旧 電動バイクニュース -17ページ目

【電動バイク解体新書】 一台の修理依頼からはじまった物語

ある日、電動バイクの修理依頼をいただきました。

電動バイクニュース

E-TON社(台湾)の製品

オーナー様からお聞きした主な症状は、


走行中にモーターが止まり、その後

充電しても電池の残量を示す目盛が回復しなくなった。

とのことでした。


たしかに充電してもスイッチを入れても 動く気配がなく

ウィンカーもライトも沈黙したままです。 どうしたのでしょう?


「ちょっと中をのぞいてみよう」と、イスを↓


電動バイクニュース

     取り外させていただくと↓

電動バイクニュース

←前                                      後→
(写真中央、銀色の円筒がモーター、その左に電池の一部が見えます)


いろいろな角度からのぞきこむと、およその構造が見えてきました。

どこのネジをはずせば分解できるのか確認して 順にカバー類を取り外すと


電動バイクニュース

このようなつくりになっています。(車種によって中身の構造はだいぶ違うようです)

電池の電圧を測ったところ、49V近くあります。

よかった!電池は生きているようです


配線をたどると、黒焦げになった60Aのヒューズが出てきたので、

新しいヒューズに変えて通電をこころみました。(これで治りますように・・・)

1秒通電→なにもおこらず

2秒通電→なにもおこらず

3秒・・・よし、モーターをまわすぞ - と、アクセルに手を伸ばしたとき

モーター制御機のあたりからバチバチバチという天ぷらを揚げるような

音がして、ほぼ同時に、新しくしたヒューズが切れました。


もっとよく見てみましょう、なにか根深い問題があるのかもしれません。


電動バイクニュース

モーターの制御機を車体からはずしました。うら返してみます。


電動バイクニュース

黒い文字は筆者が書きこんだものです


写真の”裏ブタ” を止めているビスが、ネジ止め剤で固定されていましたが

電動バイクニュース

勇気を出して(?)開けてみましょう。


電動バイクニュース

基板全部が、樹脂にどっぷり浸かっています。

まるで 「見るな」 といわんばかりの厳重さです。


幸か不幸か、他の電子機器(DCDC変換機 充電系)は生きているようです。

写真のモーター制御機をはずした状態なら、ライトやウィンカーも正常に働き

ヒューズも切れません。


とにかく、メーカーに状況を伝えて、部品の見積もりを取ろう としましたが

車台番号や部品番号を伝えても、いまのところ返事がありません。

そこで、作戦を立て直すことにしました。


1.日本のモーター(など動力系)で走れるようにし、

  一度オーナー様にお返ししたのち

   ※日本で開発され中国で製造されています


2.メーカーから正規の部品が来たら、元の姿に戻す。


ここで、

じつは電動バイク(特に電動スクーター)には 大きく分けて

 目 ガソリン車のエンジンをモーターに置き換えたものと、

 目 最初から電動バイクとして設計されたもの があります。

いま修理中のこのバイクはどうでしょう? (下の写真はギアケースです)

電動バイクニュース
電動バイクニュース

よく見ると、「オイル」の文字が見えます。

本当にオイルが入っているでしょうか?

電動バイクニュース

ぱかっと開けてみますと、オイルは入っていません。

つまり・・・ガソリン車の流用であることは間違いなさそうです。


ここで、日本のモーター(など動力系)はどちらかというと

ガソリン車の流用ではなく、最初から電動バイクとして設計された車体に

取り付けるのに適しています。


次回の解体新書は、

ガソリン車として生まれた車体に、

どうやって、電動バイク専用モーターをつけるか? の予定です


電動バイクニュース

※ バイクオーナー様の多大なご協力のもと、お送りしております。




広告



上には上が・・・そして日本が・・というお話です

電動バイクニュース

(動画 http://www.youtube.com/watch?v=w1C44JQU7Pc )

カッコイイですね。 テスラ・ロードスターという電気自動車で、

最高速度225km/h といいますから、自動車の中でも

相当速いほうだと思います。


ですが、スピードと加速なら上をいく電動バイクが発売されるようです。

上記の車を作った会社、テスラモータース (米)が技術協力して


最高時速270km 航続距離270km 2時間で充電完了(240V)

電動バイクニュース
(詳細 http://www.ridemission.com/

オートバイの世界でもかなり速いほうではないかと思います。

変速機は無く、走行記録を内蔵のコンピュータが解析、

市販価格は約700万円(予想) ・・・ 全てがスゴイですね。

(富士山の五合目くらいまでは楽々登れるでしょう。700万円あれば


とはいうものの、

充電に2時間もかかるのを待てる人ばかりではないでしょう。

やはりまだ夢物語なのかと、例によって、あきらめかけていたその時


寡黙に、ひた向きに、努力を続けた人々がいました。

この電池は 5分で90%充電できます電池寿命はおよそ10年。』

電動バイクニュース

SCiBは東芝新型二次電池の登録商標です/詳細 http://www.scib.jp/


電動バイクに使えれば、これだけで、性能が飛躍的に向上するかもしれません


広告

【連続実話】 富士山五合目を目指せ (1話:日帰りは可能か)

ところで、現在、一般に入手可能な電動バイクで

富士山に登ることは、そもそも可能でしょうか?

バイクの性能面に不安がありましたので調べてみました


富士山を自動車で登れる道路のうち

比較的おだやかと思われる道路は、


富士山スカイライン→五合目への道路(※)

  行程    16km

  平均斜度 7.3%
  最大斜度 10%

  標高差  1200m 

斜度については、カタログ上10~15%の登坂力をもつ

バイクなら登れそうに見えます。グッド!(カタログに嘘がなければ・・・)


距離についても、人が歩くのと同じくらいの平均速度を

保てれば、朝出発して、夕方には下山できそうです。グッド!


目下の問題は「標高差  1200m」です。ドクロ

およその平均値として、80kgのバイクに80kgの人が乗ると

合計160kgですね。 160kg の物を 1200m 持上げる

ために必要なエネルギーは、単純計算だと 

160kg × 1200m × 9.8(重力加速度) = 1881600kジュール

≒ 523kWh                       ←①

例として、電動バイク・レコロ (コウメイ(株))のバッテリーパック1個が

持って行ける理論上のエネルギーは 0.96kwh ←②

ということは、①の523kwh ÷ ②の0.96kwh ≒ 545


ここでは見えていない、

いろいろな種類のエネルギー損失も

あるかもしれませんが


少なくとも545回充電しないと富士山五合目までは登れない

ということになります。1回につき4時間くらい充電したとすると

充電だけで、91日間かかる計算です。こうなると人間の食料や

生活用品も運ばねばなりません・・・


なんとかして、日帰りを実現できないものでしょうか?

そうでないと、富士山五合目までの途中でキャンプをすることになります


※データ誤りがありましたら、大変お手数ですがご指摘いただければ幸いです



広告