受益者連続型信託の税務の落とし穴とは!? | 家族信託・生前対策コンサル活用術|斎藤竜

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リーガルエステートの代表・司法書士 斎藤竜|士業・専門家がゼロから始める家族信託・生前対策活用術|低単価手続き代行から高収益コンサル業務へ移行するには?


テーマ:

生前対策・家族信託コンサルタント

司法書士の斎藤です

 

本人亡き後の配偶者、子の財産管理のニーズで、

受益者連続型信託を活用するケース

増えてきていると思います

 

現在は、本人一代限りの認知症対策で
活用されることが多いと思います。

しかし、
「本人亡き後も、配偶者、

 そして次の世代に継続したい」
というニーズに対応するなど、

活用できる事例は多いです。

 

 

そのとき、意外と見落としがちな

契約書組成ポイントとして、
「委託者の地位を承継させるか、しないか」
という点があります。

そのポイントを押させているかどうかで
信託終了時に信託不動産を後継者に引き継ぐ際、
登録免許税等が大きくかわってきます。

意外と見落としがちな、信託税務について
解説していきます

 

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委託者の地位を承継させる、させないか!?

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信託契約書作成の注意点の一つとして
「委託者の地位を承継させるか、させないか」
という点があります。

 

 

信託の導入初期には、

委託者の地位が残ってしまうと、
その後、

信託の変更、受託者の解任、終了などの
委託者が有する権利が

その法定相続人に承継されててしまう。

そういう点から委託者の権利を消滅させるか、
それとも、残すのかという論点がありました。

 

初期は、委託者の権利が残っていると

・委託者の地位の相続で
協力的でない相続人がいた場合
・信託財産以外の管理のために
成年後見人制度を活用して

成年後見人が登場した場合

などで、その権利を濫用されることを防ぐため、
「委託者の地位は相続により承継せず、
委託者の死亡により消滅する。」

といった条項を信託契約書に設け、
委託者の権利を

本人死亡後は消滅させるという
運用をすることが多かったと思います。

 

私自身も当初、その運用をしていました。

 

ここで注意しておかなければならないのは、

登録免許税法第第7条2項の規定です。

 

参考

登録免許税法第7条2項

(信託財産の登記等の課税の特例)

2 信託の信託財産を受託者から受益者に移す場合であつて、かつ、当該信託の効力が生じた時から引き続き委託者のみが信託財産の元本の受益者である場合において、当該受益者が当該信託の効力が生じた時における委託者の相続人(当該委託者が合併により消滅した場合にあつては、当該合併後存続する法人又は当該合併により設立された法人)であるときは、当該信託による財産権の移転の登記又は登録を相続(当該受益者が当該存続する法人又は当該設立された法人である場合にあつては、合併)による財産権の移転の登記又は登録とみなして、この法律の規定を適用する。

 

この受益者連続型信託における

信託終了時に

登録免許税第7条2項の軽減措置が

使えるか否かの解釈について

平成29年6月22日に回答があった

重要な税務照会事例があります

https://www.nta.go.jp/about/organization/tokyo/bunshokaito/sonota/03/besshi.htm

 

ポイントとして下記3つの要件を満たす必要があります

 

①信託の信託財産を受託者から受益者に移す

 (信託法上、帰属権利者は、

 信託の清算中は受益者とみなされるため、

 登録免許税法の「受益者」に該当する

 と考えられます

 信託法第183条6項)

②当該信託の効力が生じた時から引き続き

 委託者のみが信託財産の元本の受益者である

③当該受益者が当該信託の効力が

 生じた時における委託者の相続人である

 

つまり、

信託終了時に①の要件を満たすことは当然として、

②と③の要件を満たすか否かが、

軽減措置の適用を受けることができるかどうか

のポイントです。

 

この規定は、信託終了時に信託不動産が存在し、

信託不動産を引き継ぐ際の規定です。

そのため、現金のみの信託や、

既に清算期間中に売却し、

現金を引き継がせる場合には、

信託終了に伴う登記手続きがないので、

登録免許税の問題はありません。

 

