前回の続きです。
数日前、授業の合間に水分補給をしようとリビングに行くと、次女が
「ママ大変、ゴンがムスカリを食べてしまった」
ソファの前に置いている小さなコーヒーテーブルに活けたムスカリは、猫草と葉の感じが似ている。
「ラインでお姉ちゃんに相談すると、すぐ調べてくれて、ムスカリはユリ科だから健康被害があるみたい。どうしよう」
ユリは危ないのは知っていて、猫を飼うようになってからは買わないようにしてきた。でもムスカリがユリ科なんて知らなかった。
「まだいつも行っている獣医さんがやっているかもしれないから、すぐ電話して診てもらって」
そういって、授業に戻ったが、心配で生徒が問題をやっている時にまたリビングに行くと
「診てくれるって」と言って、ゴンをキャリーボックスに入れて連れていった。
ゴンには、全く異常は見られなくて、キャリーボックスに入れられたのが嫌でニャーニャー鳴いていた。
全部の授業が終了して、リビングに行くと、次女が
「先生の持っている猫に害がある植物としてムスカリは載っていないけど、植物はたくさんあって、どれが悪いかよくわからないので、とりあえず水分補給の注射を打って、便を促すような薬を与えて様子をみることになった」と報告してくれた。
次女はゴンを好きというより、愛しているといったレベルで可愛がっている。もう一匹いた保護猫のムギをガンで失くしてから、一層ゴンに愛情をかけている。
「ママ、先生に家には植物をできれば置かない方が安全だ」と言われたから、もう部屋には花を置かないで」と強く言われた。
しかし、前回書いたように花は私の心の大切な癒しだ。毎日かかさず切り花を置いているわけではない。いただいた時、誕生日、お正月、季節の花を活けている。
今まで猫を5匹くらい飼ってきたが、食中毒で病気になった猫や死んだ猫はいない。
猫だって、匂いを嗅いで、防衛本能で毒の花を食べない。もし食べたとしても確率は相当低い。そうでなければ野良猫や外飼いの猫がバタバタと苦しんでいるはずだけど、見たことは人生で一度もない。
翌朝、血液検査をするから連れてくるように言われていたので、私も一緒にいって、獣医の話をきいた。獣医としては、猫を守るためには植物を置かない方がいいという話をされた。
「私が花が好きで、一切置かないのは辛いし、それでは猫を飼っている人が皆花を飾っていないわけではないですよね。」と食い下がるように言うと
人の目が届くところに置くとか気をつけるといいかもしれませんねと答えた。
次女は獣医が言ったことを気にして「ゴンの安全を第一にしなければ」と私と言い争いになってしまった。
そもそも、ムスカリは猫が食べて害があるのか?
ゴンはベランダに出て花の匂いを嗅ぐけど、食べたことはない。つまりムスカリは本能として大丈夫だと思ったのでは・・。
ネットで調べると、場合によっては死亡と書いているものもあれば、大丈夫と書いているものもある。混乱した。
でも落ち着いて読むと獣医の書いている記事には無害とありその根拠にアメリカの動物虐待保護団体(ASPCA)のHPがあったので、見てみた。そこにはアルファベット順に猫に毒のある植物と無害の植物のリストが膨大にあった。辞書のようだった。
アルファベット順なので、ムスカリを捜すと、
ムスカリは、無害のリストに載っていた。
ユリ科でも大丈夫なんだ。
そこで獣医が書いた記事、監修した記事に載っている無害と有害の花のリストを打ち出した。これを参考にゴンがあまり行かない場所などに花を活けるようにしようと思った。
次女もわかってくれた。
血液検査の結果は問題なしだった。
床暖が気持ちよくて寝ている。
私の部屋から見える「おかめ桜」が満開になった。
住民は、珍しい桜なので、札をかけてくれている。
この「おかめ桜」は日本橋のアジサイ通りの700メートル沿いに何本も植えられている。ここが咲いているということは見頃だろうな。来週行けるかな。