2023年の夏に「子宮肉腫の疑い」と診断され、子宮と卵巣を摘出しました。術後の病理検査の結果、「富細胞性平滑筋腫」と確定しました。同じような不安を抱えている方のお役に立てるよう、記録を残すことにします。あ、52才のおばさんです。

 あれは忘れもしない高校1年生の体育の授業中、急にお腹が痛くなりトイレへ向かいました。和式トイレにまたがっているのだけど、その姿勢を保っていられないほどの吐き気にも襲われ、水を流すレバーのところにもたれかかってグッタリです。普段ならそんなところに絶対に触れることなどないのに、汚いとか気にしていられないほどの具合の悪さでした。


 動けるようになってから保健室へ行き、1時間ほど休みました。(あのままトイレで倒れていても誰も気づかなかったかも…怖) 小学校でも中学校でも保健室で休んだことなどなかったのに、急にこんなに具合が悪くなったことにちょっと驚きました。でも教室に戻ったあとはいつものように過ごすことができましたし、そのあと同じような症状が出たことはありませんでした。


 しかし社会人になって数年後に、同じような症状が出るようになりました。その1~2日後に生理が来るので、「これはおそらく生理痛だ」と認識しました。でも、毎月ではありません。半年に一度とか一年に一度くらい、突然やってくるのです。しかもなぜかいつも夜中(明け方)の3時とか4時頃でした。


 最初はお腹が痛くて目が覚めます。「下痢しちゃうのかな…何か変なもの食べたっけ…」という下腹部の痛みです。眠い目をこすりながらトイレに行くと、確かに少し便が出ます。そして徐々に痛みが強くなり、トイレに座っていることもできなくなってきます。慌ててお尻を拭いてトイレを出ても、もう手遅れです。下腹部の猛烈な痛み、吐き気、脂汗で、トイレ前の床の上で膝を抱えてのたうち回ります。


 あの生理痛は、私の人生の中でいちばんの痛みです。永遠に続くのではと絶望的になるほど、強くて長い痛みが波のように襲ってくるので、できれば気を失ってしまいたいと毎回思っていました。


 それでも、だんだん痛みと痛みの間隔が長くなってきて、30分ほどで落ち着きます。それがわかってからは「30分の辛抱…」と自分に言い聞かせるようになりました。やっと痛みがなくなると今度は寒気に襲われ、よろよろと立ち上がって布団に入り、そのうち疲れて眠ってしまいます。


 婦人科に行って相談したこともありましたが、そのときは原因もわからず(確か「子宮内膜症ではない」と言われた記憶が…)、「そうなる前に飲んでください」と薬を処方されました。それがわかれば苦労しないんだけどな…だって最初は普通の腹痛と区別がつかないんだから…。


 40代後半になってやっと「この痛みはあやしい、よし、とりあえず薬飲んでおこう」ができるようになったかも知れません。ここ4年くらいはのたうち回っていません。(4年前のときは昼間に痛くなったので完全に油断していました。)


 子宮を摘出したことで、もうあの痛みに怯える必要はなくなりましたが、あれは子宮筋腫が原因だったのかも知れない…と最近たまに思い出します。


星つづく星