財産管理対策としての家族信託と不動産法人化|不動産法人化のメリットとは!? | 家族信託・生前対策コンサル活用術|斎藤竜

家族信託・生前対策コンサル活用術|斎藤竜

リーガルエステートの代表・司法書士 斎藤竜|士業・専門家がゼロから始める家族信託・生前対策活用術|低単価手続き代行から高収益コンサル業務へ移行するには?

不動産オーナーから生前対策の相談をうけるとき、

信託を学んだ専門家は

家族信託の活用のスキームを真っ先に思いつくと思います

 

しかしながら、家族信託以外でも他の制度で

対策がとれたり、

家族信託よりもむしろ、他の制度を活用したほうが、

税金対策にもなるケースがあったりします

 

そこで、今回の記事では、

同じ財産管理対策として活用できる

不動産法人化と家族信託を比較検討してみたいと思います

 

今回の記事は下記のとおりです

 

・事例から考える不動産法人化と家族信託

・財産管理対策としての不動産法人化と家族信託

・不動産法人化を検討する際の3つのポイント

・家族信託でも所得分散機能を行うことができる

・今週の気になる記事

 

今回の記事を読むことで、

家族信託と不動産法人化の違い、

そして、どういった場合に法人化を検討すべきか

理解できるはずです

 

それでは、どうぞ!!

 

 

|事例から考える不動産法人化と家族信託

 

事例から考えていきます

 

 

高齢の父(80歳)からの相談です

最近、認知が進んでいる母(75歳)と

長女夫婦(子供なし)と同居しており、

長男夫婦(子2名あり)が持家で別居しています

 

所有財産は、自宅の他、

アパート2棟、駐車場2棟の他、

金融資産があります。

自宅は同居する長女へ、

収益物件は長男へ承継させたいと考えています

 

こういった相談があったとき、

スキームを立案するにあたってやらなければならいことは、

相続税が現段階でどれくらいかかるか

を確認することです

 

自宅と金融資産のみで、増族税がかからないような

お客様の場合であれば、税金対策まで踏み込む必要はないですが、

収益物件がある、金融資産があるなど、

資産がある方については、

税務を併せて確認しなければなりません

 

そもそも納税資金がなければ思い描く、

資産承継方法を実現できないため、

まずは、相続税は、そして納税資金はどれくらい必要か

を考えていく必要があります

 

次に、相続税診断の他、確認しなければいけないのが、

現在の収益物件の収益状況の確認です

 

家賃・地代収入はいくらあるのか、

固定資産税、管理費はどれくらいかかっているのか、

空室の状況は、など、

現在の賃貸経営の状況をヒアリングします

 

意外と、法務の専門家は、

資産承継・財産管理に注力しがちで、

見落としがちな点ですが、

家賃収入があるということは、

家賃収入が不動産オーナーに

年々蓄積されていくということです

 

つまり、

相続税診断時にヒアリングした金融資産額が、

相続時には、金融資産が毎年の家賃輸入の積み重ねによって、

上振れする可能性が高くなるということを意味します

 

 

そうすると、当初描いていた相続税額よりも

上振れした相続税の納税となってしまう可能性があるのです

 

収益不動産の経営状況の確認は併せて

相続税と併せて、確認するようにしましょう

 

 

|財産管理対策としての不動産法人化と家族信託

 

収益物件が複数所有しているオーナーについて、

財産管理対策として検討する手法としては、

家族信託の活用が想定されますが、

それ以外の方法として、

不動産法人化を検討することができます

 

 

不動産法人化という方法は、

オーナーやその家族が経営する法人を設立して、

その法人がオーナーの所有している収益物件を

買い取るという方法です

 

法人が買い取ることにより、

当該収益物件の名義が法人に代わるので、

以後の借家人等との賃貸契約、融資手続きなどは、

全て法人名義で行うことができるため、

オーナーの認知症問題に伴う

財産管理対策は解決できるのです

 

