恋のシーズンがスタート?七十二候「鶺鴒鳴」 | さいあままのブログ

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恋のシーズンがスタート?七十二候「鶺鴒鳴」

 

 みなさん、ハクセキレイってご存知ですか

 


    街中でもよく見かけるあの鳥です。細い体で、地面をちょこちょこ歩き回り、尾っぽをピンと振る姿がとっても愛らしい鳥です。実は、このセキレイ、なんと日本神話にも登場するおめでたい鳥なんですよ!イザナギとイザナミに子づくり(国づくり?)を教えたと言われていて、「恋を教える鳥」という伝説もあるんです。

 

 さて、暦にもセキレイに関する特別な時期があるんです。それが七十二候の鶺鴒鳴(せきれいなく)。2024年は9月12日から16日。(例年9月13日から17日ごろです)

 

 では、この頃にセキレイがさえずり出すのか?ただの地鳴きではなく、恋の季節を迎え、セキレイたちがさえずりだしてパートナーを探し始めるのか?と、思いネット上で調べて見ましたが、どうも違うようです。ハクセキレイもセグロセキレイもさえずりのピークは、4月や2月と全く違う季節であるという資料にしか出会いませんでした。

 セキレイの鳴き声は高く鋭いので、秋の初めの澄み渡った空に一層、響き渡るように感じられ、胸がキュンとします。大気が澄んできたことを感じさせるのが鳥の声である、と言うことなのかもしれません。

 

時代とともに季節がズレてる?渡りの時期や繁殖地域・セキレイの種類

 さえずりの時期ではないということは、渡ってくる季節なのか?いや渡ってくる季節だったのか?というのが次に検証しておきたい点になってきます。


 日本でもっとも普通に見られるセキレイは、ハクセキレイ。その他にセグロセキレイキセキレイイワミセキレイなどがいます。
このうちセグロセキレイ、キセキレイは元々渡りをほとんどせず、年間通じて見られる留鳥です。(キセキレイは渡りをする群もいるそうです。)x

 

 一方ハクセキレイ、イワミセキレイは渡り鳥です。いや、でした。

 かつて、ハクセキレイは渡り鳥「でした」。北部日本で繁殖し、冬になると南部へ移動するため、西日本では「冬鳥」として知られていました。

 

 なので、秋の始まりのこの「鶺鴒鳴く」はかつて本当に「セキレイが北から渡ってくる」という季節だったのかもしれません。

 

   しかし、時代とともにその習性に変化が見られ、今では渡りをしないハクセキレイが増加。通年、日本各地で見かけるようになっています。

 この背景には繁殖地の変化があります。以前は国内においては北海道や東北地方でしか繁殖していなかったのが、1970年代頃から関東地方にも広がり、現在では四国や九州でも繁殖しているんです。
 例えば、2024年現在では日本野鳥の会京都支部さんの図鑑の「渡り区分」では「留鳥:年間を通して京都府内に生息している鳥」と明記されるに至っています。

 

ハクセキレイは、留鳥化の傾向に合わせて個体数の増加も見られます。

 

 反対に、セグロセキレイやキセキレイは、個体数が減少しているという報告も見られます。永年キセキレイとセグロセキレイで棲み分けていた河川沿いの水際が、ハクセキレイの勢いに押されて、追いやられているようです。セグロセキレイやキセキレイは大丈夫でしょうか?気になります。

 

見た目は可愛くても執念深くて攻撃的?!

 話は変わって、セキレイの性質です。この恋の先生、見た目はかわいらしいのに、実はめちゃくちゃ気が強く、攻撃的なのです。
 大きなカラスを数羽で追い立てているのを見かけることもあります。

 こんなエピソードも紹介されています。

 ある日、猫がセキレイを捕まえようとしたところ、仲間のセキレイたちが集まってきて猫を急降下で攻撃!猫は驚いてセキレイを逃がし、さらに家の中に逃げ込んでも、セキレイたちは窓の外から体当たりして威嚇を続けたそうです。

 セキレイは気の強さと執念深さも持った鳥なのですね。 地方によってはセキレイを殺すと子孫に不幸が降りかかる、という言い伝えもあるそうです。

 ちょっと怖い?かもしれませんが仲間思いということでしょうね。

 

ハクセキレイの鳥言葉は「直情径行」

 そんなハクセキレイの鳥言葉が、「直情径行(ちょくじょうけいこう)」だって知ったとき、私は「え?なんで?」と思いました。だって「直情径行」って、感情にまかせて思慮深さに欠ける行動をすることですよね?まさに「勢いで突っ走っちゃった」的な意味。ふだんはどちらかというと、「ちょっと考えなよ~」って注意されるシーンで使われることが多い気がします。

 

でも、実は「直情径行」っていい意味かも?

 ハクセキレイが「直情径行」を鳥言葉に持っているのは、考えてみるとちょっとポジティブな意味もあるかもしれません。例えば、ハクセキレイのあのキビキビとした動き、すぐ行動に移すそのフットワーク!まさに「感情に素直になって、即行動!」といった印象があります。ためらわず、率直に行動できるって、ある意味では長所ですよね。思い切りの良さとか、積極性とか、現代では大事なスキルかもしれません。

 それに、神話の中でセキレイが「恋を教えた」っていう設定も、ちょっと「直情径行」とリンクしてる気がしませんか?恋って、理屈で考えすぎていたら進まないことも多いですよね。だからこそ、時には直情的に、感情のままに進んでいくことが必要な場合もあるのかも。そう思うと、この「直情径行」ってむしろポジティブで情熱的な意味にも感じられてきます。

 

ハクセキレイの教え:時には素直に行動するのも良い!

 もちろん、「直情径行」は注意が必要な場合もあります。勢い余って失敗しちゃうことだってあるでしょう。でも、ハクセキレイの姿を見ていると、ためらわずに自分の感情に従って行動することが、時には新しい扉を開く鍵になるかもしれない、そんな気がしてくるんです。

 だから、次にハクセキレイを見かけたときは、「あ、彼らはただの鳥じゃないんだ。恋の神様からのメッセージかもしれない!」と思い出してみてくださいね。そして、少し迷っていることがあったら、思い切ってその感情に素直になってみるのも一興かもしれません!