覚え書き。
伝統に従った正式な献立は、一汁三菜の祝い膳で、内容は以下のようになっています。
1.鯛などの尾頭(おかしら)つきの焼き魚(地域によっては鯛でなく違う魚)
2.赤飯(地域によっては白ご飯、もしくは両方)
3.煮物
4.香の物
5.吸い物(すまし汁)
これらの食べ物と一緒に、丈夫な歯が生えることを願って、いくつかの小石を「歯固めの小石」として小皿に入れてお膳に乗せます。
この小石は古いしきたりでは、地元の神社(氏神)の境内から拾ってきて、儀式終了の後には境内へ納めるとされていますが、河原や海辺(つまり水辺)の石を拾ってきて使ったり、小石の代わりに硬い栗の実を使う地域もあります。また、しわがたくさんできるまで長生きするようにという願いを込めて、梅干を添える地域もあります。この手の行事は本当に地域ごとに独特の風習がたくさんあります。
なお、二の膳に紅白の餅を五つ添えると、さらに本格的な祝い膳となります。
この献立を本当に赤ちゃんに食べさせるわけではありません。この時期の赤ちゃんはようやく離乳食になるかどうか、という時期ですのでまだこれらを食べることはできません。「養い親」役の人が箸で食べさせるフリをするだけです。
「養い親」は、かつては長寿にあやかるという意味で親族の長寿の方にお願いしていたようですが、現在ではおじいちゃんかおばあちゃんにお願いするケースが多いようです。もちろんパパやママがその役をしてもまったく問題ありません。基本的に男の子には男性、女の子には女性の養い親を頼みます。
では、養い親が赤ちゃんに食べさせるフリをする、正式な手順をご紹介します。
まず、食べさせる(フリをする)順番は、「ご飯、汁、ご飯、魚、ご飯」で、これを3回繰り返します。また、このとき食べ物を箸で取って食べさせるフリをした後に、箸を小石に触れさせ、その箸を赤ちゃんの歯茎にあてて、「丈夫な歯が生えますように」と願をかけましょう。
基本的には食べるマネをさせるだけですが、「ひとつぶなめ」といってご飯一粒は食べさせるようにします。
以上は、伝統的なお食い初めですが、現代ではもっと簡略化したお食い初めを行う家庭が多いようです。例えば、祝い膳として離乳食と野菜スープなど、赤ちゃんが食べられそうなものを用意し、それを少し食べさせて、母乳やミルクばかりの食事から、離乳食への切り替えのきっかけとする、などです