皆様、ご無沙汰をしております。

だんだんと梅雨の空になってきましたね。

ですが、雨空を吹き飛ばす勢いで、「蔦之助だより part28」をお送りさせて頂きます!

今月は、13日に初日を迎えた、大阪松竹座「通し狂言 鯉つかみ」に出演しております!!

私のお役は、物語のあらすじを解説する「口上」でございます!



お客様が、より、鯉つかみの世界に入り込めるよう、頑張ってます!

また、愛之助さんがCMをなさった、様々な商品の名前も盛り込んで、

楽しみながら、口上を作らせて頂きました。




そして、今回の「鯉つかみ」の見どころは、

何と言っても!愛之助さんの怒涛の十二役早替りです!

様々な役柄を、次々に演じ分けていらっしゃいます。

また、複数役の早替りといえば、欠かせないのが、代役である、吹替です。

今回、私も、十二役の中の、二役の吹替を勤めさせて頂いています。

あくまでも、吹替は、主役の吹替です。

誰か分かってはいけないので、私が何の役の吹替を勤めているか、

演出の都合上、明かす事をできませんが、今月は様々な役柄を勉強させて頂いてます!




さてさて、先ほど私が口上を勤めていると申しましたが、

皆様は、歌舞伎の口上が始まる前の、

「とざい!とーざーいー!」

という、掛け声を聞いた事がございますでしょうか。

これは『東西ぶれ(とうざいぶれ)』と言って、

「客席の端から端の皆様!今から喋る、この人に注目して下さい!」

という、合図なのです。

でも、なんで、客席の端から端が、東西なのか…、

「なーんぼーくー」と、『南北ぶれ』とはならなかったのか…、

もちろん、言いづらいからではありません 笑

それは、すばり!!

江戸時代の芝居小屋は、南向きに建てられていたから!だそうです。

昔の芝居小屋は、ライトの代わりに、太陽の自然光を照明としていました。

ですから、一番効率が良く太陽光を取り入れる為に、南向きに建てられていたのです。

その昔、全ての芝居小屋が南向きだったなら、

全ての芝居小屋の客席は、東西に広がっていた!という事になりますよね。




写真は、昨年11月に行った、兵庫県豊岡市の永楽館です。

そういえば、ここも南向きに建てられていました!



それでは最後に!

あれ??

鯉は、愛之助さんがつかまなくてはいけないのに?





わー!

男女蔵さんがつかんでるーー!笑

男女蔵さんは、物語の後半に、颯爽と登場する、

篠村次郎という家老を演じていらっしゃいますよ。



それでは、皆様、今宵はこの辺りで失礼させて頂きます。

また、次回、お会い致します。