創業オーナーの事業承継対策|種類株式と家族信託の使い方とは!? | 家族信託・生前対策コンサル活用術|斎藤竜

家族信託・生前対策コンサル活用術|斎藤竜

リーガルエステートの代表・司法書士 斎藤竜|士業・専門家がゼロから始める家族信託・生前対策活用術|低単価手続き代行から高収益コンサル業務へ移行するには?

明けましておめでとうございます

2020年、スタートしました
今年もよろしくお願いいたします

早速、年内最初の記事を投稿します

今回の記事では、会社の事業承継における
生前対策や家族信託についての
活用事例について紹介します

得られた自社株式評価後の結果を元に、
どのように提案を進めていくべきかをお伝えします
どのようにコンサル業務を進めていくべきか
考え方がわかるはずです

今回の記事は下記のとおりです

・複数の選択肢から提案を絞っていく
・株価評価が低い場合における自社株式の承継方法とは!?
・家族信託と種類株式(黄金株)の使い方
・黄金株設定後の後処理をどうするか?
・今週の気になった記事


それでは、どうぞ(^^)/


|複数の選択肢から提案を絞っていく



まず、最初におこなうべきことは、
自社株式の評価と相続税診断ということは
既にお伝えした通りです
自社株式の評価方法については、
以前の記事に詳しく解説していますので、
前回の記事を確認してみてください


おさらいも兼ねて、事例を改めて紹介します

*********************:
長男である社長からの相談です。

売上、経常利益の推移など会社の業績が良く、
10年前から融資を受け新工場建設するなど
事業を積極的に社長中心で進めています

家族関係は、創業者である父(会長)の他、
妻と専務姉(長女)がいます

現在、会社の株は父が75%、母が25%所有しております
その他、父には、アパート、駐車場、本社の敷地、
別荘、借地など不動産を複数所有している状況です

会社経営については、長男に任されています

事業承継対策についてこれまで取り組んできませんでしたが、
今後のことをそろそろ検討したいとのことで、
今回、相談を受けました
*********************

税理士に依頼して、自社株評価を確認したところ、
業績は好調であるものの
過去に積極的に投資した工場用地などの
相続税評価が低く、株価評価は0円ということ、
相続税も、株価評価が高くない状況から、
手元の金融資産で賄えるため、
納税資金の調達を検討する必要がないことわかりました

まず、全体像を確認する、
そして、診断の上、方向性を決めて、
更に、その先の選択肢を検討していくという、ことです

どうしても、顧客相談においては、
お客様はネットで情報を多数収集できるので、
〇〇だったら、●●ならば、というように
選択肢が多数に分岐して、無数に追い続けることになります

当然、お客様の話は聞く必要があり、
ヒアリングすることでコミュニケーション、
そこから、信用を得ることができるので、
行うべき活動なのですが、
専門家の立場としては、
方向性を決めて、

それぞれの選択肢のメリット・デメリットを考えて

絞っていくことが大切です



そもそも、今回の相談内容、問題は何か、その目的は、
という軸は外さず、対応していくことが肝要です


株価評価が高くないため、
株価評価を下げる対策をする必要はなく、
納税資金もあるため、
今回は、株価評価がない現段階で、
後継者に自社株式を承継させていく方法を
検討すべきという方向性で進めていくという方向性が見えました

そして、まず自社株式の承継を絞り、
現時点で承継するという方向性がみえたので、
次にどのように承継させていくのかという選択肢を検討です

今回、まず相談者に確認すべき材料として
下記3つをお客様に意向を確認します

① 自社株式の(財産権)の後継者長男への承継方法は?
② 父以外の母の株式についても名義を整理し、集約するか?
③ 父の経営権を残すのか?


この考え方によって、
生前対策の手法が変わってくるからです

現在、会社の業績はよいことから、
今後、資産が増え、株価評価も上がる可能性もあります
そこで、まとめて母が所有する自社株式も含めて
対策をとるべきとの私の判断の元、
父及び母の自社株式を現時点で承継させることで
ここから先の提案をまとめていくことにしました


|株価評価が低い場合における自社株式の承継方法とは!?
 

