君に降る白/朝丘戻。  こ、この言葉で形容し難い繊細な文面に、たった2頁で惹き込まれました | 活字に埋もれて絶命を ※主にBL※

活字に埋もれて絶命を ※主にBL※

私の独断と偏見による読んだ本の感想文
BLだいすきだいッ


雨の日は無性に読書したくなりますよねえ
たーだー、結婚しておちびが居る今の私にはこんな日はゆっくり読書でも~なんて出来ねー出来ねー
ああ、私の人生、私だけのモノじゃあ無くなったんだなあって走り回るこどもを怒りながら思いました



本日3回目の更新!!!!!!!



の結婚は人生の墓場がはっじまっるよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお



この言葉の意味を日々痛感してます
だけど、何にも変えられない幸せがあるから、これでよかったんだなあっと思うわけです
ま、大変で目が回りますが



2日で読了したBL小説!!!!!!





君に降る白 (ダリア文庫)/朝丘 戻。

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◇あらすじ◇



高校を卒業してから二年。芹田藍は昼は古本屋、夜は身体を売るバイトをしていた。淡々としている藍を玩具のように扱う客が多い中、愛情を教えてくれたのは自分の身体を一切求めてこない客、成瀬恵一だった。平凡なサラリーマンで、温かく純粋な成瀬。だが彼に心惹かれるも、過去の出来事から自分自身を認められない藍は、遠ざかることしかできず―。切なく心揺れるラブストーリー。



◆感想文◆



すごくよかった
言葉選びが秀逸、素晴らしい




読んだ後、こんなに余韻に浸れたのはこの本が初めてでした



この文章の中にある透度がこの上ない位高い



成瀬さん(攻め・生粋のモーホー)と藍(受け・幸薄)が出逢ったのは、不純な仕事からだけど、そこから始まるのは酷く純粋な成瀬さんと藍のゆっくりとした時間



なんつーの、藍はあまり"愛情"を知らない子で、養父母からは歪んだ愛情ばかりで、感情も心の無くしてしまった少年
夜の仕事はただなんとなくスカウトされてそのままなんの考えも無いまま平淡に仕事をするんだけど、自分を虐げるお客さんばかりなのに、成瀬さんは白シャツに靴下履いてそのまま抱き合うだけ
最初は訝しげだった藍も顔が真っ赤な成瀬さんを見て、「この人は、本当に抱き合う事だけを望んでるんだ」と結論付けるんだけど(少々堅い言い方だけど、これのが藍らしいかと)、自分は玩具だという考えはそのまま


生まれて初めて貰ったクリスマスプレゼントも、そう深く捉えずお客さんを喜ばせる為の言葉を並べて、ホテルでたらすぐ指輪をはずす
まだ藍は心を失くしたままで、"大切に想われている"ってえ事が解んないんだろうね



それでも成瀬さんの真っ直ぐで温かい愛情が徐々に藍の心を融かしていくんだけど、もちろん藍はその自分の変化に気付いてないの

ここで一つの事件が
藍が信頼していた古本屋さんの店長に裏切られるの!!!!!!

もーこれはめちゃくちゃショックだった
藍にとっては信用してたのに、なんで、、、、、
この店長の豹変が怖くてまじびびった



身も心もボロボロの状態で成瀬さんから指名受けて、顔を見て、声を掛けられて、大泣きするの
この時点で藍は成瀬さんに心許してたんだと思う
もうきつくてきつくて、神経すり減らして、感情押さえつけて、その反動を自分一人に時じゃなくて成瀬さんの前を選んだその心理描写が細やかすぎて手に汗握った

汚いものばかり見て来て、汚い事ばかりされてきて、いつしか自分も汚れてるって思って、だからこそ、綺麗な心を持った成瀬さんと一緒にいてはいけないだーなんて、そんなのってないよ!!!!!
どんなに成瀬さんが「君は綺麗だ」と唱えても、聞き入れる事なんてできないの
それが切なくて切なくて涙もん



なかなか自分の殻が破れない藍の背中を押したのが、古本屋さんのバイトの同僚の野宮くん
彼はね傍若無人な所があるから藍は苦手意識があったんだけど、彼は全てが本音で本心だから、苦手意識の裏返しは羨望だからね、藍も野宮くんの言葉に耳を傾けたんだと思うの
「僕は汚い」と藍が言えば「汚くない。店長のが汚い」とあっさり言ってのける野宮くんはいい奴!!!!!!!



で、クライマックスの藍の初めての本当の気持ちを吐露するシーン

静かに雪が降る最中、二人の熱い気持ちがぶつかり合って感極まった
やっと最後の心のカギを開けたのは、紛れもなく成瀬さんからの無償の愛情によってだと思う



キスひとつがこんなに繊細なのも体を繋げるのが、こんなに愛しいものだと、文章からそれが滲み出てて、すごくよかった



最後は、二人らしい透明感のある空気で終わって、そのままあらすじへ

そのあらすじですら、空気が澄んでいて、この作家さんに平伏しました



なんつーかとにかくよかったの



冷たい空気と暖かい風
暴力的な痛みと優しい指
灰色の世界と柔らかな温度




相対する世界が一つになって、寂寥や孤独感を全て"愛情"で包んだ成瀬さんはすごい人だと想う



幸せになってほしい、これからもずっと





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何もかもの純度が高すぎて、萌えとか飛び越えて感動してしまった






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次はこれほしい!!!!!!!!!