【書籍】欧州特許(3)-実務家のための欧州特許条約 | 特許翻訳 A to Z

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昨年11月に「欧州特許実務ガイド」を取り上げた際に言及した、待望の書籍です。
1892年に設立された欧州屈指の特許事務所から、英日対訳で刊行されました。

巻頭に日本知的財産協会副理事長の推薦の言葉が載っていて、書き出しは次のとおりです。
  本書は、欧州特許実務を日本の実務家のために解説している。

本書の内容は、まさに、この一言に凝縮されていると思います。
学術的な観点で作られた書籍ではなく、実務の現場から、実務直結で作られています。

欧州については日米に比べると印刷物の資料が圧倒的に少ないですし、今後バイブルのような存在になるかもしれません。

もちろん、法律や審査基準は頻繁に改正されますから、最新情報は常に特許庁で確認する必要があります。
ただ、章ごとに細かく分割されたインターネット上のデータと異なり、1冊に「まとまって」なおかつ「日本語で」追える利点は、非常に大きいです。
欧州特許庁で最新情報をあたる際にも、先にこちらで条文の番号や文言などを確認しておくと、探す手間が確実に削減されると思います。

 

■実務家のための欧州特許条約 (978-4535521926) 

各章の見出しと執筆担当者
序/Joachim Renken
[第I部] 実体的要件
第1章 開示概念と新規性/Martin Bachelin & Stephan Disser
第2章 進歩性/Declan Mulhern
第3章 先行技術/Jan-Hendrik Spilgies
第4章 開示の十分性/Joachim Renken
第5章 特許の対象 I/Andreas Stefferl
第6章 特許の対象 II/Michele Baccelli & Rainer E. Zangs

[第II部] 欧州特許出願の手続
第7章 欧州特許出願/Leonard L. Werner-Jones
第8章 クレーム/Matthias Wolf
第9章 優先権/James M. Ogle
第10章 欧州調査/Georg Siegert
第11章 実体審査/Christiane Stein-Dräger
第12章 補正/Morten Garberg
第13章 救済/Matthias Kindler

[第III部] 特許付与後の手続
第14章 特許異議申立手続/Veit-Peter Frank
第15章 審判/Morten Garberg
第16章 一元的な限定・取消手続/David Lethem

[第IV部] 欧州特許条約に関連する国内法と欧州法
第17章 欧州特許条約と国内法/Klemens Stratmann
第18章 今後のEU特許パッケージの枠組みにおける欧州特許/Thorsten Bausch

[付録] 欧州特許庁の審判部の手続規則

【索引】
索引は、ありません。
とはいえ、各章の目次が非常に細かくつけられているため、索引がなくても欲しい情報にアクセスするのに困らないと思います。

 
 


判型はA5版で700ページを超えていますから、持ち歩くのには向きません。

でも、この内容でこの値段(7,020円)は、かなり割安だという印象を受けました。
制作のために、相当に手間と労力がかかっているであろうことは、容易に推察できます。
私は実務家ではありませんが、翻訳者にも価値のある情報が多く、版元に心から感謝したい1冊です。



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