日本の高速道路の定義はムズカシイ。皆さんもいろいろ考えていることだろう。最も厳しい方だと、高速自動車国道のみが高速道路!という方もいれば、自動車専用道路なら何でも高速道路じゃない?という方もひょっとしたらいるかもしれない。私はその中でも中庸な(?)、高規格幹線道路≒高速道路論者である。
ちょっと、いろいろと定義を調べてみた。出典がWikipediaで恐縮なのだが。
日本においては「全国的な自動車交通網の枢要部分を構成し、かつ、政治・経済・文化上特に重要な地域を連絡する道路、その他国の利害に特に重大な関係を有する道路」と定義されている道路であり正式な名称は「高速自動車国道」である。 建設・運営に関しては国土交通大臣が内閣決議を経て予告・告知を行う義務を有する。 厳密には地域高規格道路(各地域ごとの区分として「~自動車道」を名称としているもの)の内「A路線」と規定されたものの事を指すがバイパス道路なども構造的に高規格幹線道路に近いものが採用されているものについては広義の高速道路と認知されている場合もある。
ここでは高速道路=高速自動車国道とされている。
「日本の高速道路」では逆に「自動車専用道路=高速道路」と逆にかなり広義な定義であった。
そして、さらにこの記事には、より細かな分類があった。
ちょっと、端折るが、こんな感じである。
・高規格幹線道路
・高速自動車国道(A路線)
・高速自動車国道に並行する一般国道自動車専用道路(A'路線)
・国土交通大臣指定に基づく高規格幹線道路(一般国道の自動車専用道路)(B路線)
・本州四国連絡道路(B路線に準じる。)
・地域高規格道路
・都市圏自動車専用道路(都市高速道路及び重要路線)
・一般
・その他の自動車専用道路(高規格幹線道路及び地域高規格道路に分類されない自動車専用道路)
正直言って、かなり複雑である。そして本当に≒自動車専用道路だな、と。
私の意見としては、全国路線網として扱うべき路線のみを高速道路=高規格幹線道路=高速自動車国道とし、それ以外を、ただの自動車専用道路≒地域高規格道路にしてしまっては、と考えている。
目下、高速自動車国道でも地域高規格道路(orその他の自動車専用道路)でもないグレーゾーン・A'~B路線をはっきり白黒つけようではないか。早い話、高速道路にふさわしい路線の取捨選択をしようというのが、このシリーズのコンセプトである。
もちろん、A路線でも不適格な路線は降格させるし、場合によっては地域高規格道路からの格上げもやぶさかではない。
でもって、もう一つ、高速道路の名称について。
今は、営業路線名と正式路線名に分かれている。これをわかりやすく統一する。要は、営業路線名と揃うように政令をすべて取っかえる。
さらには、高速道路ナンバリングについて。これは国土交通省が制定したものであるが、高速自動車国道を指定する政令には載せていない。これを正式に政令に組み込む。要は、道路名と合わせて、各路線を「高速自動車国道○○号××自動車道」という名称にするわけだ。
なお、私の案としては、高速道路ナンバリングは、私案としては「○号線」と呼びやすいように、従来のようなEだのAだのCだのという記号はつけない方針である。今あるAとかCとかの記号は原則としてなくす方向にしているし、本線上の表記からも「E」という表記はなくして、数字をバーンと出すようにデザイン変更するようにするつもりだ(なお、日常的な表記は今でも国道○号をR○とするように、高速○号もE○とすることを想定している)
また、1つのナンバリング…いや路線番号は1つの路線名、一対一対応になるように今回整理することにする(ナンバリング制定以来私が不満だった点を全力で解消する!!)。
まあ、次回ご紹介する東名&名神に限っては例外的に①記号不使用②一対一対応を両方とも破ることになるのですが、これが「唯一の例外」となりますのでお見逃しください。
都市高速について
都市高速道路は、名前のわりに線形の悪さや交通量の多さ故、高速では通れない。また、都市内の交通を担う点で、ふつうの都市間高速道路と明らかに役割が違う。まあ、言ってしまえば地域高規格道路の仲間だ。
今、首都圏と阪神圏で、一体的な料金制度が実施されており、最近、名古屋でも適応されるようになった。
都市間高速道路に準ずる、ではないが、道路ネットワークを形成する上でふつうの地域高規格道路よりも一段上の扱いが必要なんじゃないか。そんな気がする。
とはいえ、ふつうの地域高規格道路が全国道路ネットワークを形成していないとは言わない。実際、周りの高速道路と一体的に運用されているケースもある。ならば、それらと違う扱いにする根拠ってどのへんかな、と思う。これは、いろいろ意見があるだろうが、私は、そのネットワークの大きさだと思っている。ちょっと大きめの地方都市で自動車専用道路を作っても、蜘蛛の巣のような大きなネットワークは作らないと思う。やはり、日本では東名阪三大都市圏(あとは入れるとして福岡ぐらい)に特有の制度ということになるんだろうな、と感じている。
今回の私の話で定義する「都市高速道路」は首都高速、阪神高速、名古屋高速、福岡都市高速の4種類としたい。
広島高速道路と北九州都市高速道路はナミの地域高規格道路と同じ扱いでいいと思う。…広島はまだ都市高速らしい路線網を確立できていないし、北九州はそもそも、大都市として微妙だし。
さて、日本の都市高速道路は首都高・阪神高速とそれ以外に分けられる。というのも、管理団体が大きく異なるからだ。
ご存知の方も多いと思うが、首都高や阪神高速は、JHや本四と同じ、公団から株式会社になった組である。そして、それ以外については、そこらへんの地方の有料道路と同じように地方道路公社の運営である。
ここからは、首都高と阪神高速についての話を中心にさせていただく。
まずは、この記事を見ていただきたい。
