初塗り ~顔彩でチューリップを描く~ | 卓上工房の奇人 細密水彩絵師・柴猫由貴の奇行録

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~姿形ではなく、私はその普遍の魂を紙の上に座らせたい~
そんな事を考えて日々筆を握るドSが滲み出ている絵描きの奇妙な生活


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どちら様もおはようございます。 水彩絵師の柴猫です。

少しばかり手が空いたので、この隙に色々と試してみようじゃないのよ!と、以前から欲しかった顔彩を購入してみました。
顔彩 吉祥24色上製 [1134854]
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顔彩とはなんぞや、水彩絵具と何か違いがあるの?という方にまたザックリと説明させて頂きます。

顔彩というのは、よくあるチューブの絵具と同じような顔料に天然デンプンや膠(にかわ)を加えて練り混ぜたものです。
そのうち、角皿に入れて乾燥させたものを「顔彩」、丸皿に入れたものを「鉄鉢」と言うようです。

日本画材料の中ではもっともポピュラーとされるもので、岩絵具の下塗りなどに使用されているようです。
最近では、これを使って絵手紙などを書く人も多い・・・まぁそんなポジション。


使い方としては、水を含ませた筆で表面をなぞると顔料が溶け出してくるので、それをパレットなど別皿に移して濃度の調節や混色をする・・・というものなので、基本は多分水彩絵具と同じだと思います。

とはいえ・・・話に聞くのと実際に使うのはまったく別。
まさに「百聞は一見にしかず」、いやいや、そこからさらに進んで「百考は一行にしかず」なのです。

まぁ私は別に水彩が他の画材より劣るとは思いませんが、作品の持ちだったり表現の幅を広げるためには他の画材との組み合わせも考えなければなりません。

そして、同じ水彩顔料であっても、メーカー、材質などによりわずかな違いがあります。
確かに、今は「アルシュ紙&ホルベイン」が使い勝手もコスパも鉄板だなぁと思いますが、たまに違う素材に色付けすることを考えると、他の組み合わせを何種類か手段として持っておく必要があります。

そんなわけで、試せる機会があれば・・・同じようなものでもチマチマと試しています。

さて、そんなわけで届いた顔彩。

image2.JPG

たまに画材屋さんで「綺麗だなぁ」と思って見ていたのですが、こうして間近で見ると本当に美しいですね。
乗っている筆はオマケでつけてくれたものです。

image3.JPG

顔彩は色の名前が美しいのも魅力です。
この写真は左上から「花白緑(はなびゃくろく)」、「紅(ベに)」、「紫」。
左下から「緑青(ろくしょう)」、「岱赭 (たいしゃ) 」、「青草(あおくさ)」。

あ~、使うの勿体無い(;´Д`)
あ、いやいや、タンスの肥やしには出来ませんよ!!
絵具は使ってなんぼや。

さて、今日のお題は先日チューリップを沢山見てきたのでチューリップです。
普段は写真など資料を前に置いて描きますが、今回は自分の記憶力のみで描いてみましょう。
そんなわけで、普段の細密さ加減は期待しないように。 
さぁ、ウン年ぶりに描くチューリップはチューリップになるのか!!


まずは・・・そのへんのメモ帳にざっくりと下書きします。
(ガチメモ帳で、わけのわからない文字の上にさらにざっくりと描く)

それを今回はアルシュ水彩紙のハガキサイズ(粗目)のものにトレースします。

image4.JPG
確か、このハガキも画材店からもらったもの。
あそこの画材店から結構沢山もらってるなぁ。まぁ額装とかも全部やってたし、お得意さんっちゃ、お得意さんだったからね。

まぁ、こんな感じでザックリ。 今回は撮影のために濃い目に描いてありますが、普段はもっと薄いくらいでトレースします。

ここから着色。
私は花びらの縁が黄色くなるタイプのチューリップが好きなので、それを一本、そして隣のはピンクにします。

きちんと日本画とか勉強した人から見たらなんか違うのかもしれませんが、私は今回はほぼ水彩画の技法で色を乗せてみています。

薄い色から乗せるのが基本・・・まぁ基本。 
勿論、たまにわざと濃い色からゴンと乗せる事もありますが・・・基本は薄い色からです。

む~、むむむ・・・・顔彩は、若干ノビが悪いようです。
聞いた話では、顔彩は和紙との相性のほうがいいらしいですから、その違いがこのノビ感なんでしょうか?

そこで、書き比べるために、一番右の花を“万年洗わないパレット”に残っている透明水彩絵具で塗ってみることにしました。

※洗わないパレットとは・・・もうどうにもこうにもスペースがなくなるまで、絶対に洗うことのないパレットである。 
数ヶ月に一度「ホコリ取り」としてザックリと水がかけられ、混色スペースだけ拭かれるが、基本真っ白になることのないカオスなパレットである。
・・・・洗ったら絵具が無駄になるじゃないか!! 欠片でも絵具は絵具なのよ!!

image5.JPG

これだとまだ違いがわかりにくいですね。
さらに進めてこのくらい。

image6.JPG

写真だとわかりにくいのですが、アウトラインが顔料のほうはどうやっても滑らかになりません。
筆にたっぷり目に乗せてはいるのですが、筆で縁をとる途中でかすれてしまいます。
同じ事をホルベインの透明水彩でやると・・・まぁいつもどおり。

勿論、使い慣れているかどうかの差もありますので、何度か試すか、紙を変えてやってみるしかありませんね。
(特に今日の紙は普段使わない粗目ですしね)

それと顔料は透明水彩よりも、不透明水彩に近い感じがします。

発色はとても綺麗なんですけど、薄めても透明水彩とはちっと違いますね。
不透明水彩をシャビシャビにして塗った感覚です。

花は結構濃い色の花でもどこか透明感があるものが多いので、花を描くなら顔彩よりも透明水彩のほうが雰囲気は出しやすいかもしれません。

あと、ここで背景が真っ白だと味気ないので「白群(びゃくぐん)」を“雲塗り”(うちでの呼び方)をします。

image7.JPG

少し陰影を追加して・・・まぁ今回はこのくらいにしておきましょう。
最後に落款を・・・と思ったのですが、紙の目が粗すぎて押せなかったので・・・筆で描く(笑)

主線も文字も入れていませんが、まぁ絵手紙風っちゃ絵手紙風ですな。

家のどこかに画仙紙ハガキもあったはずなのですが、次はそれで試してみるとしましょう。

絵に限った話ではありませんが、何事もまずはやってみなければ分かりません。
そして、上手くやるためには何度も失敗を繰り返してやってみなければ上達はしません。

よく人に「画才があって羨ましい」とは言われますが、私にあるのは画才じゃありません。
「思いついたらやってみないと気がすまない好奇心と、出来るようになるまでやり続ける諦めの悪さ」
この二つです。

これから行楽シーズンですので綺麗な風景を見に出かけるのもいいと思うのですが、わざわざ遠くまで出掛けなくても、綺麗な物というのは日常風景のちょっとした所に沢山あります。

そうゆうのを見つけられた時というのは、有名どころの絶景を見るのとはまた違う喜びがありますし、またそれを絵にするのもとても楽しいものです。

せっかく長いお休みがあるのなら、そうゆうものを見つけて歩くのもよいのではないでしょうか?

さて、次は何を描きましょうかね?

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