10/21『マジック教室(オリジナルターベルコース・レッスン52』終了しました。

●イリュージョン製作(BUILDING ILLUSIONS)
 イリュージョンの難しさのひとつは道具製作にあります。道具製作に関しての課題が述べられます。

1. より大きく、より印象的でなければならない。
2. 余計な輸送費を節約するために、できる限り軽量化を図らなければならない。
3. 分解が可能であり、できる限り小さく梱包できて場所を取らないようしなければならない。
4. 分解されたものをできる限りスピーディーに組み立てができるようにしなければならない。
5. 倒れる危険性がないように、また内部構造が露出しないように頑丈でなければならず、そして輸送の際の重圧にも耐えられなければならない。
6. 演じる易いように適切なサイズでなければならない。
7. 観客が見た際に良い印象を与えるような芸術的なセンスある見た目でなければならない。

 これは現代においても全く通じる事柄です。それに留意すれば結局はプロのビルダーに依頼し、きちんとした道具と梱包用の箱を揃えるのがベターといえます。最初は高く感じますが、結果的にはそれが一番安上がりなのです。ターベルはこの点を強調しています。当時、プロのイリュージョンビルダーに依頼したのでターベル社に発注してください、と生徒たちに促しています。

●ブラックアート・イリュージョン(BLACK ART ILLUSIONS)
 通常イメージする神秘的なブラックマジックとは違います。これは黒幕を応用した光学的原理に基づく錯覚を応用したマジックのことです。ここでは本格的ブラックアートではなく、その原理を使ったセミブラックタイプともいえる簡易イリュージョンを紹介します。

●道具類(Apparatus)
1.黒幕(Black Curtain)
 錯覚を生み出すためには大黒幕が必要です。通常の劇場であればほとんどの場所には大黒幕が設置されています。大黒幕がない場所の場合、持ち運び可能なブラックアート用のチャイニーズスクリーン(屏風)を用意すればよいとターベルは述べています。また床用にも黒布が必要であることが書かれています。
2.ファントム・ブラックアート・プラットフォーム(Phantom Black Art Platform)
 これが今回の目玉であり、この道具1つで様々な現象を起こすことができることが述べられます。実際に製作してみたいのですが、今回は模型を製作しました。このフレームは台座を乗せると作動するシステムになっています。また台座には専用の衝立を乗せるようになっています。そのほかには踏み台と22口径のピストルを用意してくださいとあります。本物のピストルを使うところがアメリカらしい部分でしょう。
 このイリュージョン道具はその気になれば自作が可能ではないでしょうか。ただ実際の寸法が書いていないので、かなり研究が必要になると思います。

1.神出鬼没のインド人(THE ELUSIVE HINDU)
 これはインド人の扮装をした演者が、台座に乗り、スクリーンに覆われます。そこにアシスタントが登場し、ピストルを撃ちます。アシスタントがスクリーンを取り除くと、演者が消えています。アシスタントがその扮装を解くとそれはなんと演者なのです。
 素晴らしい現象です。マジシャンが消えて、そこにいたアシスタントこそがマジシャンだなんてまさにイリュージョンでしょう。かつてはこの進化系をランス・バートンが演じており、今ではクリス・エンジェルも行っています。現代でもこの原理が使われている良い例でしょう。私もいつかは演じてみたい現象です。

2.太陽の娘(A DAUGHTER OF THE SUN)
 ファントム・フレームだけではなく、大黒幕中央にトラップドアを作ります。それによって素晴らしい現象が可能になりました。
 台座の上に女性が立ち膝で座ります。演者と助手で大きな布を彼女に被せます。中で動くのでまだ彼女がいることが分かります。そして布を取り除くと女性が消え、その瞬間に客席から登場します。
 前回のレッスン51でも同じような現象がありましたが、これはさらに不可能性を高めています。この原理も現代でも使われています。

3.トランクの少女の謎(THE MYSTERY OF THE GIRL IN THE TRUNK)
 トランクに女性が入ります。その隣には台座があり、演者はその上に乗ります。大きな布広げるとなぜか人型になります。演者は台座を降りてトランクを開けるとなぜか少年が飛び出します。台座の上の人型の布を取り払うとトランクに入っていたはずの女性が現れるのです。
 トランクには仕掛けがありません。面白い使い方だと思いました。

4.ファントム・フライト(THE PHANTOM FLIGHT )
 台座の上に女性が立ちます。格子状の衝立で彼女を覆います。格子の隙間から女性が見えます。ピストルを撃つと女性が瞬時に消えます。衝立を外して、本当に消えたことを示します。
 これは衝立の格子部分にブラックアートの原理が使われています。この原理が応用されて象を消した事例もあります。

 次回は11月4日(日)にレッスン53を行います。次回は現代のマジシャンたちが未だに行っている人体交換特集です。これには特別な道具が必要になります。もちろんマジックバーで再現することは不可能です。ミニチュアなどを使って解説致します。ご了承ください。
 また第一期の中から重要部分を抜き出して復習を行います。もう一度ターベルシステムを勉強し直したい方もぜひご参加ください。
 マジック教室終了後には飲み会を行います。ぜひ皆様ふるってご参加ください。お待ちしております。