道路公団民営化にある明暗 NEXCOに比べ難しい都市高速、その未来は(乗りものニュース)
みんな大好き(?)乗りものニュースの記事である。おなじみ清水草一センセイの記事だ。内容は、かみ砕いていえば、NEXCOはかなり潤っている反面、首都高や阪神高速は、サぱ事業があまり見込めないこと。街中を走る都合上。橋桁やトンネルが多く維持費がかさむこと。都市交通計画施策により交通量が減っていること。新規建設がやや打ち止めになっている感があるため、そういう意味でも交通量増加が厳しいものがある、ということ。これらの理由により、かなり差がついている感がある。
都市高速を束ねる単独の企業として歩き出した2社の明日はいかに。そんな感じである。
手短にいえば、客をNEXCOにとられた状態になっちゃっているのだ。これをどうにかしたい。これについては、いろいろ考えがあるし、反発もあるかもしれないが、ひとつの笑い話として聞いてほしい。もし今後、これらの2社が行き詰まっていくことが予想される場合、取りうる対応として、NEXCOとの合併が考えられる。統一料金制度を組むのなら、その制度の中で、都市間高速道路も都市高速道路も一体的に管理する、という理論である。
そうなってくると、地方公社管轄の路線も等しくNEXCOに入れてしまってもいいと考える。
もちろん、だからといって今の首都高を従来の高速道路と同じように扱うという話ではない。あくまでNEXCO東管理の首都高速道路、NEXCO西管理の阪神高速道路としてやっていくのだ。言ってしまえば、「都市高速道路」を高速自動車国道でも一般道バイパスでもない特別な道路とすべく制度化するということなのだ。
要はこのように都市高速道路を制度化する。
①5社(2株式会社3地方公社)6路線網にわたる都市高速道路すべてをNEXCOグループに編入する
具体的には首都高が東、名高速は中、阪神、広島、福北は西ということになる。西は本四高速も編入するため、かなりの大所帯になる。
②首都高、名高速、阪神高速、福岡都市高速は「都府県道」にする
これは大いに説明が要りまくるだろう。
高速道路、というか現制度で言うところの高規格幹線道路は原則、国道だ。そのうちA路線は高速自動車国道、A'・B路線は一般国道の自動車専用道路である。もっとも、後者は稀に都道府県道のこともあるが。
対して都市高速道路は政令指定都市道もしくは都府県道だ。少なくとも現行開通区間に国道はない(首都高、阪神高速に1か所ずつ事業中の路線があるが…)。これら4大都市高速現行総延長700kmを敢えて全部国道に編入することもあるまい。ここはすべて都府県道に統一する(現行は原則市道みたいなところはあるが、地方自治体同士の移管は国道より簡単だと思って目をつぶってほしい)
しかし、そうなると問題が発生する。というのも、NEXCO管轄の道路はすべて国道だからだ。高速道路法で決まっているかどうかまでは筆者が法律に疎いためよくわからないが、現実問題そうなっている。実際、大阪府道路公社とかからNEXCOに移管された道路は、元が県道である場合、同時に国道指定されている(さらに細かい話をすると補助国道の場合も直轄国道に編入するらしい)。
どうするか。「NEXCOが都府県道を管轄できるように規定を変える」のだ。ただ、今後ともナミの県道を管轄することはないように、「指定された特別な都府県道」を管轄するように変えるのだ。
この記事を読むような道路好きの諸氏には釈迦に説法であることを承知のうえで申し上げるが、都道府県道には二種類ある。主要地方道と一般都道府県道だ(余談だが一部の政令市道には主要地方道があるらしい)。
国道まで行かなくとも地域の重要路線となっているのが主要地方道で、基本的に2桁以内の番号が与えられる。まあ、例外と言えば北海道とか福岡県(路線が99で収まらず100号と151号が主要地方道になっている)ぐらいだと思うけど。
そして、それ以下のフツーの都道府県道が一般都道府県道というわけ。
この2種類ある「都道府県道」にさらに1種類加える。それが都市高速道路だ。繰り返すと、都道府県道を主要地方道、一般都道府県道、都市高速の3種類にする。厳密には国道が一般国道と高速自動車国道があるように、都道府県道に都市高速を加える。
なお、実際の路線案内は従来のルートマーカーを用いるが、管理上の整理番号は900番台を使用することにするつもりだ。なぜなら、900番台は北海道道以外使用していないからである(札幌には都市高速がないので、不都合はない)。
ということで、首都高速は東京都道・埼玉県道・千葉県道・神奈川県道、名古屋高速は愛知県道・岐阜県道(名岐バイパスを名高速化するため)、阪神高速は大阪府道・兵庫県道、福岡都市高速は福岡県道となる。
なお、都市高速道路でなくなる広島高速・北九州都市高速は逆に国道に編入し、国道バイパスの一般有料道路という扱いにする。
③周囲の高速道路・自動車専用道路から路線を編入し、ネットワークを強化する
先に言っておくと、本シリーズは高規格幹線道路が地方高規格道路に降格することはあるが、現行の都市高速は(広島・北九州以外)指定解除されることはほぼない(例外が大阪の方に1本だけ…これは時が来たら語ります)。しかし、逆は大いにある。横浜の有料道路群はほとんど首都高に編入する方針にしたし、それ以外の有料道路もかなり編入しまくる方針だ。
なお、高速自動車国道でいうと、外環道、名二環、近畿道・阪和道(堺まで)などが編入対象となる。
今後とも何度か出てくる話なので東京の話をしておく。外環道を首都高化すると言ったが、実は外環道の内側に一部高速道路が存在する。詳しい説明は追々するが、まず言っておく。その内側の高速道路も首都高に編入する。
ということで、これから各論に入る。かなり長いシリーズになりますが、お付き合いください。