宮脇淳子の本。

まず一言。結局何が言いたい?

さて、別な本を探していたのだが、それが見付からずに、この本を買ってみた。
満洲について書かれているというのも買った一因ではあるのだが、正直一言目で書いたように俺にはやや意味不明だった。

そもそも、併合時の台湾と朝鮮半島及び、建国(日清戦争の辺りから)から崩壊(著者曰く、共産主義国による抑留者が帰還するまで)するまでの満洲を日本史として考えるべきだと主張しているのだが、どんな物の見方をすることが日本史になるのかが全く分からなかった。
満洲国について普通に書かれていた本と何処が違うのかも、今ひとつ分からなかった。

いや、それどころかかなり深刻な疑問がある。
三つほどあげてみる。

著者は併合時の朝鮮半島を日本として考えろと主張している。
であるにもかかわらず、ほぼ全ての箇所で朝鮮人という呼称が使われている。
俺からするとこれは極めつけにおかしい。
あえて厳格にかき分けるべきだったのではないかと思う。
併合以前(保護国になっている時など)及び、併合終了後は朝鮮人。
併合中は、朝鮮系日本人。
このような書き分けをしないと、自分で言っていることを実行していないように見えてしまう。(実際はどうかはっきり分からない)

満洲に大きく関わった日本だから、責任があると主張する。
では、どんな方法でその責任を果たせと言うのだろうか?
まさか、今更満洲国を再建するために中国共産党と事を構えろとは言わないだろう。
そもそも、満洲のことに責任を感じているからこそ、中華人民共和国を僭称する中華帝国に政府開発援助などしていたのではないだろうか?(違うとは思うが、そう解釈する余地はあると思う)
関心を持って見守るだけだとしても、どの様なところに注意すべきかくらいは示して欲しかった。

最後の方、戦後の話が出てきたところで、朝鮮戦争の話題になった。
著者はここで、日本は朝鮮戦争に全く関わっていないというようなことを書いている。
俺の知っている限りではこの認識は間違いだ。
日本軍としてではないが、朝鮮戦争に日本人は関わり戦死者も出ている。(掃海艇が沈んでいるので調べてもらえれば見付かると思う)
日本の歴史をきちんと学べと主張するならば、これもきちんと書いておくべきではないかと思う。(何時か何処かでこんな事を書いたような気がするのだが、この著者の他の本を読んだことがあっただろうか?)

大まかな疑問点は以上だが、やはりもっとも大きな疑問は、台湾と朝鮮半島、それに満洲を日本史として見るというのはどんな事なのかが全く分からないことだろう。
最後まで読んだが、理解できなかった。

とは言え、著者の認識、あるいは発言は、俺の感覚にとても近い。
例えば。
在日本朝鮮人を全員帰国させろと言う発言には、俺は反対する。
きちんと生活している人まで追い返す必要はないと、今のところ考えているからだ。(この先は知らない)

そうそう、これは割と重要なことだと思うのだが、この本にも明治の教育が失敗だったと書かれていた。
専門家を作ることに血眼になり、指導者、あるいは指揮官について何もしなかったと。
倉山満氏の主張と同じでより具体的だと思ったら、この本に関わっていたことが分かって納得した。(参考資料として読んでいる程度だと思っていたら、だいぶ深く関わっていた)
だがこれでも物足りない。
指導者、あるいは指揮官を育てる教育とはどんな物なのかについて全く触れられていなかった。
そしてもっと大きな問題は、指導者、あるいは指揮官とはどんな人なのかについても書かれていなかった。

で、俺が少し考えてみた。

指導者、あるいは指揮官と呼ばれる人に必要な物とはなんだろうか?
まず、遠いけれど達成できる目標を明確に定められる人だろう。
そして、その目標に向かう手段を選択することが出来る人だろう。
更に言えば、手段を実行できる人のことを言うのだろう。
極めて難易度が高い。
しかも、少々の失敗で叩かれても復活する強さも必要になるだろう。

以上のように考えているのだが、この認識は正しいのだろうか?
少し自信がない。

さて結論だ。

満洲のことを知りたいと思う人の、最初の一冊としてはよいのではないかともう。
ただし、あちらこちらに物足りなさを感じるところがあるのも事実なので、その辺を考えてから読むべきだろうとも思う。


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