佐上邦久が今回語る長崎のおすすめスポットは大浦天主堂です。
グラバー園と隣接して、坂の上に建つ白い教会が大浦天主堂です。
正式名は、異本二十六聖殉教者天主堂といいます。
1957年に豊臣秀吉のキリシタン禁止令により処刑された26聖殉教者に捧げられています。
天守は中国語で、神(ゼウス)を意味しています。江戸時代末期に、フランス人宣教師のプチジャン神父が、外国路居留者のために小山秀之進に施工させたことから、フランス寺とも呼ばれています。
大浦天守堂で世界的に有名なエピソードは、信徒発見の軌跡です。
元治2年(1865)に、大浦天主堂を訪れた浦上の隠れキリシタンのひとりであるイザベリナゆりが、プチジャン神父にむかって「ワタシノムネ、アナタノムネトオナジ、サンタ・マリアのご像はどこ」と、ささやきかけ、自らの信仰を告白します。
秀吉の禁教令から250年が経過していました。
そのときのマリア像が、天主堂内の中央祭壇の右側の「信徒発見のマリア像」と呼ばれるものです。主祭壇の真下に位置する地下には、プチジャン神父の遺体が埋葬されています。
佐上邦久が大浦天主堂の一番の見どころとしておすすめするのは、150年も前にフランスで作られたステンドグラスです。
天主堂の正面に配置された高さ3メートル、幅1.5メートルものステンドグラスには、十字架のキリスト像が描かれ、そこから差し込む厳かな光が、神聖な気持ちにさせてくれるでしょう。