人事考課の法的根拠 | 人事コンサルタントのブログ
2009年05月04日

人事考課の法的根拠

テーマ:03 人事考課

 「人事考課は人事権を侵害するものであり違法だ。」という話を聞いたことがあります。人事考課を行う法的根拠は何でしょうか。

 

人事考課は労働者の人格自体を問題にするものではなく、提供されている労働力に関連する能力、勤務態度、知識経験等を対象に行うものです。したがって、人事考課は人権侵害とか、人格権の侵害ということにはなりません。

 

 判例においても、「労働者の労働力の評価についていえば、(中略)知能、性格、教養ないし器量いかんが労働力の価値を大きく決定する。したがって、これを推知すべき事項は、労働力の評価に当然必要となるべきものといわなければならない。」(昭和42.4.4東京地、富士通信機事件)とされており、使用者の適法な権利行使ということができます。

 

 使用者が、労働者の配置、異動、昇進、昇格などの人事権を的確、公正に行使するためには、その労働者の能力や適性を識別する必要があり、また、労働者がそれぞれの職務を通じてどのような能力を発揮し、勤務成績を上げているなどにより、昇給や賞与を考慮することが必要になります。さらに、労働者が能力を十分に発揮せずに勤務成績が上げられない場合には教育訓練を施す必要があります。

 

 このような目的のために、労働者の能力や行動、成績などを判定するものが人事考課であり、使用者の人事権の一部といえます。


 人事権について


 使用者は、事業活動を効率的に行うために、その職務遂行能力や適性に応じて、労働者を配置し、さらに労働の能力・意欲・能率を高めて組織を活性化するためのいろいろな施策を行う必要があります。この労働者の配置、異動、人事考課、昇進、昇格、降格、休職、解雇など、企業組織における労働者の地位の変動や処遇に関し、使用者が決定する権限を人事権と呼ぶことがあります。人事権は法的な概念ではなく、労働契約に基づく指揮命令権の一内容ですが、昇格・降格などが使用者の一方的決定ないし裁量に委ねられていることの根拠として用いられます。すなわち、裁量の範囲を逸脱しない限り、その決定の効力は否定されないとされています。

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