外遊びの心得
 

近年、野原や小川といった屋外に子どもが遊べる場所が少なくなり、室内で遊ぶ子が増えているといわれています。親としては、目の届く室内のほうがけがの心配、外遊びは子どもの健康や発育の面でとても重要な役割を果たしているという調査結果が発表されています。今回は、子どもの成長と外遊びの関係についてご紹介します。

 

外遊びで体力をつけよう

 

室内ではスペースが限られるため、走り回ったり飛び跳ねたりという遊びはおのずと屋外で楽しむこととなります。実は、この外で走り回る遊びは、その子が一生にわたって健康に生活するための基礎体力の土台づくりとなるのです。追いかけっこや鬼ごっこは、体力もちろん瞬発力や俊敏さが身につくとしてサッカーのトレーニングに採用されているほど。さらには、木登りや鉄棒、ジャングルジムなど多くの遊びを経験することで、身のこなしを習得することができます。

 

外遊びは学びの場にも

 

外遊びではさまざまな生きものと触れ合う機会があります。そんな出会いや発見も、子どもの成長には欠かせないものです。虫やカエル、花など身近な動植物を観察することで子どもはいろいろなことに興味を持ち、感じ取って学んでいきます。例えば、どうやったら虫が捕まえられるのか自ら考えて実践したり、友達と知恵を出し合ったり、大人に質問したりと、頭も心も体も駆使して自分なりのやり方や答えを見つけていくわけです。これらの経験は、その後の学力にも大きく影響すると考えられています。

 

社会性も養われる

 

外遊びは社会性を養ううえでも非常に大きな役割を果たします。おままごとやヒーローごっこのような「ごっこ遊び」が好きだった子どもは、大人になってから相手の視点に立った考え方ができることが知られています。遊びを通して同じ年ごろの友達とコミュニケーションをとることで、協調性や思いやりを身につけていくのです。子どものころにたくさん友達がいた人は大人になってからもコミュニケーション能力が高く、同世代だけでなく年齢が離れた人ともうまく付き合っている傾向があるのだとか。子どもの将来のためにも、積極的に外遊びをさせてあげたいですね。

 

おもちゃがあると遊びの幅が広がる

 

外遊びをより楽しむためには、おもちゃを用意するのがおすすめです。ボールやフリスビーのような大勢で楽しめるものや、三輪車、キッズスクーター、ホッピングといった体を使うおもちゃがあると、遊びのバリエーションが格段に広がります。

子どもの年齢や興味に合わせて最適なおもちゃを選びたいものですが、おすすめは工夫次第でさまざまな遊び方ができるものです。例えば、ボールがあればサッカーやドッジボール、バスケットとさまざまな遊びができます。また、子どもが自分で工夫して遊べるように、あまり手出しをせずに見守ることも大切です。

 

外遊びをして元気で利発に育てよう!

 

外遊びは、子どもが生涯にわたって健康に過ごしていくための体づくりになるだけでなく、学習に必要な知的好奇心の向上や集中力、社会性を身につけることにもつながります。親の手で準備・管理された室内にはない、多くの体験ができる外遊びの大切さを見直してみませんか?

 

文「はらっぱギャング」コラムより

 

児童指導員 介護福祉士 坂口定己