【グーグル和解】 JPCA(日本出版著作権協会)からの緊急アピール | こんな本があるんです、いま

【グーグル和解】 JPCA(日本出版著作権協会)からの緊急アピール

JPCA(日本出版著作権協会) からの緊急アピール

2009年 4月 2日


JPCA (有限責任中間法人 日本出版著作権協会、2004年設立、文化庁許諾著作権等管理事業者)は、出版社から管理委託を受け、様々な著作物の第三者利用に関する管理運用を行っている団体です。
私たちの立場からみる時、書協のGoogle問題への対応や主導的な日本の出版社の著者への説明などに、大きな危惧を憶えています。
なにより、責任を持って世に送り出した本に対して、出版社は、その権利と義務を負っています。そのことが、ないがしろにされているのではないでしょうか。
そのため、私たちJPCAは、広く、出版界の内外に、アピールを発表し、出版社が取るべき立場について、意見を表明します。


本の権利は、出版社が守らなければならない!

 Googleは一体、何をしているのでしょうか。
 図書館の蔵書から無断でスキャニングし続けているのです。


 何の権利が、侵害されているのでしょうか。
 スキャニングされた出版物の権利が侵害されているのです。


 出版物の権利は誰が持っているのでしょうか。
 出版物の権利は、製造者である出版者(社)がもっているはずのものです。

 多くの海外の国では、著作者の権利とともに、伝達者の権利としてパブリッシャーズライツ(出版者の権利)を出版社に認めています。Google「和解」案に参加するにしても、あるいは拒否するにしても、当事者として行動できる出版社の権限が法的に保証されています。Googleの行為が、明らかな脱法行為であると訴える権利も、著者と同様に、当該の出版社が当然有しているのです。この件でドイツとフランスで訴訟が起こっていると聞きますが、それも、きわめて、自然な対応です。

 しかし、現状の日本の著作権法には、著作と出版物は別のものなのに、出版社に関して伝達者としての権利の規定がありません。出版社の権利が明らかでないのです。そのため、通常の出版契約では、第三者による出版物の利用については、対応できません。出版界の主導的な人たちはこの状態を長らく放置してきました。放置すべきしかるべき理由があったのかもしれません。

 2つのことが必要です。
 一つ目は、出版社の権利(パブリッシャーズライツ)を早急に確立することです。
 そのためには、著作権法の改正が必要です。


 二つ目は、個々の出版契約によって、本の権利を守っていくことです。

 JPCAは、2004年に、出版契約書を作成しました。これは、単に本を出版するという契約ではありません。様々な、第三者による著作権使用についても規定しています。法的確立がない現状では、個別の出版契約で、権利を保全していく以外に出版物の権利は守れないのです。今から始めても決して遅くはありません。

 そして、全出版界の声として、出版社の権利(パブリッシャーズライツ)の法的保証を実現していきましょう。


JPCA (有限責任中間法人 日本出版著作権協会)
113-0033 東京都文京区本郷2丁目17番5号
e-mail to : info@e-jpca.com
URL : http://www.e-jpca.com