皆さん、こんにちは。
日本の三大都市である東京、名古屋、大阪を通る日本の大動脈といえば、ずばり"東海道新幹線"ですよね。
その大動脈を21年間支え続けてきた車両がこちら!
700系新幹線
白地に青い帯を巻き、速そうな雰囲気を漂わせる顔が特徴的な16両編成の車両は、毎日多くのお客を乗せて活躍し続けてきました。しかし、後継車両の登場により廃車が進み、来月ついに東海道新幹線から引退することになりました。
… 700系新幹線について解説
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700系は、JR東海とJR西日本の共同開発のもと、1999年(平成11年)にデビューした新幹線車両です。それまで東海道・山陽新幹線で長らく使われ、スピードや快適性に劣る0系および100系の置き換えを目的に製造されました。
"初代のぞみ"こと300系に変わる次世代の「のぞみ」号として活躍するため、当初は300系の改良型を意味する"N300系"の仮称がありました。
車体はアルミ板2枚の間に防音材を挟み込む「ダブルスキン構造」とし、制御装置は500系に引き続きVVVFインバータ制御(IGBT)を採用、他にもセミアクティブサスペンションや非線形空気バネ、車両間に揺れを制御する装置(ダンパー)を装備することにより静粛性や乗り心地の向上、および軽量化が図られています。
また、ダイヤが乱れた場合の救済措置を考慮して、1編成あたりの座席数を300系と共通化させています(1,323席。これは後継のN700系も同様)。
営業最高速度は東海道新幹線内が275km/h、山陽新幹線内が285km/hで、500系やN700系の300km/hには及ばないものの、東海道・山陽新幹線の高速運転に貢献してきました。
2003年(平成15年)にJR東海とジャニーズの有名バンド"TOKIO"がタイアップした楽曲"AMBITIOUS JAPAN!"のPVやCMでは700系がメインで登場しています。
このように「のぞみ」号の新しい顔として活躍し続けてきた700系ですが、2007年(平成19年)にN700系がデビューしてからは「ひかり」号や「こだま」号での運用がメインとなりました(=降格)。
さらに2013年(平成25年)からはN700系の改良型であるN700A系の導入よって廃車が開始されました。昨年12月1日には東海道新幹線での定期運行を終了し、以後は臨時列車として運転される「のぞみ」号を残すのみとなりました。
そして、、、
2020年(令和2年)3月8日(日)、東京駅9時47分発"のぞみ315号"の運転をもって東海道新幹線からは完全引退することになりました。
登場が1999年で、引退が2020年。たった21年で引退だなんて、鉄道車両にしては早くないか?と思う人もいらっしゃるでしょう。
実はこれ、新幹線車両においては当たり前の話なのです。時速275〜285km/hという高速運転を毎日長時間、長距離で且つ何往復も行うということはそれだけ車体や機器類にかかる負担が大きく、疲労も激しいということ。そのため15〜20年で廃車となるケースがほとんどなんですよね。
人間に例えると毎日の長時間労働で身体のあちこちが悲鳴を上げるのと同じことです。
また、JR東海では車両をN700系、N700A系に統一することで効率性やスピードアップ向上に全力で努めています。2020年3月14日のダイヤ改正からはいよいよ、1時間あたりの「のぞみ」号の本数増加を実現させます(10本→12本)。
これらの結果、700系がこのタイミングで引退するのは致し方ないことですね。
ちょうど2月に大阪へ行く用事があったので、この機会に惜別乗車を決行することにしました
… 惜 別 乗 車 録
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乗車決行日は2020年2月21日(金)。
この日の東京発のぞみ337号新大阪行き(東京駅11:47発→新大阪駅14:20着)が700系で運転されます。前述のとおり、この段階で700系の東海道新幹線での定期運行は終了しているため、臨時列車であります。
僕がホームに着いた頃には既にカメラを構えた大勢の撮り鉄さんでいっぱいでした(^ ^;💦
"エアロストリーム型"と称される前面は、その形状から"カモノハシ"という愛称があります。間近で見てみると本当その通りだなぁ〜と思います。
2月12日より、JR東海所属車両の前面には「SHINKANSEN Series 700 ありがとう東海道新幹線 LAST RUN 2020.3.8」と書かれた特別装飾がされています。
側面には別デザインの装飾がされています。
青い帯の先端デザインが700系を表しています。
700系のロゴマーク。速さをイメージしたカッコいいデザインです。
「のぞみ新大阪」
幕式の行先表示器をもつ新幹線も日本全国で700系(JR東海)のみとなりましたね。この書体がまた懐かしさを覚えます。
(♪発車メロディ♪)
(放送「19番線、のぞみ337号新大阪行きが発車します」)
おっと発車時刻となりました!乗り込みましょう!
