兼ねてから思っていましたが、郵政民営化とは、ゆうちょ銀行・かんぽ生命を金融(銀行・生保・損保)業界で利権山分けするだけではなく、郵便事業(日本郵便。郵便物や貨物運送)においても、運輸、特に旅客運輸(鉄道、バス、タクシー)による利権山分けも含まれていると思います。ここでは後者を取り上げます。


JR本州三社でも特に東日本・東海、大手私鉄でも東急・京急・小田急・京王・近鉄・阪急阪神、バス専業の最大手神奈川中央交通、二番手の国際興業がそうです。

現状でも、乗合バス(路線バス)に郵便物、貨物を混載して輸送することは認められています。その逆は認められず、新たに旅客自動車運送許可を獲得しなければなりません。やった場合は無許可運送。霊柩車など葬祭関係(地方ではバスに棺と家族を乗せることが多い)、ポストバスなどを考えると見直すべきですが。

道路運送法

第八十二条  一般乗合旅客自動車運送事業者は、旅客の運送に付随して、少量の郵便物、新聞紙その他の貨物を運送することができる。
 貨物自動車運送事業法第二十五条第一項の規定は、前項の規定により貨物を運送する一般乗合旅客自動車運送事業者について準用する。

第八十三条  貨物自動車運送事業を経営する者は、有償で旅客の運送をしてはならない。ただし、災害のため緊急を要するときその他やむを得ない事由がある場合であつて国土交通大臣の許可を受けたときは、この限りでない。

さて、神奈川新聞にこんな記事が出ていました。


菅義偉、石原伸晃、小泉進次郎、江田憲司、河野太郎らを支えるパトロンが、大手私鉄の京急・東急・小田急・西武(不動産やプリンスホテル、箱根の存在)、神奈川中央交通だと改めて認識しました。何しろ、自民党の政治資金団体である国民政治協会本部に献金し、京急・小田急は自民党の神奈川県連にも献金。
郵政民営化を推進してきたのが小泉純一郎と故・亀井善之を筆頭に神奈川の有力政治家たちです。亀井は運輸族のボス。路線バスやタクシーで郵便物やゆうパック、ゆうメールの配送をしたり駅や営業所で郵便局の代理をしたいのでしょう。
郵政改革法案阻止で議員連盟発足、自民・小泉進次郎氏も参加

政府提案の郵政改革法案の成立阻止を掲げた国会議員連盟「郵政民営化後退を阻止する議員の会」が11日設立された。都内で開かれた初会合には自民、公明、みんなの党から約25人が参加。経済界や学界などと連携し、活動を広げていく方針を確認した。

 呼び掛け人は自民党の菅義偉元総務相(衆院2区)、石原伸晃元国土交通相、公明党の斉藤鉄夫政調会長、みんなの党の渡辺喜美代表(当日は欠席)、江田憲司幹事長(8区)ら8人。父親が郵政民営化の道筋をつけた自民党の小泉進次郎氏(11区)も参加した。

 議会運営委員会出席のため途中退席した小泉氏は「自分がこういう場に出ると怨念(おんねん)がらみで語られるのは分かっているが、それでも行動せずにはいられないほど政府案の内容はひどい。廃案に向けて努力する」と話した。

 初会合で石原氏は「亀井静香氏が大臣を降りても、郵政民営化後退の法案を通す動きに歯止めはかかっていない」と指摘。菅氏は「丼勘定のひどい法案」と批判した。