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電動バイクと石油 (1回)

エコロジーもさることなら、

別の課題も気になります。それは、


電動バイクニュース

石油を使えるうちに、石油を必要とする研究開発を

完了しないと、石油が枯渇してからあわてていたら

環境より先に人々の生活が崩壊するのではないでしょうか?


ということです。

杞憂かもしれませんが、これがもし、現実のものになった場合

備えが無いよりは有った方がよさそうです。


今のペースで石油の使用人口が増えると、つまり、アジア・アフリカの

全ての人々が平均して日本なみに石油を使い始めると、どんなに節約、掘削の

技術が進歩しても、今から20~30年で石油は市場から姿を消すという予測があります。


もし、この予測が当たりますと、10年後には今の金融危機の話題と

同じように。どこへ行っても石油危機の話でもちきり・・・。

想像に難くない気もします。


もちろん電動バイク屋さんも例外ではありません。

「 電動バイクといえど、石油が無ければ作れないでしょう? 」

・・・その通りのように思いますが、一応調べてみましょう。


まず、参考までに、

 「 バイクを生産するときに使用される
  プラスチック・塗料・原料加工のエネルギー等、
  それらの元になる、石油の総量はどのくらいですか?」
と、(以下敬称略 五十音順)

スズキ/ホンダ/ヤマハの各社に、問合せてみました。

スズキ: (担当窓口不明)

ホンダ: (自社製品の環境への影響評価と、その結果得られる

       データを、ご紹介くださったうえで)

      「ご質問に応えられる情報がございません。」


ヤマハ: 「社内的な情報なのでお答えできません。」


調査はいきなり頓挫しました。そこで、

おおざっぱでもいいから、バイク1台つくるのに

何リットルの石油が必要か?  求めるべく、

まずバイクという製品のライフサイクルを思い出してみます。


原料調達製造流通使用廃棄

これらのうち、電動バイクだからといって、

どうにか石油を使わずにすみそうなのは


使 用」  この部分だけです。(※)

そこで、バイク1台分の 原料調達→製造→流通→廃棄

についてそれぞれ必要となる石油の量を、

次のように分けて調べ、最後に合計してみることにしました。


原料調達 ≒ アルミ・鉄・石油製品の各精製と運搬に必要な石油の量

製造 ≒ 加工に必要な総エネルギー × 石油が使われている率

流通と廃棄 ≒ 重機が使用する石油の量


合計何リットルになったと思われますか?

これを0リットルにできるでしょうか?(続きはまた今度)


※ 世界全体で見ると、多くの電力を火力発電で得ているため、

  実際には電動バイクといえど石油が無ければ

  日々の充電にも事欠くのが現実といえますが、ここでは

  電動バイクの持つ、希望の部分を強調させていただきました。



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大衆化への第一歩

唐突ですが、

お中元やお歳暮で送ると喜ばれる電動バイクは?

多くの場合、安心して贈り物にできる電動バイクは、どれでしょうか。


プレゼントに電動バイク・・・と言うと、

ちょっと現実離れしているかもしれませんが、

お手頃価格で安心品質。 それが、今回ご紹介します


レコロ (株式会社コウメイ) です。 

(色が美しいですね。 顔料をまぜて色を作るため

 原理的にはどの様な色でも作れるそうです)


・・・まるで筆者がこのバイクの営業マンみたいですね。


率直なところ類似する形状の、電動バイクが国内で

既に販売されていた経緯があることも事実です。

そこで、今回取材させて頂いて、どのように違うのか、

を含め、特筆すべき点など、お伝えしようと思います。


販売元の 株式会社コウメイ(以下敬称略)は、

ベースとなる車体として、育て甲斐のありそうな車種を

可能な限り低費用で調達し、


そのぶん、独自の方法で品質向上を目指す

という作戦を実行されました。

(筆者にはコロンブスの卵のように思えました)


さて、車体を安く調達する算段をしたら今度は、

改良という課題が待っています。

この車体は基本的には中国で生産されるのですが、

量産に踏み切る前に、中国側技術者を日本へ呼び

互いに納得のいくまで試作や調整をくりかえす作業が行われました。


(その作業は今も続いており、例えば特性の違うモーターに変更することで

 速度重視⇔トルク重視の選択ができるようになるなど、日々改良される

 機能を同社の既存ユーザーにもオプションで提供できるように

 なりつつあります。)


