今、『彼』は地獄にいる。
地獄に落ちた者に閻魔(えんま)大王は、ある基準を決めて乗り物を与えた。
■一人の相手だけを愛し、浮気など全くしなかった者には高級外車を
■多少、気持ちがフラついた者には国産車を
■何度か火遊びに夢中になってしまった者にはスクーターを
■どうしようもないくらい浮気をしまくっていた者には三輪車を与えた。
さて
ある日、『彼』は国産車に乗って快適な地獄のドライブを楽しんでいた。
信号待ちをしているとき、スクーターが『彼』の横に停止した。昔の同僚だった。
同僚「お~、久しぶりだな!地獄は暑くてたまらんよ。
いいなぁ。俺もクーラー付きの車欲しいなぁf^_^;」
彼「仕方ないだろ。だってお前だいぶ浮気してたからな(*^_^*)」
同僚「まぁね。お前みたいにカミさん一筋とは
なかなかいかなかったもんなぁ(^_^;)」
彼「今度生まれ変わったら気持ちを改めることだね(・o・)」
同僚「それは難しいかもな。はははは(^O^)
……ん?あれ?」
彼「どうした?」
目の前の横断歩道を一台の三輪車が通っていった。
乗っていたのは
『彼』の妻だった。