去る5月24日(土)~25日(日)、ふくしまっ子Smileプロジェクトと浄土宗ともいき財団の主催による「親子で行こう!田植えツアー!」が福島県会津地方で開催されました。
この企画は、原発事故の影響の残る福島県内でできるだけ放射線の影響の少ない地域での田植え(秋には稲刈り)作業をご家族で体験すること通して、自然に触れ合う体験や親子でのコミュニケーションの促進を図り、震災・原発事故以降少なくなった家族の触れ合いの時間を提供することを目的としている活動です。
4月にHPやfacebookで案内を開始しましたが、非常に関心が高く、締切日を待たずに定員を超えたそうです。今回は13家族39名が参加されました。
福島県内ではこういった田植えなどの農業体験や野外キャンプなどの企画が多数行われており、県民の関心が高いことが伺えます。
さて、実際の様子です。
24日早朝、今回のツアーにお申込みのあったいわき市・須賀川市・郡山市からの参加者を各地で乗せながらバスで田植えを行う田んぼのある西会津町へ。
バスの中では、普段なかなかできない田植え体験に期待を膨らませる子供たちの姿が見られました(^^
現地到着後には、まず浄土宗西光寺さまにてお勤め。
岩倉剛士ご住職からのご法話をいただいてから、さっそく着替えて西光寺さまの目の前に広がる広大な田んぼへ!
農家の皆さんからレクチャーを受けながら、皆で田植えに挑戦(^^)/
子どもたちは大はしゃぎです♪
ドロドロになりながら親子やご家族同士で協力しながら苗を植え、大自然に囲まれた田んぼには笑顔や笑い声が溢れました。
西会津町では子供の数も少なくなり、学校も統廃合され、子供たちのはしゃぐ姿を見る機会もかなり減ってしまったということもあり、田植えを体験している傍には周辺の田んぼを手入れしに来た農家の皆さんが微笑ましげに眺める姿も多く、田植え体験する側とそれを見守る地元の方々の側と両方が楽しめる時間が持てたことはとても良いことだなぁと感じました。
昼食は田んぼ脇の土手で仲良く♪
お昼の時間には田んぼのすぐ脇を走るJR磐越西線になんとSLが走りました!
すぐ傍を蒸気と黒煙を吹きあげて走る蒸気機関車を前に、参加されたご家族のみならずスタッフを含む全員が歓声を上げて手を振っていました(^^)/
機関車の運転手さんも汽笛で応えてくれました!
田んぼ脇の道は蒸気機関車を狙う写真スポットらしく、大きなカメラをセッティングしているカメラマンもたくさん。
SLを楽しんで一休みしたら、田植え再開。田植えも仕上げを迎えます(^^)/
トラクターに乗せてもらう子どもの姿も。楽しそう♪
農家の皆さんの多大な協力を得ながら参加者・スタッフ総出で田植えを完了し、今回の宿泊所、柳津町のつきみが丘町民センターへ。
源泉かけ流しの温泉で田植えの汗を流して、夕食。
皆で食前・食後のことばをお唱えして、天地の恵みや食材・食事を食べられることに対して想いを馳せ、感謝の念を心に刻みました。
夕食後はレクリエーション。

昼間の田植えでお世話になった農家の方から、「田植え前の準備からお米が消費者の手元に届くまで」を映像を見ながら分かりやすくご説明いただき、いかに手間暇をかけてお米ができるのかを親子で学びました。
また、福島県で出荷されるお米全てに対し現在行われている放射能検査についても正しく学ばせていただきました。
国が提示する基準よりもより厳しい基準を設けて生産者側が主体となって行い、本当に安心・安全なものを消費者に届けたいという強い想いを抱いてご苦労を重ねていることも忘れてはいけないと再確認させていただきました。
学んだ後には、皆で植えた稲を守ってくれる「かかし」作りに挑戦。
いくつかの班に分かれて作業開始。
材料を共同で加工する親御さんたち。
子どもたちは案山子に着せる服をゲームを交えて楽しく選びました。
そのあとは親子や参加された家族同士協力し合って、案山子の顔を書いたり体にボリュームを出したりと、ほぼすべての方が初めての作業とあって慣れないながらも相談しながら楽しく作業されておりました(*^^*)
各々のセンスを基に個性的な顔に仕上げていく子供たち( ゚Д゚)
服もデコレーション♪
親子間、そして各ご家族間でのコミュニケーションが活発に図れ、とても充実した時間だったように思います。
2日目の25日には、西光寺さまにて朝のお勤めを兼ねて参拝させていただき、ご住職から「学ぶことの大切さ」についてのご法話をいただきました。
その後、参加者みんなで前日作り上げた手作り案山子を田んぼへ運び、秋の稲刈りまで見守ってくれることをお願いしながら立てました(^^)
中には個性的な案山子、名付けて「長谷川くん」も・・・かなりヒゲが濃いめです(*_*;
最近では案山子を見かけることも少なくなりましたが、案山子の立つ田園風景も味があって良いものですね♪
案山子たちに見守られて、皆で植えた稲もきっと立派に育ってくれることでしょう!
案山子を立てた後には、近くの公園で行われている「西会津ふるさとなつかしCarショー」へ。

「なつかしCarショー」は毎年行われているクラシックカーイベントで、全国より300台近い参加車両と15000台を超えるクラシックカーファンやライダーが来場するとても規模の大きなモーターイベントです。
クラシックカーから自衛隊特殊車両などの様々な車やバイクの展示、たくさんの出店、西会津のふるさと物産品の紹介や販売など、多くのコーナーがあり、老若男女、車の好き嫌いを問わず楽しめるイベントでした。
普段はのんびりとした田園風景の広がるゆったりとした時間が流れる西会津町ですが、この日ばかりは沢山の車やバイク、人で溢れます。
田植えツアーの参加ご家族の皆さんも熱気に包まれたこのイベント会場の熱い空気を思い思いに楽しまれている様子でした。
中には、この「なつかしCarショー」があるからツアーに参加しました、というお父さんもいらっしゃいました(*^^*)
昼食は西会津道の駅にて、地元のお母さん達が地元の食材を使用して作ってくれる旬彩弁当をいただき、皆さん心のこもった手作りのものの美味しさを実感されている印象でした。
震災・原発事故以降、福島県をはじめとして「食」に対する意識が高まっています。
今回のツアーでは、「親子の触れ合い」に重きを置いてプランが進められておりましたが、食材が生産者の方々が大切に手間暇をかけて作られているのかを身をもって体験できるツアーともなったのではないでしょうか。
今回、植えられた稲はまた秋に行われる予定の「稲刈りツアー」に参加の皆さんで、刈り取らせていただくとのことです。
それまでは、地元の農家さんと皆で作り上げた立派なかかしさんが成長を見守ってくれることでしょう。
今から稲刈りが待ち遠しいですね。
また秋にはブログでご紹介させて頂きたいと思います。
最後になりますが、今回のツアー企画にご協力いただいた関係各所の皆様、本当にお世話になりありがとうございました。
応援させていただいている福島事務所といたしましても御礼申し上げます。