
鈴木質店。足立区千住4-22。1988(昭和63)年12月11日
写真手前は「千住ほんちょう公園」で、日光街道千住宿の雰囲気を感じるように、入口やトイレが和風に造られた公園。撮影時の住宅地図では「千住四丁目児童公園」で、蛸の滑り台などはその名残かもしれない。なにかで、建物疎開の跡地が公園に替わった、と読んだような気がする。現在の公園はわりと最近整備されたもので、おそらく「サンロード商店街」を「宿場通り」としてイメージチェンジしたのに連動したものかと思う。
写真の洋風の外観の蔵は鈴木質店の蔵。現在、質店は廃業したらしいが蔵は残っている。写真右、木の後ろに住居があり、左手前の平屋は店舗になるのではないかと思う。この家は建て替わって立松歯科医院の建物になった。
鈴木質店の蔵
1999(平成11)年5月1日
『千住の蔵>千住の蔵の姿』に、この蔵と同じタイプの「千住旭町の質店の蔵(コンクリート蔵)」が説明されている。千住旭町の蔵は昭和10年頃に質屋の蔵を専門に造る大工が建てたという。「建物の意匠が似ている4丁目の質屋さんの方が先で、昭和初期に建てられたそうです」とあるが、その4丁目の質屋が鈴木質店に違いない。
大震災後の昭和初期からと思うが、洋風の質屋の蔵を設計した建設会社だか工務店があって、戦後のある時代までかなりの数が建てられたのではないかと思われる。

鈴木質店の蔵を建てたのと同じ業者の施工と思われる質屋の蔵。
左:ながさわ質店。荒川区南千住1-32。2007(平成19)年1月27日
右:青木質店。江戸川区南小岩8-21。2005(平成17)年3月9日