12/16『マジック教室(オリジナルターベルコース・レッスン54』終了しました。

 

●ブラックアート・テーブル(THE BLACK ART TABLE)
 ターベル曰くはマジック界において最も重要な発明品です。マジシャンにとってはお馴染みのテーブルです。
 ターベルはこのテーブルの誕生と進化の過程を説明してくれます。元々のマジック用テーブルは大きなもので、ドレープがかかり、クロスは床までたれていました。その理由は中に人が入っていたからです。テーブル内に人が入るというアイディアは1584年のスコットの本にも書かれています。19世紀のドコルタは少年時代に初めてマジックを演じた時にはアシスタントをテーブル内に潜ませました。しかしアシスタントが寝てしまい、ひどい失敗をしたことが伝えられています。一般にもこのアイディアが知られていたのです。 ...
 そこであるマジシャンがアシスタントを潜ませることなく演じるようになりました。テーブル自体に機械的な仕掛けを施し、袖にいるアシスタントが密かに操作するのです。これによって様々な現象が可能となり、なおかつ不思議さが倍増したのです。1876年のホフマン教授の本にはリスト・トラップやチェンジング・トラップなどが紹介されています。19世紀半ばに活躍したロベール・ウーダンもこうしたテーブルを使用していました。ターベルは彼の死後、ウーダン劇場に出演しているマジシャンが実際にそれを使用していることを目撃しています。
 同じ時代にはこうしたトラップドアを使用することなく、ブラックアートを用いて解決した人物がいます。ターベル自身はその人物を知らず、とある天才とだけ述べています。第八巻にはその名が記されています。なんとホフジンサーです。これを突き止めたのはリチャード・カウフマンでしょう。
 ブラックアートの原理はレッスン52で学んでいます。しかしこの原理をこうしたテーブルに応用したのは本当に天才的なアイディアだと思います。

1.私の”ソサイエティ・スペシャル”テーブル(MY "SOCIETY SPECIAL" TABLE)
 ターベルのオリジナルテーブルがこれです。可能な限り忠実に復元してみました。実寸で作ってみたのですが意外にも小さく、大変コンパクトです。ターベルはこれを2個使用していたとのことです。
 彼の少年時代にはすでにこのようなテーブルが市販されていました。そして様々なマジック用テーブルを購入したとのことです。これは私自身も同じです。演目や自分にあったテーブルというものが必要なためにたくさんのテーブルを試す必要があるからです。現在でもこうしたマジックテーブルは市販されています。
 しかし、私は一度もこうしたいかにもマジック用のテーブルを使用したことはありませんでした。今回レクチャーをする上で初めて使った次第です。
 このテーブルには様々な工夫がなされており、その仕掛けによってたくさんの現象を演じることが可能となります。

●ブラックアート・ウェルの扱い方(HOW TO OPERATE BLACK ART WELLS)
 欧米ではこのような仕掛けのついたテーブルをブラックアート・ウェル・テーブル(Black Art Well Table)と言います。ターベルは通常の後ろ側でなく、正面側にウェルを持ってきます。このウェルを前にすることも私は知りませんでした。

●ビリヤードボール及びそれに類する小さな品物を“消す”やり方(TO "VANISH" A BILLIARD BALL OR SIMILAR SMALL OBJECT)
 基本、手の中に隠れるものであればなんでも消すことができます。玉子やレモンなどでも同様です。

●オレンジのような大きめの物を”消す”やり方(TO "VANISH" AN ORANGE OR LARGER ARTICLE)
 オレンジのような大きめのものは、両手を使って消します。

●タンブラーグラスを”消す”やり方(TO "VANISH" A GLASS TUMBLER)
 薄紙や新聞紙等でグラスを消します。よく知られたトリックですが、このテーブルを使うことでより不思議になります。

●見破られずにグラスを別のグラスに変化させるやり方(TO INDETECTABLY CHANGE ONE GLASS FOR ANOTHER)
 空っぽのグラスにハンカチをかけ、お呪いをかけてからハンカチを取ると、グラスには液体が入っている、という素晴らしい現象です。私自身はスライディーニのやり方を以前行っていました。まさかこのテーブルを使うとこの現象が可能だとは思いませんでした。大変優れています。

●カラーチェンジング・シルク(THE COLOR CHANGING SILKS)
 レッスン39で学んだダイイング・シルク(色染めのシルク)のことです。この演目のギミックを処理することが一番の課題かと思いますが、それをこのテーブルを使う事によって簡単に解決しています。

●ハット・プロダクション(HAT PRODUCTIONS)
 帽子から何かを出現させるという現象です。今までも様々なやり方が紹介されてきましたが、このテーブルを使うことでやりやすくなります。

●カード・スロット(THE CARD SLOT)
 このテーブルには密かにパケットを仕込んでおくことができます。それによりライジングカードやカードアクロスなどが演じられます。

 様々な応用が可能なこのテーブルを使って私は、レッスン4の「中国の冬景色」、 レッスン32の「サカーエッグトリック」も演じました。
 今まではこのようなテーブルの使い方がよくわかっておらず、使用したことがありませんでしたが、今回勉強したおかげで、よく使うようになりました。当時のテーブルを再現してみましたが、制作費が予想以上にかかるのが分かりました。市販のテーブルを買うほうが良いかと思われます。
 またトピットやラッピングなどと同様に、素晴らしいトリックだからといって多用し過ぎは良くないと思います。現代においてこのテーブルが使われなくなってしまったのは、過去のマジシャンたちがあまりにもこのテーブルに頼りすぎて、価値を下げてしまったからではないでしょうか。
 今回のレッスンは、テーブルに時間をかけたので半分しか行っていません。残りのレッスンは次回に行います。

 次回は1月20日(日)にレッスン54の後半とレッスン55を行います。中ネタといえる演目と、人が出現するイリュージョン特集になります。イリュージョンに関しては当店で再現することが不可能です。説明だけとなりますが、ご了承ください。
 また第一期の中から重要部分を抜き出して復習を行います。もう一度ターベルシステムを勉強し直したい方もぜひご参加ください。
 マジック教室終了後には飲み会を行います。ぜひ皆様ふるってご参加ください。お待ちしております。