また、日本側からの要求を迅速に伝えられるよう

中国駐在の担当者を置いておられました。


実は、一般論として

中国の電動バイクメーカーというのは、大きな企業になるほど

品質は安定するものの、日本側の細かい要求には取り合ってくれません。


小さな企業だと、比較的、日本側の要求を聞き入れてくれますが

品質が安定しません。


そこで、レコロの生産を受託している中国側の企業はどうなのか?というと、

”ほどほどの規模のわりには融通も利く” 面白い会社です。



この会社に協力する形で品質管理を徹底させていく、という戦略も、

たいへん興味深く、これを実現させている点は特筆に値すると思います。


他社と同様のベース車を用いてはいるものの

品質管理と改良に次ぐ改良、実はこれが

レコロ最大の特徴と思われます。


このようなわけで、

たとえば、お客様がご予算を提示され、

「よくわからないから、プレゼント用に1台選んでほしい」

と、言われたら、今回ご紹介しました、

レコロのようなバイクはなかなか良いかもしれません。


そういった、いわば電動バイクの大衆化プロジェクトと言えそうな

事業も始まりつつあります。



今回は、(株)コウメイ様に多大なご協力をいただきました。

この場を借りてお礼申し上げます。



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新聞配達への挑戦

新聞配達や、お寿司の出前、銀行の外回りといえば

写真は左から、
 
ヤマハ・スメイト/ホンダ・スーパーカブ/スズキ・バーディー
 
※写真の著作権等、知的財産権は各社に帰属します。

といったバイクが人気です。これらは、ガソリンで走るバイクですが、
永いものでは、50年の歴史があり、基本設計はそのままに、
今も、
業務用に徹した改良が続いているそうです。
耐用年数が非常に長く、実用性・信頼性・コスト面から文句なしに

選ばれ続けた世界に誇るツワモノたちです。

・・・が、 そのツワモノたちに
電動で挑むバイクが現れました。
開発したのは大手企業ではありません。

今回は、「電動バイクで新聞を配る」 というテーマで実際に
バイクを作られている会社にお邪魔して、お話を聴きました。

残念ながら、ここでは細部まではお見せできないのですが、


エコシステム株式会社・EB-01 (写真はイメージです)

これが、今回取材させていただいたバイクです。
これぞ業務用。でしょう?品質も、筆者には良いように見えました。

開発者の
エコシステム(株)・上垣内さんは、当初中国の電動バイクを
研究されましたが、その品質に不安を感じたため、
「求める品質を自らの手で作り上げる」 という選択をされました。
7年前のことだそうです。

そこで、このバイクが現在に至るまでの過程を拝見しました。


こうした試行錯誤の結果、一部の部品は中国から取り寄せるものの
他社・他国の製品の焼き直しとは言えない独自のバイクが産まれました。

実際に早朝、新聞配達の方といっしょに、新聞と同じ重さの荷物を載せて
配達順路を走ったところ、航続距離の面では支障なかったとのことです。
(荷物を乗せず、ツーリングのような走り方の場合1充電で

 54kmほど走るそうです)

一方で課題もあり、現状のEB-01は、後輪のブレーキが左ハンドルの

レバーで働くため、一部の新聞配達の方々からは、これをフットブレーキに

したほうがよいという、ご意見も寄せられているそうです。

左手が空くと配達が楽になる場面もあるし、従来の業務用バイクが
皆フットブレーキだから慣れた方式のほうが人気があるということも

あるようです。

筆者も試乗させていただいたのですが、
重心が中の低、小回りが利き、発進は穏やかだけれど加速力が持続する
おおむね、従来のガソリン業務用に近いんじゃないかな、という感じでした。
(個人的にはスズキ・バーディーがいちばん近いと思います)

実は、車体が頑丈で、かつ、大容量の電池を積んでいるぶん、車重がふえて
モーターの力が足りないのでは?と、内心予想したのですが、そんなことはなく
これなら全然問題ない」 動力性能は圧巻です。

筆者が以前、新聞配達をしていたときは、ガソリンバイクのお世話になりました

が、次世代の新聞は、匂いも騒音も無い、このようなバイクで

配達されるのかもしれませんね。

さて、これまでの開発物語、これからの夢物語、
よもやま話アレコレが
まだまだあるのですが、続きはまた今度。

末筆ながら、
開発者、上垣内氏の物造りに、見習うべき姿を見た感じがいたしました。
エコシステム(株)様のご協力に感謝します。


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