不動産の名義を変えるという点では、

家族信託も一緒ですよね

信頼できる受託者に生前に名義を変更することで

以後の財産管理は受託者が行います

 

不動産法人化も家族信託もいずれも、

オーナーの財産管理対策という点で活用ができるんです

 

しかも、不動産法人化においては、

法人が収益物件の所有者なので、

オーナーではなく、

法人が貸主として借家人から

賃料を受け取ることができます

 

その結果、オーナーに賃料が入らないので、

オーナーの資産が増えることを防止し、

法人に賃料収入を移すことができます

 

受け取った賃料収入は、

法人の役員であるオーナーの子などに、

役員報酬で渡すことにより、

子の納税資金を準備することができますし、

法人メリット活用した他の節税対策なども

検討することができるんです

 

 

家族信託だと、所得は受益者に帰属するので、

賃料収入をオーナーから移すことはできません

 

積極的な税金対策が必要なオーナーには、

この不動産法人化も併せて検討していくことが必要です

 

 

|不動産法人化を検討する際の3つのポイント

 

①不動産購入にあたっての購入資金の調達が必要

法人が収益物件を購入することから、

売買に当たっての購入資金が必要です

その購入資金を設立時の資本金

または金融機関からの融資金などから賄う必要があります

 

また、税務上否認されないよう

適正対価での売買取引を要求されるため、

適正対価を税理士や相続に詳しい不動産コンサルタントと

相談しながら決めていく必要があります

 

 

②建物のみの対策しかとれないことが多い

売買になるため、物件購入時の金額と売買金額の差額について、

譲渡所得税を納める必要があります

 

一般的に不動産オーナーは、土地を先祖代々受け継いできたケースが多く、

購入時の金額がないため、

購入代金の約95%が譲渡所得とみなされてしまうことから、

多額の譲渡所得税を納める必要がでてきてしまいます

 

譲渡所得税の計算方法については、

別の記事で詳しくまとめていますので、

こちらを確認ください。

 

そのため、売買の対象となるのは建物のみとなることが多く

土地は不動産オーナーの名義のままなので、

土地については認知症、財産管理対策を

別途検討する必要があります

 

今回の事例では、駐車場など、

土地の財産構成比率が高く、

譲渡を行うと多額の譲渡所得税が発生することになります

 

③オーナーの年齢と不動産所得で判断する必要がある

 

賃料収入を法人に移すことはできますが、

検討しなければならないのは、

オーナーの年齢と所得状況です

 

不動産法人を設立するということは、

法人設立・管理コスト(設立費用、法人税、税理士報酬など)

が発生します

 

不動産法人化直後に、

不動産オーナーに相続が発生した場合

売却代金がそのままオーナーの資産となるため

一時的に相続財産が増えてしまい、

相続税評価上、不利に働く可能性があります

(金銭は不動産のような評価減効果がありません)

 

また、家賃収入もある程度ないと、

毎年の管理コストの方が高くつく可能性もあるのです

 

そうなってしまうと、

逆に法人化しないほうがよかったということにも

なりまかねません

 

上記の理由から、

不動法人化によるメリットを受けるためには、

 

・不動産所得が年1000万円以上

・70歳代以下のオーナー

 

が目安となります

 

上記の目安をクリアできそうだなというオーナーには、

税理士や不動産コンサルタントと相談して、

具体的な法人化スキームを設計していくことになります

 

家族信託と異なり、

長期にわたってスキームを継続することにより

不動産法人化は大きく所得分散ができるため、

節税対策という面では、家族信託よりもメリットが大きい対策です

 

冒頭の相談事例のお客様については、

家賃収入が年500万円前後であること

年齢も80歳、

そして財産が土地の構成が多いという理由から、

不動産法人かではなく、家族信託をすすめることにしました

 

 

|家族信託でも所得分散機能を行うことができる

 

法人化のメリットがない相談者だと、

家族信託を検討していくことになります

 

不動産法人化のような節税対策はできないのか??

