ネルケ無方の本。

まず一言。ドイツ人はお笑い芸人だった。

ああ、さて。

先週紹介した日本人とドイツ人の本だが、あれを読んでドイツ人という生き物の生態を知りたくなって探して読んでみた。
で、最初の一言の訳だが、意味不明な人が多いだろうからそれから。

何よりも驚いたのが、自分の誕生日を自分が主催するという性質だ。
日本でこれをやったら、確実に笑い話になると思うのだが、ドイツではこれが基準的な行動なのだとか。
生真面目にお笑い芸人をやっているドイツ人という印象が強くなってしまった。

まあ、それは置いておいて。

雨宮氏は、日本の就職活動を憎悪してドイツに逃げ出したが、この著者は禅に惹かれてなぜか日本にやってきたという違いがある。(禅って日本以外には無いのかな?)
若い頃は仙人になるつもりで車の免許も取らなかったのだとか。
こちらも生真面目にお笑い芸人をやっているように見えるのは、俺の錯覚だろうか?

まあ、これも置いておいて。

日本とドイツを比べるという意味において、遅刻した時の対応が違うことは雨宮氏の本で知っていたが、同じ内容がこの本でも書かれていた。
ならばかなり確度の高い情報だろうと思う。
不用意に謝らないのが世界の常識かもしれない。気をつけよう。
ほかにも、電車やバスで席を譲るかどうかの反応など、雨宮氏と同じ事が書かれていた。
こちらの方も情報の確度は高いとみて良いだろう。

さて、この本を読んで俺が最も驚いたことと言うのが、ドイツは日本よりも二時間早く一日が始まり、二時間早く終わるという所だろう。
午後六時(日本的には八時)には、ほぼ全ての店が閉まってしまうので外出も出来ないというのは、かなり驚いた。
正月休みにどこの店も開いていないというのは、ずいぶん前に読んだドイツの紹介本で知っていたが、毎日早く店じまいするというのは知らなかった。

国が変われば色々なものが変わると言う事は知っているつもりだったが、理解しているとはとても言えない状態だったようだ。
ドイツ人らしいと表現できるかどうかは分からないが、原発問題についての認識も大いに日本とは違うものだった。

日本だったならば、安全だが万が一のことを考えて、色々な対策をとるのが普通なのだが、ドイツ人は、安全ならば万が一のことなど考えずに、大都市のそばに平然と原発を建設してしまったとか聞いた時には、事態の認識にしばらくの間、戸惑ってしまった。
ドイツは恐ろしいところだと、そう結論が出そうになるほどには。

さて、この本の内容からは少し外れるのだが。

この本の著者は、ドイツに帰国した後、日本に帰ってくると、ただいまという気持ちのなるそうだ。
昨日の雨宮氏は日本に帰国後、ドイツに戻った時にどんな気持ちになるのだろうか?
シンシアリー氏は日本に来た時に出さえ、自分を日本人だと認識しているらしいことが、彼の書いた本のどれかに書かれていた。
当然のこと、俺に移民なんて事は出来そうも無いのだが、母国にも移民先の国にもどちらにも帰るという認識を持つことが一般的なのだろうか?
かなり疑問だ。

さて結論。

この本、終盤はかなり宗教色が強くなっている。
日本とドイツの違いについて書かれた本だと認識していると、強い違和感を感じるかもしれない。
だが、それも日本という国とその宗教について考える切っ掛けとなるだろうと思う。
暇を見て一度読んでみることをおすすめする。


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