私が11歳になり、
母が付き合い始めた男性は、飲食店経営者でした。
母は 少しして 店を閉じ、
彼氏の店の女将として働くようになりました。
そして同居するようになります。
今までの我が家と、彼氏の家の両方に。
週末はたいてい
彼の大きな新居で過ごすようになるのですが、
私はこの家が落ち着かず、次第に足が遠退きます。
性的虐待は 徐々に受けるようになりました。
ジャレる振りで私に覆い被さり、
胸を揉んできたり、首筋を舐めたり
膝枕をしてきたり、そのまま膝を舐め始めたり
私の寝ている布団にも
夜中に手を入れてくるようになりました。
私は前の彼氏ですこしは慣れていましたが、
それでも嫌で嫌で、
部屋の扉につっかえ棒を置くなど
いろんなことを試しましたが、
母にそれを叱られました。
母に話してもどうしようもないと
すでに思っていたので話さずにいましたが
部屋に入ってこれないような細工をすると
何度も叱られたので
思いきって彼氏のことを話しましたが、
やはり前回とまったく同じ反応でした。
「娘のように可愛いと思ってるだけ」と。
そういえばこの彼氏は毎月、
お小遣いをくれていました。
毎月始めに、
1万円札が机に置かれているのです。
私はこれを「お触り代」だと思い、
有り難さなんか、まるで感じていなかったのが
正直な気持ちです。
そして13歳、中学生になった私は
急激に恋に堕ちました。
それからは意識がその 大好きな人に向いてゆき
心が軽くなってゆく気がしていました。
14歳になってからは母の彼氏本人に、
「もう体には触れてほしくない」と
自分の意思をはっきりと伝えた記憶があります。
母はその彼とまだしばらく続きましたが、
また別れがきて、次の彼氏、また次の彼氏、と
短い遍歴が続いてゆきました。
私自身の恋はそのまま、
大好きな彼と、
高校2年の終わりまで続きました。
ひとつ上の彼が 大学に入ってからは、
残念ながらお別れしてしまったのでした。

追記 : 7歳~8歳の頃、
5歳まで私を育ててくれた祖母と祖父は、
たて続けに亡くなりました。
祖父は北海道で息を引き取り、お葬式も行くことは許されず、最後は会えませんでした。
祖母は息を引き取ってすぐに病院に着き、
額がまだ暖かかったのを覚えています。