練馬区立美術館「没後20年 麻田浩展―静謐なる楽園の廃墟」 | 黒田幸彦のブログ

黒田幸彦のブログ

徒然なること

★★★★★★☆☆☆☆

意味のあるシュルレアリスム。世界観のある幻想絵画。

画題を言い当てた副題。補足するならば、廃墟的空間だが、かつての楽園は例え滅んでも楽園足り得た特別な世界を失っていない。3次元の均衡は危うく、不確かな奥行き。時の混在から、ひとつの生命における生と死が並列に描かれる。徘徊する霊。見つめ合う少女は齢の異なる同一人物のようでもあり。鳥の羽根は舞っているのか静止しているのか。空から水が漏れ出す。

晩年圧倒的。65歳での自死に、内なる世界の及ぼした影響は如何ほどか。