在宅医療に関するシンポジウム | シニアコンシェルジュ協会のブログ

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シニアコンシェルジュ協会理事の杉山です。2017年11月26日に、川崎市中原区で開催された、川崎市在宅医療市民シンポジウム(主催:川崎市在宅療養推進協議会)に参加してきました。在宅医療に関するシンポジウムだったのですが、基調講演は、”おひとりさま”で有名な上野千鶴子氏でした。基調講演もとても魅力的な講演だったのですが、第2部では上野氏も含めて在宅医療について討論されました。

医療と介護の切れ目をなくしましょうというのが厚生労働省の勧める「地域包括ケアシステム」なのですが、具体的にどのようにしているのか、模擬カンファレンス形式で展示してくれました。そこで大切になるのは、上野氏の講演での言葉を借りれば、「THP: Total Health Planner」です。医療と介護の両方の分野のコミュニケーションを確保して、当事者にもっともよいサービスを提供するようにするのがTHPの役割です。

おそらく、訪問看護師またはケアマネージャーのいずれかがその役を担うと考えられます。

さて、この枠組みは、きっとシニアの生活という方向に拡大されるものと思われます。医療にしても、介護にしても、ご本人の意思決定がとても大切という点は一致しているのですが、意思決定に大きな影響を及ぼす生活にはあまり触れられていないのです。

成年後見の話をするのであれば、資産全体の話ができなければならないのですが、介護分野から考えられている成年後見は日常生活費の問題だけです。人が亡くなると、すぐに葬祭の話になるのですが、全く誰もケアしていません。介護疲れの話はされていても、人が亡くなった後の遺族の心のケアの話は誰もしていません。そう考えると、THPより、もっと大きな枠組みでサポートできる人が必要になるのではないでしょうか

そう考えると、私たちシニアコンシェルジュ協会は、医療・介護の専門家と上手に連携して行くことができるのではないかと考えた次第です。

医療と介護がつながって、医療・介護と障がいがつながって、そして、その周りのすべてのことにつながると、私たちの社会がよくなっていくように思えます。