前回なぜ環状路線の話をしたか。それは、今回が関西の環状路線の巻だからである。

外環・名二環に相当する外郭環状線は近畿道・阪和道の吹田~堺(そして堺泉北道路)、圏央道・東環道に相当する大環状路線は京奈和道というわけである。これらはどういうわけかC系統ではなく、通常のE26、E24が与えられている。その辺、環状路線としての立場も踏まえたうえで話をしたい。

 

京奈和道

無料主体の路線・もしくはB路線については後回しにする予定だったが、そういう事情なので、今回取り上げることにしたい。

今、京都から和歌山まで2か所の分断がある不完全な路線で、今後の予定も含めた大まかな経路について書くと、京都市近郊の、新名神から分岐する城陽から奈良県の郡山で西名阪道と交わり、和歌山までを結ぶ路線となる。なお、郡山を境に京都方面は有料、和歌山方面は無料となる。

前回の圏央道・東環道の件を踏まえると、都市間高速道路として扱うのが適当となる。で、一番の問題はそのわりになぜか無料区間が多いのだ。

2015年の交通量調査では、阪和道との接続もなかったことも相まって、1~2万台/日となっているが(とはいえ決して少なくはない)、これが京都まで通じた時を考えてほしい。新名神までダイレクトに行けるとあって、絶対に交通量が増えるはずだ。そういう意味で、南側区間も有料にしたほうがいいと私は考える。現在、京奈和道と第二京阪道路の間は新名神を利用することになっているが、ここで2度のJCTを挟む交通が発生するのもよろしくないと私は考える。是非とも久御山JCTまでなるべくまっすぐに繋がるように、京奈北道路を事業化してほしいと考える。

計画上は京滋BPにつながる計画が優勢のようであるが、ここは京都市内へのアクセスを考慮し、第二京阪につながるようにしてはどうだろうか。というのが下図である。

 

近畿道

で、こちらが外郭環状路線という性格を持つ。こちらは、外環と名二環と同じだ。阪神高速C2中央環状線とする。

 

阪和道

ここもまあまあ特殊な路線で、岸和田和泉で料金制度が変わる。岸和田和泉から南はふつうの高速道路と同様に対距離制だが、そこから北は均一制だ。私は、堺まで対距離にして(この線区切り替えはあまり大掛かりな料金所工事は必要にはならない)、そこから北を近畿道ともどもひとつの路線にすべきと考えた。すなわち、堺までC2中央環状線とする。

 

では、対距離区間に戻って以降の話をしよう。

伊勢道でもそうだったが、和歌山を過ぎると、和歌山県内の地方都市を結ぶ路線となるので、全国路線網扱いする意義はうすい。ただ、堺から一直線の伸びる路線なので、どこまで高速道路扱いするかは、伊勢道などと同様、交通量と相談ということにする。

すると、有田まではなんと3万台/日もの交通量があることがわかる。そして、そこから先は交通量が落ちる。とはいえ、4車線化工事も進んでいるので、そこそこの交通量はある。結果、阪和道(有料区間)としての終点である田辺まで1万台/日を保つそうなのである。意外と多いんだな。

ということで、ここは今の有料区間は阪和道という風に結論づける。

あとは、湯浅御坊道路はもちろん編入ということだけ申し添えておく。

 

紀勢道

で、田辺から先は無料なのだが、それでも交通量が目に見えて落ちる。

紀勢道、今はつぎはぎだらけなのだが、紀伊半島を外回りするルートを作っても、わざわざ三重と和歌山の間を通行するのに需要があるとも考えられない。そういうわけで、ここは三重県側の有料区間も含め、地域高規格道路落ちでいいと思う。

 

舞鶴若狭道

なぜこの回で扱うか。特に書くこともないからだ。こちらは兵庫県と福井県を結び、西日本のネットワークを形成する役割を果たしていると判断し、残留とする。