起業家 杉本宏之のアメブロ

「30歳で400億円の負債を抱えた僕が、もう一度、起業を決意した理由」著者・杉本宏之のブログ


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先日、経営者仲間と会食をしました。

その経営者とは旧知の仲であり

食事と共に忌憚無い意見交換をしていると、少し浮かない表情でした。


気になったので様子を伺うと、どうやら会社の売却を検討しているとの事でした。


状況から察するに、もうその交渉は佳境に入っているようで
私はなぜそのような結論に至ったのか、単刀直入に聞いてみました。


本人から出てくる言葉の数々は

「大手と戦う気力が無くなった」

「マーケットがどうなるか、不安で夜も眠れない。」
など、ネガティブ極まりなく、聞いているこちらまで気持ちが落ち込んでくる程でした笑。

(株式市場の急落と共に、こういう方が増えましたが。)


私は一言

「そうか、お疲れ様でした。人生は経営が全てじゃない。次に何をやるかが楽しみだね」

彼にそう一言伝えました。


すると彼は

「要は情熱が無くなっただけなんだ。負け犬だよ。」

と呟きました。


私は違和感を感じ
「人生に勝者も敗者も無いんじゃないか。最近俺はそう思う事が多くなった。もっと言うと、一時的な負けは後からいくらでも取り返せる。人生なんて死ぬまで分からないじゃないか」


そう諭すと

「そうだな」

憔悴しきった表情で友人はまた一言呟きました。


彼は「社員に顔向けが出来ない」そんな事も言ってましたが

彼が結論に至るまでに、躁鬱病のような葛藤と悶絶を繰り返し

ここまでの心境に至ったというのは想像に難くありません。


また、会社を売却すると言っても、より大きな資本が入り、会社を再び成長軌道に乗せる事が出来れば

社員、株主、お客様にも三方善しの結果となるかも知れません。


経済的な勝者だけが人生の勝者じゃない。

自分と戦い、自分に勝ち、自分に負ける。自分の強さも、どうしようもない弱さも認め、不完全な自分を楽しむ。


「一流のインテリジェンスとは、一見相反する2つの考えを一つの脳に同居させることである。」

私の好きな作家F.Sフィッツジェラルドの言葉ですが、人間には光も影もあるからこそ面白いという事を

フィッツジェラルドは包含させたのではないかと、私は推察しています。


話は少し変わりますが

この4か月間、当社は立て続けに投資先の売却を行いました。

上場を目指してファーストファイナンスを行う会社、経営陣でのMBO、新たな投資先への売却など理由は様々でした。


その中で、株価については喧々諤々発行体とやり合いました。

結果株価は36倍、あるいは41倍、中には1倍(元値)にもなった会社もありましたが、今までの何年間か経営陣と共に戦った日々を想うと感傷的にもなります。


しかし、一緒に会社を成長させて来た仲間であると同時に

私は投資会社のCIOとしての顔も持たなくてはならないので、一度株価の交渉に入れば、妥協を許す訳にはいきません。


そこには相反する二面性が出てくるわけですが、自分の行っている矛盾にいちいち辟易していると

足を止めて立ちすくむしか出来なくなってしまいます。


だから私は経営者仲間の彼を責めることなど到底出来なかったし、私も矛盾を抱えている一人の弱い人間なんだと改めて痛感します。


今回のディールも

高い株価で売り抜けた私が勝者なのか、それともこんな安値で売ってしっまった私が敗者だったと、将来後悔することになるのか。

投資を成功させた私が勝者なのか、一人の仲間を失った私が敗者なのか。


現在に答えを求めると矛盾が生じ、未来に答えを求めれば誰も正解は分からない。
つまり、人生の価値は自分で決めるわけで、答えは無いのだとつくづく思うのです。



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5年ほど前からある施設に寄付を行っています。

そこは親がいなかったり、教育を放棄された子供たちが最後に頼る場所です。


寄付を始めてから施設への2回目の訪問の時でした。


理事長の計らいで施設を見学させて頂きながら、子供達一人一人の境遇について

ご説明を頂いた事がありました。


「あの子はまだ乳児の時に捨てられた子で親の顔を知らないのです。」


「あの子は両親が覚せい剤に嵌り、教育放棄とみなされこの施設に来ました。」


「あの子は片親で、母親が生活が苦しくて面倒を見れず、母親自らこの施設に連れて来られました。」


過酷な現実を、淡々とアナリストのように説明される理事長のお話。


私は理事長の説明を受けて、悲しい気持ちにも、悲惨な想いにも駆られませんでした。

それは理事長の説明に感情も抑揚も感じられなかったからではありません。


そこにいた子供達が笑顔で溢れていたからです。

そしてその笑顔に、何とも形容し難い美しさと悲哀を感じたのです。


一方、親に代わり子供達と向き合う職員の皆様の日々の御苦労をお聞きしていると

複雑な想いにも駆られました。


「少し前ですが、夜中学生の女の子が施設に帰って来ない日があって、不眠不休で探し回りました。

何日か経って見つかると、彼氏の家に寝泊まりしていた。なんてこともありました。」


「先週は補導された子がいて、深夜3時に警察にお迎えに行きました。翌日は寝ずに

6時から保育園に通う子供達を送り出し、8時から小学生達を送り出し、事務作業を終えて寮に帰宅。

眠りについたのは夕方でした。」


「過去には妊娠が発覚した子もいて・・・」


私は黙って先生方のお話を聞いているうち

何か出来る事はないかと考え、寄付金の待遇改善への使用だけではなく、施設の一助になればと

卒業生達の当社への就職斡旋を提案しました。


しかし、次の理事長の話を聞いて、私の安易な想いは脆くも打ち砕かれたのです。


「杉本さん、大変有り難いご提案なんですが、それはお断り致します」

「なぜでしょうか?」

私は訝りながら尋ねました。


過去に同じよう提案もあったと前置きをした上で、理事長は説明を続けました。

「実はこの施設に入った子供達の多くがまた再びこの施設に戻ってくる事が多いんです。」

「どういう事でしょうか?卒業をしたらもういい大人ではないですか?」

「そうです。大人になって子供と共に戻って来るのです。」

私が絶句をしていると、理事長は言いました。

「それが現実です」


理事長の話は淡々と、決して悲観をしているわけでも、何か希望を伝えようとするでもなく

ただひたすら現実を伝えてくれました。

私も母が13歳で亡くなり、父は18歳の時に会社を倒産させ蒸発。

それなりの苦労をしてきたつもりでした。


しかし、彼らの境遇は次元が違いました。

私は全ての現実を知り、認識の甘さを恥じながら

改めて両親への感謝が沸いて来ました。


「それでも、希望は捨てずにやり続けるのが私達の仕事です。」

最後の理事長の言葉には凄味がありました。


私は経営者ですが、よき経営者はよき教育者であると認識しています。

まだまだ未熟者ですが、現実から目を逸らさず、一歩一歩努力を重ねて参りたいと思います。






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