1/20『マジック教室(オリジナルターベルコース・レッスン54・55』終了しました。

 前回のレッスンの後半からとなりました。

2.宝箱(THE TREASURE CHEST)
 日本ではがっくり箱と呼ばれるもので、欧米ではチップ・オーバー・ボックスと言われています。日本でも江戸時代末期からあった原理です。1876年のホフマン教授の本にも記載されています。ターベルはこの箱の持つ角度という弱点を宝箱という長四角の形によって解決しています。また宝箱という外観のため様々な演出が可能であることが示唆されています。海賊が隠した箱だ、などです。
 面白いのは本当に海賊の箱のような作りをしているのではなく、これらがペイントされたものであるという点でしょう。本当に金属の補強板や鋲を打って作るのは大変な作業ですし、作動も困難になる可能性があります。
 現在でもこの作品は入手可能です。ちょっとしたお菓子などを出現させる際には重宝致します。

3.中国式鳩出し(THE CHINESE PIGEON PRODUCTION)
 実際にこれが中国人の考案かどうかは定かではありません。大きな四角形のフレームに紙を張り、真ん中を破ると鳩が数羽出現するというものです。かなり細かに寸法が記載されておりますし、ターベルがこれを演じている写真もあります。大舞台向きの鳩出しだと思いました。

4.セイヤーのスーパー・バニッシュ・オブ・ダブズ(THAYER'S SUPER-VANISH OF DOVES)
 レッスン40で登場したセイヤー氏ですが、当時は最高級のマジック道具を製作することで有名でした。彼と販売契約を結んだターベルは積極的に彼の作品を売り込んでいたのでしょう。
 原案となる鳩やアヒルを消すという道具はすでに存在しており、セオドール・バンバーグやルロイ、ニクソン博士などが行っていました。現在でもこの道具は販売されており、実演を見ることがあります。しかしセイヤーの場合は、これに改良を加えてさらに不思議な現象に仕上げています。レッスン52で学んだブラックアートのシャッターの原理を用いるのです。それによって目の前で見えている鳩やアヒルが一瞬で消えるのです。詳しい図面で解説されていますが、素人にはとても作ることができません。図面を見ているだけで思わず欲しくなってしまいます。
 当時販売していたと思われるのはパッキングについて述べられているからです。コンパクトに収まることが書かれています。

レッスン55
1.エジプトのミイラ(THE EGYPTIAN MUMMY)
 別名は蘇る王女(The Re-Birth of a Princess)です。当時はまだツタンカーメン発掘発見(1922年)がまだ間もない頃であり、また欧米人はルーツをエジプトに求める部分が多く、演出効果が見込まれるので、よく使われるのだと思われます。
 現象は棺桶のような大きなキャビネットがあり、正面扉を開くと棺桶の絵が描かれています。その棺桶の絵は観音開きになっていて、それを開けると中にはミイラが安置されています。そのミイラを改めてから、再び扉を締めて、お呪いをかけると美しきプリンセスが登場するというものです。
 ターベルはこの作品を通じて、単に古いネタを提供しているばかりではなく最新の他では見られない作品をも紹介していることを強調し、ターベルコースの素晴らしい価値を再三述べています。

2.踊り子の謎(THE MYSTERY OF THE DANCING GIRLS)
 この作品はマジシャンにとってとてつもない価値がある、とターベルは述べています。大きなキャビネットが空っぽであることが示されますが、そこからなんと6人のダンサーが出現するのです。テーブルマジックやスライハンドなどとは全く異質であり、普通のマジシャンにとってはなんの興味も湧かない演目かと思います。しかしターベルはファッションショーなどで役に立つと言うのです。実際にあるミュージシャンからの依頼でこれを製作したエピソードが記載されています。マジシャンは単に演じるだけが仕事ではなく、アドバイザーとしての仕事もあるのです。そしてまたターベルもそうした仕事をしてきたことがわかります。

3.人形の家(THE DOLL HOUSE ILLUSION)
 少なくはなりましたが現在でもなお演じられている演目です。これを考案したのはカルピットだと言われています。小さなお家の扉を開くと中には小さな家具があります。それら家具を取り除き、扉を閉めて、お呪いをかけます。そして屋根を取ると女性が出現するのです。小さなお家と中を見たらとても人一人隠れているとは思えません。
 百科事典版の六巻に記載されていますが、多少書き換えられています。ミルボーン・クリストファーのやり方が書かれているのです。お家も電気が付くようになっています。比較してみるのも面白いでしょう。

●セルフ・コンテインド法(self-contained methods)
 ”自己収容型”あるいは”箱に隠れる式”とでも訳せば良いのでしょうか。現在のおいて出現系のイリュージョンのほとんどがこの原理に基づきます。今回は1~6人まで出現させるやり方を三種学んだことになります。
 ターベルはこれらの原理を学ぶ事によってオリジナルのイリュージョンを作り上げてくださいと語りかけます。

 次回は2月17日(日)にレッスン56を行います。剣刺しイリュージョン特集です。イリュージョンに関しては当店で再現することが不可能です。解説だけとなりますが、ご了承ください。
 また第一期の中から重要部分を抜き出して復習を行います。もう一度ターベルシステムを勉強し直したい方もぜひご参加ください。
 マジック教室終了後には飲み会を行います。ぜひ皆様ふるってご参加ください。お待ちしております。