自社株式を承継させる方法として下記3つが想定されます

・生前贈与
父母から後継者に生前贈与を子行う
メリット
株価評価が0円のため、贈与税がかけず後継者に承継させることができる
デメリット
経営権が完全に後継者に移ってしまう
特別受益・遺留分(贈与時点ではなく相続時評価になり将来株価が上昇する可能性が高い)の問題がクリアできない


・有償譲渡
1株1円の有償譲渡(売買)を行う
メリット
株価評価が0円のため、資金調達コストをかけずに後継者に承継させることができる
特別受益・遺留分の問題もクリアできる
デメリット
経営権が完全に後継者に移ってしまう
株価評価がある場合には、購入資金の購入資金の調達と税務コストがかかる


・家族信託(自己信託)
委託者後継者、受託者父、受益者後継者の自己信託(他益信託)を行う
メリット
父が受託者となるため、受託者として経営に携わることができる
デメリット
受託者父の自己信託となってしまうので、父の認知症リスクがあり、信託終了のタイミングを見計らう必要がある
他益信託の仕組みであり、みなし贈与、対価の支払いなどの設定が必要


自己信託(他益信託)の場合は、
認知症リスクを回避することができないこと、
設計の仕組みが複雑になること
顧客が将来実際に導入したスキームを運用するのに、
シンプルな方式をとったほうが良いと考え、
今回の選択肢からは敢えて外しました

そして、相談者家族との間で
現時点での資産承継をすすめること、
将来の遺留分リスクをなくすために、
1円での有償譲渡を行うことがきまりました

|家族信託と種類株式(黄金株)の使い方

次に有償譲渡とともに
父の経営権を残すことも決まり、
父の経営権を残す方法を決めていきます

事前のヒアリング父が創業した会社に思い入れがあり、
関わっていきたいという意向を感じていたので、
提案書の中にあらかじめ経営権を残す方法を先に検討しておきました

その方法は下記の2つです

・家族信託
譲渡した自社株式を信託財産とし、

委託者後継者、受託者法人、受益者後継者

の家族信託を行う
メリット
受託者用に一般社団法人

(父のほか、家族を役員)を

設立することにより、

法人として自社株式を管理することができる
指図権を父に設定することで、
父の意向に従った議決権行使を行うことができ、
最終的には、法人のみで意思決定を行う
経営権移行型の信託を行うことができる

デメリット
受託者法人設立コストがかかる
※受託者を父とする信託も検討できますが、

認知症対策にはなりません

 
・種類株式(黄金株式)を設定
後継者に生前贈与する際に、
父の手元に1株のみを残し、
その株式黄金株式(拒否権条項)を設定する
メリット
役員変更、定款変更、組織再編など
重要決議につき父の関与を残すことができる

デメリット
黄金株式の設定後の処理(相続、父の認知症リスクなど)
登記簿、定款に種類株式の内容が公示される
(取引先も登記簿を通して種類株式が

発行されていることがわかる)

家族信託、種類株式発行、
いずれの方法も父の関与を残すことができます

違いは受託者として管理するか、
種類株式の黄金株として管理するかの違いです
家族信託の場合は、普通株式のまま受託者が株主として
管理するのに対して、
種類株式の場合は父が種類株主として管理するか
(種類株式の後処理は検討必要)

という違いです

今回は、法人設立では、管理コストがかかるため、
父個人が株主として関与できる種類株式を

進めていくことになりました


|黄金株設定後の後処理をどうするか?

