではないでしょうか。
乳搾りを終え、牧場内をひとしきり散策したあと、昼食のバーベキュー。
すぐ傍に牛さんを見ながらの食事で地物の美味しいお肉と野菜をいただきました。
午後は「うずしお観潮船」に乗船。
気持ち良い風を切って走る観潮船に子どもたちのテンションも上がります。
綺麗な景色と鳴門海峡大橋の大きさ、そして播磨灘と紀伊水道の干潮満潮の時間差による大きなうずしおの迫力に驚いている様子でした。
宿に戻り、夕食後には近くの海岸に向かい「ウミホタル」見学。
初めて見る幻想的な青い光に皆、興味津々(^^)
本当に綺麗でした。
その後は夏の風物詩、花火大会。
大きな打ち上げ花火に歓声が上がり、お友達と火を分け合いながら手持ち花火も楽しみました♪
30日。
朝食前に海岸へお散歩がてら、浜辺の清掃活動へ。
眠いながらも皆一生懸命ゴミ拾いしてくれました。
やっぱり綺麗な海岸は気持ちいいです♪
宿に戻って朝食、着替えを済ませた子供たちは再び海岸へ。
待ちに待った海水浴♪
東日本大震災以降、数少ない海水浴場しか開いていない福島県の子供たちにとってのびのびと大自然の中、海水浴を楽しめることはとても貴重なことです。
いわき市でも震災・原発事故以前は10カ所ほどの海水浴場が開設されておりましたが、現在では2カ所のみとなっております。
もちろん浜辺や海水などの放射性物質を定期的に繰り返し、安全性は確認されております。しかしながら防潮堤の再整備に時間がかかることや子どもが砂や海水に直接触れることへの不安感が拭えないなど様々な要因で海水浴場の開設にはかなり慎重にならざるを得ない状況が続いているのも事実です。
以前は普通にできていた活動をするのにも、いろいろと考慮してするかしないかを判断しなければならないことは全国の皆さんが想像するよりもとても難しいことのように思います。
そんな中、こういった心配の少ない地域でのびのびと野外体験活動を行えることはふくしまっ子にとって、ふくしまっ子の保護者の皆さんにとって今となってはとても貴重なことだと言えます。
実際、海水浴のときの子供たちは本当にいい顔をしておりました(^^)
海水浴に引き続き、近くの海岸へ移動して「地引網体験」。
昼食のネタをみんなで力を合わせて漁獲を目指しました。
地元漁師さんの指導の下、二手に分かれて網を掛け声に合わせて引っ張りました(^^)/
みんなで引き寄せた網の中にはこんな近海でこんな魚が!?と思うような大物がいっぱい♪
魚のひれのトゲに気を付けながら引き揚げました。
引き揚げられた魚は宿に持ち帰り、スタッフを中心にさばかれ、バーベキューコンロで塩焼きに。
調理中、自分たちが引き上げた生きた魚がどうのように調理されるのか、子供たちに見学して
もらい、普段何気なく食べている魚がどうやって食卓に並ぶのかを体験してもらっていました。
魚が鱗を取られ、さばかれていく様子に興味津々の様子で見守っていてくれました。
焼きあがった魚や野菜、おにぎりで腹ごしらえした後には、再び海水浴。
兵庫教区青年会の皆様がご準備いただいたスイカでスイカ割りも楽しみました(^^)/

海水浴での記念の一枚。
本当に綺麗な海で過ごす楽しい一日となりました(^^)
この日の海水浴・地引網・バーベキューなどの日程には兵庫教区青年会の皆様にご協力をいただきまして、安全にそして楽しく活動させていただけました。
本当にありがとうございました!
夕食後には、今回のキャンプに対しご協賛ご支援いただいた多くの皆様に宛てた御礼のお手紙を書きました。
子どもたちそれぞれが知恩院でのおてつぎこども奉仕団に始まるキャンプでの経験を思い出しながら、思い思いのお手紙を一生懸命に書き上げている姿が印象的でした(^^)
31日。キャンプ最終日。
この日は移動日となりましたが、淡路島での最後の食事を済ませ、宿の方々に御礼の挨拶後、バスにて一路神戸へ。
新幹線に乗車する前に「北野異人館街」を見学。
ボランティアガイドの皆さんの丁寧な説明に耳を傾けながら、国指定重要文化財となっている「萌黄の館」・「風見鶏の館」を見学させていただきました。
明治30年代後半から40年代初めに建設された素敵な洋館の隅々まで案内していただき、明治時代当時の写真と見比べたりして、子供たちも歴史の流れを感じ取っている様子でした。
JR新神戸駅では、近畿ブロック浄土宗青年会の谷口理事長のお見送りを受け、関西のお坊さんたちとのまたの再会を願って新幹線に乗り込みました。
新幹線の中では、疲れて眠ってしまうと思いきや、車内ではキャンプの思い出を話し合ったり、キャンプで仲良くなったお友達と遊んだりしているお子さんも多かったようです。
6日ぶりに保護者の方々の元に帰るということで、テンションが上がっていたのかもしれませんね。
帰路途中、今回のキャンプに京都や関東から参加してくれたボランティアスタッフとの名残惜しいお別れも経験しながら、ふくしまっ子たちは出発地のJRいわき駅と郡山駅に到着。
それぞれの駅に到着し、改札を抜けるとそこには子供たちの帰りを首を長くして待っていた保護者の方々がお出迎えしてくれました(^◇^)
保護者の方々の温かい拍手を「おかえり!」の声を受けながら、班毎に整列して最後の解団式。
みんな揃って「ただいま!」のご挨拶。
家族の温かみを肌で感じ取れる本当に素敵な瞬間でした(^^)
解散後、それぞれのご家族ごとに6日ぶりの再会を喜び、楽しそうにお子さんとお話されている姿が印象的でした。
今回のキャンプが無事に開催できましたことは、本当にたくさんの皆様のご協賛とご協力の賜物であります。
おかげさまで50名という限られた人数ではございますが、ふくしまっ子たちに貴重な体験を積んでもらうことができたと思います。
この場をお借りいたしまして、このキャンプを応援させていただいている福島事務所といたしましてもご協賛、ご協力いただきました皆様に厚く御礼を申し上げます。
本当にありがとうございました。
また、キャンプを運営されているふくしまっ子Smileプロジェクトの皆様、キャンプにボランティアスタッフとしてご参加いただいた皆様、本当にお疲れ様でした。
今後ともふくしまっ子の健やかな成長にご助力を賜りますよう、どうぞよろしくお願いいたします。