信託不動産を引き継ぐ際に、

この軽減措置が使えれば、

登録免許税は不動産の

固定資産税評価額の0.4%となりますが、

つかえないと、原則の2%となります。

信託終了時の不動産の評価が

仮に1億円だとすると

40万円となるか200万円となるか、

大きく結果が異なってしまいます。

 

そのため、手掛ける士業・専門家としては

信託不動産を組成時に

終了時の出口戦略を考慮し、

「軽減措置の適用を受けることができるか、

 できないか」

を慎重に判断し、顧客ごとのケースに

対応する必要があります。

 

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ポイント1 自益信託を継続できているか!?

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要件②では、

“当該信託の効力が生じた時から

引き続き委託者のみが

信託財産の元本の受益者である“

つまり「委託者=受益者の状態(自益信託)」

を継続する必要があります。

 

そのため、先述した

「委託者の地位は相続により承継せず、

委託者の死亡により消滅する。」

といった条項を信託契約書に設けてしまうと、

委託者の地位が消滅してしまうことから、

自益信託を継続することはできず、

軽減措置の適用を受けることが

できなくなってしまいます。

 

そのため、軽減措置を活用するためには、

「委託者の地位は相続により承継せず、

受益者の地位とともに移動させるものとする」など、

委託者と受益者を連動させる

条項を設ける必要があります。

 

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ポイント2 受益者が委託者の相続人か?

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要件③では

“当該受益者が当該信託の効力が

生じた時における委託者の相続人である“

といっており、

受益者が

「信託の効力が生じたときにおける

委託者(当初委託者)の相続人」

であることを要件としています。

 

つまり、

“父→母→長男” “父→長男→次男”

のスキームであれば

長男は父の相続人となり、

適用を受けられますが、

“父→長男→孫”

のようなスキームであれば

養子縁組をしていない限り、

孫は相続人とならないので

軽減措置の適用を受けることができません

 

このように長期にわたる受益者連続型信託では、

30年ルール、受託者は誰にするのかといった、

法務面を中心に考えてしまう傾向がありますが、

この税務面も併せて確認しておかないと、

危ないケースが存在するので注意が必要です

 

なお、不動産取得税についても、

地方税法第73条の7第4項に規定があり

非課税措置の規定があります。

 

不動産取得税についても

同様の取り扱いになると考えられますが、

今回の税務照会事例では

言及されていないので、

注意が必要です

 

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委託者の地位消滅型で契約書作成した場合の解決策

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契約書作成時に

委託者の地位消滅型で組成した場合に、

登録免許税の税務リスクを避けるためには

下記の対応が必要です

 

① 信託契約書の条項を変更する

② 信託終了時までに

  信託不動産を換価し、金銭を引き継がせる

※この場合は、登録免許税、不動産取得税の

 課税の問題はありません

 

信託の変更は、信託法第149条1項により

委託者・受託者・受益者の3者の合意が

原則必要です

別段の定めがあれば、

その定めに従います(信託法第149条4項)

 

 

信託契約書の条項を確認し、

速やかに変更手続きをとる必要があります

 

私自身も、この税務照会事例が出た後、

速やかに該当するお客様に連絡し、

対応をとりました。

 

信託はまだまだ歴史が浅い制度です。

思わぬ落とし穴があります。

また、当初の法務税務解釈と違った運用に

変更がなされる可能性もあります。

 

そのため、設計時に将来を見越して、

スキーム変更できるように

信託変更の当事者について別段の定めを設け、

例えば、本人が認知症になっても、

受託者と受益者代理人で

変更できるようにする、

そういった将来を見越して

検討していく必要があります

 

信託設計時に落としてはいけない、

法務・税務のポイントについては、

5月8日に東京駅周辺にて

セミナーを開催する予定です。

後日、改めてメルマガにて告知しますので、

ご興味ある方は是非ご参加ください(^^)/

 

今回の記事は、ここまで。

次回をお楽しみに。

 

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家族信託相談を受ける際に、

どのようなに顧客に設計・提案をしていますか?

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