第6087回「大阪圭吉短篇集 その6、石塀幽霊(青山喬介S) ストーリー、ネタバレ」 | 新稀少堂日記
2013-04-17 12:25:43

第6087回「大阪圭吉短篇集 その6、石塀幽霊(青山喬介S) ストーリー、ネタバレ」

テーマ:ねたばれミステリー

 第6087回は、「大阪圭吉短篇集 その6、石塀幽霊(青山喬介S) ストーリー、ネタバレ」です。30ページ弱の短編なのですが、青山喬介が登場するのは最後の数ページのみです。


「その6、石塀幽霊」(青山喬介シリーズ5)

 物語は、吉田雄太郎くんの視点で語られます。タイトルが示すように、ある午後の暑い日に事件は起きました。雄太郎くんは、定時的にやってくる郵便配達員に、直に郵便物を渡そうと思ってアパートから外に出たのですが・・・・。


 配達員に郵便を渡しているとき、悲鳴を聞きました。そして、逃げ出して行く瓜二つの二人組を目撃します。ふたりとも、白い浴衣に兵児帯(へこおび)を占めています。二人組が角を曲がると同時に、雄太郎くんが追います。秋森邸の庭に、瀕死の婦人が倒れていたからです。


 しかし、道の反対側から歩いてきたのは、背広姿の黒皮のカバンを持った男でした。白い浴衣姿の二人組はどこに消えたのでしょうか。しかし、1か所だけ逃げ場所がありました。秋森邸の通用口でした。戸を開けると足跡が付いていました。


 その頃には、偶然通りかかったチンドン屋さんが、交番に通報しています。駆け付けて来たのが、蜂須賀巡査でした。背広姿の男は、被害者の夫であり、秋森家の差配人であった戸川弥市でした。本庁から駆け付けた刑事は、秋森家の双子の兄弟が犯人だと断定し、身柄を拘束します。凶器に双子の片割れの指紋が検出されたからです。


 しかし、納得できなかったのが、手柄を立てたがっていた蜂須賀巡査でした。雄太郎くんを脅したのです。「証言が間違っていたら、きみもただでは済まんぞ!」、巡査の恫喝に脅えたのが、雄太郎くんです。彼が頼ったのが、旧知の青山喬介でした・・・・。こうして、喬介が表舞台に登場します。その日も暑い日でした。


 以下、最後まで書きますので、ネタバレとなります。


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 恭介が着目したのは、庭に落ちていたチラシでした。時間の矛盾を指摘します。しかかし、それ以上に強調したのが、この暑さでした。「きみは逃走する二人組を見たと思っているが、あれは蜃気楼だ。そして、犯人は庭になど逃げていない。向こうからやってきた戸川氏こそ犯人だ。カバンには、白い浴衣と兵児帯が入っているはずだ」


 なお、恭介が蜃気楼に気づいたのは、ポストの位置からでした。雄太郎のポストに関する証言に矛盾があったからです。もちろん、カバンから浴衣が発見されます。


(蛇足) 蜃気楼は、ふつう上下に現れます。建物が伸び縮みしたり、道路に水がたまっているように見えたり・・・・。しかし、この場合は、側方(鏡映)型蜃気楼と呼ばれるものです。現象例としては極めて限られています。


 『 物体の側方に蜃気楼が出現する。報告が最も少なく、極めてまれな現象であると言える。スイスのジュネーブ湖で目撃されたという報告がある。また、日本で不知火(夜の海に多くの光がゆらめいて見える現象。九州の八代海、有明海などで見られる)と呼ばれるものも、このタイプの蜃気楼に属すると言われている。 』(ウィキペディア)


 なお、写真は、蜃気楼の一種、逃げ水現象を写したものです。ウィキペディアから引用しました。


(追記) 順次、大阪圭吉の短編につきましてはブログに取り上げていくつもりです。興味がありましたら、お手数ですが、ブログトップ左側にあります"ブログ内検索"欄に、"圭吉"と御入力下さい。


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