デザイン思考からみていく家族信託・生前対策の設計方法!? | 家族信託・生前対策コンサル活用術|斎藤竜

家族信託・生前対策コンサル活用術|斎藤竜

リーガルエステートの代表・司法書士 斎藤竜|士業・専門家がゼロから始める家族信託・生前対策活用術|低単価手続き代行から高収益コンサル業務へ移行するには?

家族信託・生前対策など

実際に業務を取り組んでいくとなると、

全体の青写真の設計をしていく

という感覚が非常に大事です

 

いままで、遺言や成年後見を中心に

業務をおこなってきた先生にとってみれば、

遺言・成年後見は、全財産について全て効力が及ぶので、

”全財産 × 法的効力”

という二つの軸でみていけばよかったので、

シンプルに考えていくことができます

 

これが、家族信託・民事信託を活用していくとなると

遺言で組成する遺言信託であれば、

(金融機関の提供する

遺言作成+保管の遺言信託ではありません)

死亡時の全財産などと

全財産を特定できなくはないですが、

一般的には、実務で行う契約信託の場合には、

不動産、金銭、有価証券などというように

個別具体的な特定財産を信託するため、

”一部の特定財産 × 法的効力”

”残りの財産 × 法的効力”

そして、税金、不動産、融資など

というように、考える軸を増やして

デザインしていく必要があります

 

そうなんです、

今までの法務上の対策というと、

全財産に対して及ぶというのがほとんどだったので、

誰に相続させるのかという、

相続時の承継方法についてくらいしか

特定財産を意識する必要がなかったのですが、

信託は生前の財産管理から資産承継、

そして、不動産、税務、金融実務の運用というように、

考える要素が多岐にわたります

 

 

全体像を考えながらデザインして、

顧客にあった設計をしていく必要があるんです

 

具体的な事例から設計方法の考え方を

見て行ったほうがわかりやすいので、

とある事例から

その設計の考え方の基本について

お伝えします

 

今回の記事は下記のとおりです

 

・とある事例~収益物件建築事例から考える~

・用途別に信託の組み立てを考える

・不動産建築の面から信託財産を組み立てる

 

それでは、どうぞ!

 

 

|とある事例~収益物件建築事例から考える~

 

 

自宅と古アパート(全て父名義)お父様がいます

子供は、長女と長男の二人です

自宅には、長女夫婦と同居しています

 

今後の相続対策として、

銀行融資を活用予定

古アパートは建て替え予定であり、

相続時に分割しやすいように

戸建賃貸4棟を建築することを検討しています

 

土地1宅地であり、

南側古アパート部分のみ接道しています

 

父が高齢で体調が不安になってきたこともあり、

これから相続対策を行っていくにあたり、

信託を活用していきたいとの相談事例です

 

 

|用途別に信託の組み立てを考える

 

 

①全財産を対象とする

一番シンプルな設計は、

自宅・古アパートすべてを信託財産として

信託を組む方法です

 

でも、その方法を活用すると全ての財産が信託財産となり

信託財産≒受益権ですから、

銀行融資を活用することを考える場合には、

担保価値として考慮する必要がない、

自宅についても受益権化することになり、

信託融資において求められがちな、

受益権に質権を設定することにより、

自宅についても担保の効力が及ぶことになってしまします

 

②用途別に信託を組む

積極的な財産管理用の信託として、

古アパートをのみを信託財産とするという方法もあります

 

そして、積極活用しない自宅は信託財産としない、

もしくは、福祉型信託として

高齢の父の財産管理用の信託としして、

信託契約を結び、

積極管理用信託と福祉型信託の

2つの信託をつくるという方法です

 

ただし、信託物件と信託していない物件がある場合、

信託契約が2本ある場合の

損益通算禁止の原則の問題が発生するため、

留意しておく必要があります

 

融資を活用する財産のみを信託財産とする

信託契約を結ぶことで、

銀行融資における担保の範囲も、

古アパート(貸戸建4棟)のみに限定することができます

 

今回の事例では、

お客様と相談の上、

積極的に財産管理をする古アパートのみを

信託財産とすることにしました

 

その他の財産については、

父他界後の相続財産と信託財産との

評価額などを考慮して、調整できるよう

相続後の遺産分割で承継先を決めます

 

 