11時47分、東京駅を出発しました。
"AMBITIOUS JAPAN!"の車内メロディとともに車掌による放送案内がされ、新大阪駅までおよそ2時間半の乗車旅が始まりました。
11時54分、品川駅を発車したところで昼食タイムとします。東京駅で購入した700系引退記念弁当(税込1,000円)を食べます😋700系がデビューした1999年当時に販売していた駅弁の蓋デザインが復刻されています。
中身も彩り豊かですね
さらに、700系記念カードが付いてきます。全6種類で、何が出てくるかは買ってからのお楽しみ♪
駅弁を食べたあとは"700系サッポロ生ビール黒ラベル"をひと缶開けます
700系と富士山のイラストが気に入ったのでついつい買っちゃいました😜
700系の21年間の活躍を労って、乾杯
700系を描いたラベルが貼られた静岡茶もあります。
富士川橋梁を通過。700系が富士山の横を通過するのもあと数回ですね☀
浜松駅を通過すると、右手に"浜名湖"が見えてきます。浜名湖の面積は64.92km2で、日本の湖の大きさではベスト10に入ります。
13時28分、名古屋駅に着きました。1964年(昭和34年)の東海道新幹線開業までは在来線特急で4〜5時間掛かっていたのが、今では1時間半で来れるようになったんですから、時代の変化とともに鉄道の高速運転も進化を重ねていますね。
13時30分に名古屋駅を発車し、列車は田園風景の中を走ります。
車内販売で買ったこちら"700系コーヒー(オールドビーンズブレンド)"は、これまた700系がデビューした1999年に車内で販売していたものです。当時懐かしの、苦味と重厚感のあるコクのある味と香りがします。
700系コーヒーは「のぞみ」号、「ひかり」号の車内またはリニア・鉄道館だけの限定販売です。
コーヒーを完飲したところで、14時05分に京都駅に着きました。対向ホームには卒業旅行の帰りと思われる学生が大勢いました。
コロナウィルスで有名な観光地が閑散としているこの時期、ゆったり回れたんじゃないかなと思います。
そして14時20分、終着の新大阪駅に着きました。
今や単なる移動手段が主となった東海道新幹線でも、ラストランが近い車両に乗ると充実感と寂しさを強く感じましたね。
… 今後の700系の運用について …
以下の通りになっています。参考程度に載せておきますね。
2/24(月)
(下り)
のぞみ315号 東京9:47発→新大阪14:20着
(上り)
のぞみ414号 新大阪19:23発→東京21:56着
2/26(水)
(下り)
のぞみ397号 東京17:23発→新大阪19:56着
2/28(金)
(下り)
のぞみ337号 東京11:47発→新大阪14:20着
のぞみ399号 東京17:47発→新大阪20:20着
(上り)
のぞみ374号 新大阪14:46発→東京17:20着
のぞみ406号 新大阪18:46発→東京21:20着
2/29(土)
(下り)
団体専用 東京8:53発→新大阪11:30着
3/1(日)
(上り)
団体専用 新大阪8:23発→東京10:56着
3/8(日) ラストラン
(下り)
のぞみ315号 東京9:47発→新大阪12:20着
700系に残された日数はもう指を折って数える程度しかありません。ラストランを含め最後まで何のトラブルもなく走り切ってほしいですね。
700系新幹線、東海道新幹線でのご活躍お疲れさまでしたm(_ _)m