人事考課を処遇に活用する際の注意点8
8.人事考課の調整
人事考課の調整は、「評価基準の明確化」や「考課者訓練」など事前に行う「事前調整」をしっかり実施すべきであり、考課後の「事後調整」は、理屈上は意味がないものです。
しかし、実際は、評価基準の不明確や考課力不足のため、甘辛やバラツキが生じ、処遇に活用するとき、事後調整せざるを得ない場合が見受けられます。この場合、次善の策として次のような方法で調整を行います。
① 数学的手法で行う
各母集団の平均値を求め、全体の平均点との差を個人の点数にプラスマイナスして調整します。または、各個人の偏差値を求め、その値を使います。
平均点区分(標準偏差を使用する方法)も有効です。
② 人物比較法
事前に等級ごとに標準人物を選定し、その標準者と各集団から3~4人選定した人を比較して、甘辛度をチェックします。
特に問題なければ、その集団からの考課結果を認め、問題ある場合は、その集団全員のチェックを行い再評価します。
また、総合評価の区切り点の前後の人に関して、標準者と比較して調整します。