ここもポイントの一つで、

信託で事前に全財産の承継先を決めておくのか、

それとも、特定財産のみを信託財産として、

その他の財産は、

相続後に円滑に遺産分割ができる家族関係かを

考慮して、あえて遺産分割の余地を残し、

積極管理の予定がない財産は、

遺産分割で相続割合を調整する

ということも検討してみてください

 

もし、どうしても認知症対策で

不安の要素があるのであれば、

信託財産以外については、

任意後見を検討するのもありです

 

先ほどお伝えした、

”特定財産 × 残りの財産 × 法的効力”

このあたりを意識していく必要があります

 

 

|不動産建築の面から信託財産を組み立てる

 

信託は特定財産ということは

お伝えした通りです

 

特定財産ということから、

不動産、建築という側面からも

信託財産をどのように組み立てていくのか

ということも必要になってきます

 

古アパートは建て替え予定で

戸建賃貸4棟を建築予定です

土地1宅地であり、

南側古アパート部分のみ接道

という状況です

 

接道が古アパート部分しかないんです

自宅から行動に出るためには、

古アパートの通路を利用する必要があります

 

 

建築基準法により、住宅など建築物の敷地は

「幅員4m以上の道路に2m以上接しなければならない」

という規定があります

 

現状のまま、古アパート(土地・建物)を

信託財産としてしまうと、

自宅については、

道路に接道していない敷地となってしまい、

将来的に、

相続対策で、貸戸建の一部を売却するなど

したときに接道していないことから、

自宅の建て替え、売却時において、

建築確認を受けることができない物件と

なりかねない問題が発生します

 

そのため、

一部の財産を信託するという事案において

旗ざお状の敷地や不整形な敷地であるかどうか

などといった確認が必要となってくるんです

 

そのため、今回の事案では、

古アパート、自宅用の

それぞれの通路部分を確保し、

各貸戸建敷地、通路部分に土地の利用区画を検討し、

分筆をするといった、

デザインをしていく必要があります

 

全体財産に対して当然に及ぶ、

成年後見、遺言であれば

原則として、こういったことまで考える

必要はなかったのですが、

信託については、一部のみ効力が及ぶので、

どの部分を信託財産とするかについて、

検討すべき要素が増えてくるんです

 

当然、一人ですべての作業を行うことはできないので、

不動産、建築、測量、税務、法務といった

各専門家と連携して取り組む必要があります

 

 

|まとめ

 

・特定財産を対象とする信託では、

 全体設計の発想が必要

・“特定財産×残りの財産×法的効力”を意識する

・土地の一部を特定財産を信託する際には、

土地の利用状況なども加味して設計を考える

 

ただ、単純に財産管理だけを目的として、

全財産を対象とする信託であれば、

考慮する要素は比較的少なく、

シンプルに設計できますが、

用途別に信託を組むなど、

カスタマイズが必要な設計は、

検討すべき要素が多岐に渡ります

 

情報が公開されて、誰でも調べられる現在、

シンプルなものについては、

自分で作成できるようになってきて、

情報に価値がなくなってきています

 

むしろ、大事なのは

ここでもお伝えした、

青写真を設計していくというような

情報の編集力だったり、

その先生に相談したいといった

人としての人間力、コミュニケーション力

がといったことに

専門家として求められてくる要素が

変わってくるでしょう

 

僕も全て自分でできるわけでないので、

自分の専門分野に囚われず、

ここは注意すべきといったような

アンテナをはって、

適切な専門家につなぐ、

そういったことをできるようにしておける

ようにしておくことが必要です

 

是非、頑張ってみてくださいね(^^)/

 

 

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次回をお楽しみに!

 

 

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登録免許税の軽減措置に関する

参考となる国税庁の

名古屋国税局と東京国税局の

文書回答事例が公表されています

 

信託終了時における

登録免許税第7条第2項の軽減措置と

不動産取得税における、

地方税法第73条の7第4号に軽減措置を見据えた

信託スキームの設計と信託契約書の条項

を検討していくことが重要です

 

見過ごすと、

信託終了時に思いもよらぬ

多額の税金が発生する可能性があり、

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今後注意が必要そうです!!

 

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「名古屋国税局・東京国税局文書回答事例から考える

一代限り・連続型信託における信託スキームの考え方」

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詳細は、下記の通りです。

 

 

「名古屋国税局・東京国税局文書回答事例から考える

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