長らく封印してきたエジプト旅。

オマーンに続いて、いやオマーン以上に不愉快なことの多い旅だった。

何がそう不愉快かって・・・( ´艸`)

 

それは・・・

“不幸な”エジプト記爆  笑の始まり始り~拍手拍手

これまでの”不幸”話はこちら下矢印

 

1)   出だしは悪くなかった

2)  エジプトを舐めるな !

3)   ピラミッドを見て育った、ラクダ騎手

4)   ピラミッドでラクダに乗るのにいくらいる?

5)   儲けたいなら、他をあたって!

6)   それ、私たちの上をいくぼったくり!

7)   カメラを買って再入場!このチケットは無効です

8)  謎の男が現れた「ラクダに乗っていましたね?」

9) 観光大国エジプトの恐るべきぼったくりルール

10) 100エジプトポンドしかありません!

11) イブラハム、いったい何者?

12)He’s good!

13) サンダルウッドの精油がほしい!

14) これも騙し、あれも騙し、たぶん騙し、きっと騙し

15) エジプト人は5ドル!50倍も請求されたの?

16)まさか、カメラまで!?

17) まさか、まさか、サンダルウッドまで!

18) 気を取り直して、考古学博物館見学

19)水タバコで休憩を取る人々

20) そのカメラ、250ドルもしないから!

21) 反撃開始?イブラハムに会いに行こう!

22) やはり、グルだったか!

23) これ、ミント油でしょ?

24)爆発!開き直ったか!

25) つける薬がない

他にもこんなことが!

 

むらさき音符むらさき音符むらさき音符むらさき音符むらさき音符

 

第28話:暗闇砂漠でアイラブユー

 

月明かりの砂漠にラクダと共に腰を下ろし、遠くに見えるピラミッドを眺めていた。

 

イメージとして借りてきた画像です

 

ピラミッドの向こうでは、世界中からやってきた大勢の観客が「音と光のショー」を見ていた。

ショーの音楽が心地良いBGMとなり、七変化する色のライトが間接照明のように暗闇に揺れていた。

まるで、今いるギザ砂漠が巨大シアターのようだった。

 

 

そんなふうに言ったら、少しはロマンチックに聞こえるかもしれない。

 

しかし、実際は「サソリに気をつけてね」などと言われ、敷物も懐中電灯もない真っ暗闇の中にお尻を砂漠につけないように座っていて、ちょっとした我慢大会になっていた。

 

隣にいるのは、私を騙し続けてきた、大ボッタクリ師、もしくは詐欺師、イブラハムである。

ロマンチックになりようがないガーン

 

 

そんなときに、イブラハムが言った。

 

〇×△♪◇◇××◎▽▲□××・・・・

(右の耳から左の耳へと言葉が流れていた)

×××〇〇・・・・

I love you…

は?(聞き違いか?)

I think I love you.

 

イブラハムは、初めて出会ったときに恋したみたいなことを言い、いかに私を想っているかを述べ始めた。

 

これは、何作戦?滝汗

私は混乱した。

また別のトラップが待ち受けているのか?

 

しかし、騙そうとしているようには聞こえなかった。

 

「素敵な言葉をありがとう。

一生の思い出にするわ」

 

そして、2人は沈黙した。

 

 

イブラハムは、I love youと伝えるために、このセッティングを用意したのか?

 

白状すると、19歳のイブラハムが並びたてた言葉は純粋で、多少なりとも心を動かされたデレデレ

 

しかし、同時に思った。

 

イブラハムがほしいのは、私が持っていると勝手に想像している、お金であろう。

あるいは、将来エジプトを抜け出すためのパスポートなのかもしれない。

あるいは、単なる女好き笑い泣き

 

騙され続けていなかったら、別の捉え方をしたかもしれない。

しかし、散々騙された後にI love youだけは信じてくれと言われても、誰が信じると言うのだ?

 

遥か彼方に聞こえるショーの音楽がか細く聞こえる暗闇の中、ピラミッドの向こうに見える明かりを見つめながら2人はしばらく過ごした。

会話はなかった。

 

 

「あなたとずっとここにいたけど、そろそろ帰らなくちゃ。今晩カイロを発つの」

 

私は、適当な頃合いを見つけて、イブラハムに言った。

この暗闇の砂漠から無事に帰してもらわなければならない。

彼がサソリに変身したら、困るし。

いや、ある意味すでに変身しているとも言える笑い泣き

できるだけ優しい言葉をかけておこう。

 

「いつ帰ってくるの?」

「6日後かな」

 

イブラハムと私は再びラクダに乗り、ピラミッドを後にした。

 

イブラハムの家の近辺で1人乗りさせてもらった時の写真だが・・・(^^;

 

「さっき言ったこと、少しは考えてもらえないかな?」

別れ際にイブラハムが言った。

 

「わかった。ルクソールに着いたらメールするわ」

 

私はタクシーでカイロのホテルへ向かった。

 

ちなみに、このときのタクシー代は63ポンドだった。

前日の85ポンドよりはマシだが、適正運賃の倍だムキー

 

 

次回へつづく・・・

 

クイズではなかったし、私も気づいていなかったけれど、イブラハムは、noritakaさんのいう、

(暗闇の砂漠で「サソリに気をつけてね」と)徒に恐怖心を煽り、女子を一種の興奮状態にして惚れたような錯覚に陥いらせるという常套手段に打って出やがったかぁ~~~~っ。所謂、吊り橋効果ってやつ」(いただいたコメントより)を狙ったのかな?🤔

 

ピンク音符ピンク音符ピンク音符ピンク音符ピンク音符

 

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