種類株式発行が決まると、
津に考えなければならないのは、
父の認知症対策及び

相続後の種類株式の後処理対策です

何もしないでいると、
良かれと思って発行した黄金株が残ってしまい、
発行したことにより、
黄金株の議決権行使ができなくなってしまうという
問題が発生してしまいます

種類株式条項として、拒否権条項(黄金株)に加えて、
一定の事由が発生した場合に会社が買い取る条項
(取得条項付種類株式)を設定
を検討します
(会社法2条19号、会社法107条、会社法108条)

具体的には、
・父の死亡
・父の役員退任
・株主である父の成年後見等の申し立て
の取得事由発生で会社が

純資産額の発行済株式総数で割った金額の
1株相当額で会社が買い取る条項
です
 


この取得条項を加えることで、
父の相続、判断能力喪失、経営を任せ退任する時には、
会社、当該種類株式を買い取る、
そして、買い取り後は当該株式を消却させることで
種類株式(黄金株)は消滅し、
残りの株式は普通株式のみとすることができます


最終的に、相談者の要望を踏まえ、
有償譲渡と種類株式の設定で自社株式対策を行うことに
決定しました


|まとめ


・提案をすすめていくにあたって、今回の相談内容、問題は何か、その目的は、という軸は外さず、方向性を決めて、選択肢を絞っていくことがポイント
・株価評価が低い場合には、生前贈与または有償譲渡を検討する
・先代の経営権を確保する場合には、家族信託、種類株式を検討
・黄金株発行後、その後処理を考えておく


将来的に、ご家族がどのように
事業を承継させたいのかという想いと
自社株評価、そして相続税がわからないと
スキームの立案に進めることが必要です

自宅と金銭のみで、
相続税も特にかからないといった家庭であれば
成年後見制度の代用としての信託や資産承継としての遺言で
対策はそれだけで済むかもしれません

でも、複数の不動産や自社株式を保有している場合には、
顧客がどんな想いをもっており、
無数の選択肢からどんな対策をとるべきか考えるという
提案業務が発生します

ヒアリングによって得た情報と顧客の要望を鑑み、
選択肢を絞り込みとレコメンドを入れたうえで、
最終的な対策を立案していくことが必要です


|今週の気になった記事

調査はAI、提案は弁理士 特許・商標申請、進む分業
→現時点でも、書籍にあたらなくてもググれば法務・税務の条文や判例、ある程度調べられるし、調べる勘所をつかむことができる。それが、もっと個人の調べたい思考を考慮して精度があがり調べることが簡単になるので、よりコミュニケーション、提案が重要になってくるんでしょうね

19年出生、過去最少86万4000人 人口自然減 初の50万人超え 減少幅最大
人口50万人といういと川口市、宇都宮市、鹿児島市などのそれなりに大きい地方都市が消滅するくらいの人口が減っているということ。東京など大都市にいるとあまり気付けないが、このイメージは持っておかないといけない。

病院も顔パス 中国は電子健康保険証発行 Wechatとアリペイで取得可能
在外邦人向けネット投票 来月実験 22年参院選にらむ
国家レベルでのスピード感、中国は早い。日本は少しずつ。

次回をお楽しみに!


|生前対策提案に不可欠な「法務×税務×不動産」専門家の連携できていますか?

不動産コンサルティングは、
生前対策・相続対策を行う上で避けては通れません

しかし、不動産分野は専門性が高く、
物件ごとの不動産の状況や周辺環境等に応じた
”法務×税務×不動産”を押さえた提案が必要です
今回の定例会は、
全国52カ所の地元密着不動産会社が
加盟している財産ドックと合同で開催します

定例会では各地域に密着した
「士業」と「不動産コンサルタント」が集まり、
生前対策提案手法や連携方法について学び、
それぞれの目線からの生前対策提案について検討します

全国の専門家が集まりますので、
各地域での情報交換・連携ができる
人材交流の場としてもご活用ください。

【生前対策・家族信託コミュニティー~LFT~1月定例会】
 「士業 × 不動産コンサルタント」で考える
顧客に伝えるための生前対策提案とその連携方法

日時 1月21日火曜日13時30分~17時30分
会場 株式会社東京八重洲ホール
※オンライン受講も可能です!

★定例会内容★
◎士業側が考える”提案ポイントをココ!”を徹底解説!
◎スムーズな連携のために不可欠なポイントとは?
◎所有不動産の健康診断が相続提案の第一歩
◎既存所有不動産の活性化提案が信頼を得る
※全国の生前対策に特化した士業・不動産コンサルタントの交流会を
同会場で定例会の中で同時に開催します

詳細・申込はコチラ