この疑問に対して、考えるべき選択肢の一つとして、

受託者に信託報酬を設定するという方法があります

 

 

受託者報酬は、

受託者個人の雑所得として考えられるため、

確定申告の必要はでてきますが、

信託財産から一定額の報酬を受託者に支払うことで、

信託財産を減らすことができることから、

一定の所得分散効果が見込まれます

 

ただ、報酬額が過大ですと、税務上否認されるリスクもあるので、

金額の設定は税理士と詳細な打ち合わせが必要です

 

所得分散効果として、

受託者報酬を設定する方法もあるということは、

頭にいれておきましょう

 

 

|まとめ

 

・不動産オーナーについては相続税のほか、収益不動産の経営状況の確認も行う

・不動産法人化により、法人に不動産の名義を変えることで財産管理対策を行うことができる

・土地を法人に売却することは譲渡所得税の問題からハードルが高い

・税務上否認されないよう、購入代金の設定には注意が必要

・①不動産所得が年1000万円以上、②70歳代以下のオーナーが法人化を選択する際の目安

・家族信託でも受託者報酬を活用することで所得分散機能を活用することができる

 

今回の相談は、

相談者から法人化とうほう対策をネットで見たのだけど、

家族信託とどちらがいいのかということを聞かれて、

試算したお客様の事例です

 

情報が民主化された時代、

顧客の方が我々専門家よりも、

お客様の方が情報をもっていることもあります

 

以前、僕が出版した書籍

「士業・専門家のためのゼロから始める家族信託活用術」

Amazonレビューをみていると、

コメントの内容が一般の方が書いたものと思われるものが

5件超見受けられます

 

これって、レビュー書く人ってもともと少ないのに、

それでも5件超の方が書いているということは、

士業・専門家向けの書籍も一般の方が購入し、

情報を求めているということなんだなと感じました

お客さんは情報を持ち始めています

 

情報は集めてれても、最終的に本当にそれでいいのか、

確認し、設計する、

そして、最後に決めきれない方の

背中を押して勇気を出して決断を促すというように

情報提供、処理から

士業・専門家の役割が変わりつつあります

 

 

|今週の気になった記事

 

・武蔵野銀行、信託契約者に見守りサービス紹介

見守りは、実際に職員を行くとなると負担が大きいので、一部外部業者のサービスを取り入れるなど発想を変えないと、件数をこなすことができない

 

法人設立手続き一元化 20日から 税や年金、ネット完結

マイナンバーカード、介護・健康保険証と一本化 22~23年度 利便性向上へ多機能に

【2020年9月~】還元率最大25%「マイナポイント」 マイナンバーを活用した制度の手続きについて

マイナンバーを活用した行政手続きとポイント制度、徐々に情報がでてきました。諸々手続きがネットでできるようになれば、事務作業をこなすのに人手がいらなくなるので、士業側もより、人的コストと場所コストをかけずに働けるようになる

 

弁護士など「士業」の個人事業所 厚生年金 適用対象に

僕の前の事務所もそうでしたが、個人事務所入っていないところ、意外と多いので入っていない人は注意

 

東京地裁など、民事訴訟の争点整理に「Microsoft Teams」活用 意思疎通を円滑化、裁判の期間短縮へ

裁判もようやく、テレビ会議利用へ。高齢者もスマホが利用するようになってきたのが大きい要素LINEのビデオ会議に対応できるので、顧客との相談意外とビデオ会議できたりしている

 

桃太郎と民法(債権法)改正後のルール

法務省HPに公開されているのだが、今までセミナーや本など見てきてこんなに債権法改正が面白く紹介されているものみたことがない(笑)

 

子どものスマホ、1日60分まで 香川県、依存症対策条例の素案

この条例、意味がわからない、、。利用時間を条例でしばるのか。。

 

次回をお楽しみに!

 

 

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ご自身の仕事につなげていただく機会とてご活用ください。

 

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