この作品には山下達郎さんの曲がよく似合う
TVCMを見たときには、
「えー・・・・・・細田監督に山下達郎さん?あわなくない?」
って思ったけど、見て納得
あ、これ、山下達郎さんじゃないと駄目なんだ
この作品には、派手なアクションはないし、主人公はっていうと「甘えん坊の幼い子供」だっていうことが重要なポイント
それがどうしたって?
そういう事をいう貴方は幼い子供に剣持ってドスンバタン活劇しろって言いますか?
この作品で重要なのはそういうことじゃないの
むしろそういうのを期待している人、異世界転生物が好きな人は見ないほうがいい
内容は
今まで王子様で、甘え放題だった子供が、妹ができた途端、みんな妹ベッタリで相手にされなくなった
面白くない
自分だって甘えたい
でもみんな妹に手一杯
自分だって・・・・・自分だって・・・・・
って思ってるその子は、ある日、不思議な空間での不思議な経験を重ねることで、「甘えん坊のくんちゃん」から「未来ちゃんのお兄ちゃん」へと「心が成長していく」お話
子供目線だから
くんちゃん
ミライちゃん
おとうさん
おかあさん
ユッコ
おじいちゃん
おばあちゃん
っていう感じで、名前が一切出てこないんだよね
それもまたこの小さな子供「くんちゃん」が主人公であり、今回はこの「くんちゃん」を中心に物語が進むことを示唆しているんだよね
登場人物の中で、一番誰だろう?誰なんだろう?って思ったのは「くんちゃんの曽祖父ちゃん」
あとはもう全部丸わかり
謎の男は冒頭のポートレートをしっかり見ていれば「かつてこの家の王子だった」のセリフですぐに分かるし
お母さんは伏せてないからすぐに分かるし
くんちゃんがくんちゃんと対面するのも話の内容からすぐに分かる
っていうかあの台詞のやり取りは子供の喧嘩だったw
この物語で重要なのは謎掛けじゃなくて、「くんちゃんがお兄ちゃん」になるということ
それは一人でなるわけじゃなくて、この世界では家の木が手助けしてくれたけど、でも本当は、家族みんながそれぞれやってあげて助けてあげることだよねっていう感じ
この作品のくんちゃんは、たまたま木の力のおかげで、謎の男や、未来のミライちゃんや、曽祖父ちゃんの手助けがあって成長できて、最後に自分が誰かということを自覚したところで、「ミライちゃんお兄ちゃん」になれた訳だけど
本当は家族みんながそれぞれ成長を手助けしてあげるところでもあるわけで
大変なのはわかるけど、「おにいちゃん」になるためにみんなも手助けしてあげてねっていう感じの話だった
後日談として「おにいちゃんのくんちゃん」はDAKARAのCMで見られるよ