先生のこと
2006 03/11 19:40
15年になるか、久しぶりに以前毎週のように通った薬局に先生を訪ねた。まだ私が鯖トラでなく黒猫だった頃よりも以前、まだ同居人に出会う前の、自分が何色の猫だかも知らなかったころ、先生は毎週のように勉強会を開いており何人もの若者が集まっていた。その足元であたしも漢方薬のお話を聞いていた。その薬局だ。
先生も年をとられ、その間に、突然倒れ気絶し、また気がついてなんとか家に戻ったけれど・・・という発端で数年臥せっておられたということだった。
先生は病名をご存知ない。それどころか誰も知らない。
とうとう医者に掛からないまま、自分で漢方薬を合わせ合わせて養生しとうとう元通りの生活に戻ったのだ。
そのうち一年はほぼ寝たきりで、死にそうな人にだすような薬を合わせるしかないような状態で、自分で見立てながら自分で
「おいおい、俺あぶないんちゃうん・・・」なんて思っていた、などとニコニコ笑いながらお話になった。
先生は、生薬の単味の働きを、処方構成とその症状を表現した条文から研究し、中医学の言葉も、漢方用語をちりばめた説明もなるたけ使わずに、今の日本語できちんと表現しようとしてこられた。「薬徴」が古くそれなりに完成され、それなりに不完全なままおかれているが、現代においては誰もやっていない仕事だ。
その先生のお話が聞きたくて、また勉強会に通おうと思っている。
2月28日のことです。
