妊産婦・女性生殖器疾患の婦人科疾患のお話。
今回は、子宮脱の説明です。
★[子宮脱]prolapsed uterus★
【概念】
子宮が下降し、子宮膣部が膣入口部の外まで脱出した状態をいいます。
子宮は下がっていますが、膣部が膣入口部以内にある状態であれば子宮下垂で、子宮が完全に膣外に脱出している場合を全子宮脱、一部のみ脱出している場合は不全子宮脱と称されます。
膣口が拡張しており、まだ子宮脱を起こした子宮の頸部はしばしば延長しています。
さらに、膀胱や直腸の脱出を伴っていることが少なくなく、それぞれ膀胱脱、直腸脱と呼ばれます。
●成因
子宮を支持する基靱帯などの靱帯が弛緩し、延長するためとする説と、骨盤底筋群の中央にある生殖裂孔の哆開によるヘルニアとする説があります。
多産婦、あるいは喘息などの慢性の咳嗽などで腹圧が常にかかる婦人に多いです。
●臨床像
初期には外陰に違和感や不快感を覚え、脱出が起これば、腫瘤感や異物感を感じます。
脱出が長期にわたると、子宮膣部、膣粘膜の乾燥、びらんや潰瘍が生じ、これに伴う症状を呈します。
高度の膀胱脱を伴うと、排尿障害を訴えます。
子宮脱を用手的に還納することによって、排尿障害は解消します。
●診断
主訴や視診によって、診断は容易です。
診察時にいきませて腹圧をかけさせると、膣内の子宮が脱出します。
また、鉗子で子宮膣部を牽引すると、子宮を脱出させることができ、これにより全脱出か不全脱出かを判定します。
●治療・予後
《保存的療法》
ペッサリー(マイエル)を膣内に挿入して子宮頸部のまわりにセットし、子宮を上げさせます。
サイズが過小では容易に脱出し、過大では膣内を圧迫して潰瘍を形成する恐れがあります。
一般に、3ヵ月ごとに交換します。
《手術療法》
子宮頸部を短くして形成するマンチェスター手術、膣を閉鎖するノイゲバウアー・ルフォ手術など種々の手術方法がありますが、現在では、膣式子宮全摘術に加え、膣前壁・後壁形成術が実施されるのが一般的です。
今回は、子宮脱の説明です。
★[子宮脱]prolapsed uterus★
【概念】
子宮が下降し、子宮膣部が膣入口部の外まで脱出した状態をいいます。
子宮は下がっていますが、膣部が膣入口部以内にある状態であれば子宮下垂で、子宮が完全に膣外に脱出している場合を全子宮脱、一部のみ脱出している場合は不全子宮脱と称されます。
膣口が拡張しており、まだ子宮脱を起こした子宮の頸部はしばしば延長しています。
さらに、膀胱や直腸の脱出を伴っていることが少なくなく、それぞれ膀胱脱、直腸脱と呼ばれます。
●成因
子宮を支持する基靱帯などの靱帯が弛緩し、延長するためとする説と、骨盤底筋群の中央にある生殖裂孔の哆開によるヘルニアとする説があります。
多産婦、あるいは喘息などの慢性の咳嗽などで腹圧が常にかかる婦人に多いです。
●臨床像
初期には外陰に違和感や不快感を覚え、脱出が起これば、腫瘤感や異物感を感じます。
脱出が長期にわたると、子宮膣部、膣粘膜の乾燥、びらんや潰瘍が生じ、これに伴う症状を呈します。
高度の膀胱脱を伴うと、排尿障害を訴えます。
子宮脱を用手的に還納することによって、排尿障害は解消します。
●診断
主訴や視診によって、診断は容易です。
診察時にいきませて腹圧をかけさせると、膣内の子宮が脱出します。
また、鉗子で子宮膣部を牽引すると、子宮を脱出させることができ、これにより全脱出か不全脱出かを判定します。
●治療・予後
《保存的療法》
ペッサリー(マイエル)を膣内に挿入して子宮頸部のまわりにセットし、子宮を上げさせます。
サイズが過小では容易に脱出し、過大では膣内を圧迫して潰瘍を形成する恐れがあります。
一般に、3ヵ月ごとに交換します。
《手術療法》
子宮頸部を短くして形成するマンチェスター手術、膣を閉鎖するノイゲバウアー・ルフォ手術など種々の手術方法がありますが、現在では、膣式子宮全摘術に加え、膣前壁・後壁形成術が実施されるのが一般的です。