9/9『マジック教室(オリジナルターベルコース・レッスン51』終了しました。

●イリュージョン(ILLUSIONS)
 第六期からのテーマはイリュージョンとなります。ターベルは「すべてのマジックはイリュージョンといっても差し支えありませんが」と前置きし、マジックの専門用語としてのイリュージョンは人が出る消える浮くなどの大掛かりな現象を指すと定義づけています。マジシャンとしての一般的な基礎や基本をレッスン50まで学んできた今だからこそこのジャンルへの足がかりを付けるべきとのことなのです。とはいってもターベルシステムは高価で大掛かりな道具を使うイリュージョンを種明かしするわけではありません。タネを知ったところで役に立たないイリュージョンを教えるのではなく、お金がなくても、小スペースのような場所でも演じることが可能なイリュージョンを教えてくれます。
 こうしたマジックは演じることがない、あるいは興味がない、ということでバッサリ切り捨てるのも良いでしょうが、知識としてだけでも覚えておけば損はないでしょう。

●シンプルさは合言葉です(SIMPLICITY IS THE WATCHWORD)
 少年時代のターベルは早くからショーを演じていたようです。当然お金はありませんからアイディアで克服してきました。安価な素材を手に入れて自分自身でハンマーやノコギリを使って作り上げてきたのです。今回のレッスンでも自作可能なイリュージョンを紹介してくれます。
 ターベルは長年マジックを研究し、ひとつの結論に達しました。マジックの経験を積んでゆく上でそれらがシンプル化されていく、ということです。あるいはシンプル化を目指さなければならない、ということです。

●成長するための法則(THE LAW OF GROWTH)
 成功するためには成長の法則を理解すべきと述べています。小さなところからスタートして、日々の積み重ねによる基盤を作りながらゴールに向かうということです。しかしターベルはほとんどの人がこの簡単なことを理解していないと言います。最初から大きなことや派手なことを行おうとするというのです。そしてそうした人々はたいてい失敗すると述べています。理由は簡単です。確固たる基盤がないからなのです。
 もう1つこの成長の法則に従うためには価値観を理解しなければなりません。1ドルのものを購入し、ただそれだけに終わらせてしまう人と、その1ドルのものを2ドルにも3ドルにも変えてしまう人がいます。これが価値観を理解しているかどうかによって差がつくことなのです。


1.ツタンカーメン王の謎(THE MYSTERY OF KING TUT)
 これは私自身も演じており、現代でも多くのマジシャンたちが使っています。通常入れ替わり幕と呼ばれています。使うものが大きめの布だけというのがまさに小さな道具で大きな現象を起こすという代表的な作品でしょう。今から100年も前にすでにこのマジックが存在していました。
 マジックバーサプライズでこれを演じるにはスペースが狭すぎますが、生徒さんたちと一緒に再現を試みました。私自身が通常演じる際には音楽にのせ、ただシンプルに私が布にくるまって、それを広げると女性に変わり、私自身が客席から登場するという現象です。しかし、ここに記されているやり方は寸劇スタイルとなっています。ツタンカーメン王のミイラの巻き方はどうやるのだ?というようなやり取りを男性アシスタントとともに行うのです。シンプルなマジックですが相当練習が必要です。
 布以外にも、王冠(自作)、カツラなどの変装グッズが必要となります。

2.フー&ウィッチ(WHO AND WHICH)
 素晴らしい入れ替わり現象です。子供の頃のターベルがダンテ演じるこの作品に魅了されたことはのちのターベルコースに書かれています。マジシャンが女性アシスタントを袋に入れて縛り、その周りをパーテーションで囲います。それからインド人の扮装をしパーテーションの周りをぐるりと歩きます。パーテーションを開いて見せますが何も変わっていません。しかし布袋を開けると中から出てきたのがマジシャンであり、インド人が扮装を解くと出てきたのは女性アシスタントなのです。
 ここでは人一人隠れることができる、少なくとも180×90cmくらいの板を3枚必要とします。結構な大きさであり、これをお店に持ってくることは不可能です。また通常ステージで演じたいと思っても乗用車で運ぶことは難しいでしょう。しかしいつの日かこの演目をどこかで演じられるようになりたいと思いました。
 今回この現象を説明するにあたってミニチュア版を製作しました。マジシャンとアシスタントを説明するために子供用の人形を使いました。

3.バリエーション1(FIRST VARIATION )
 これは一旦インド人に扮したマジシャンが袖に行き、一瞬でパーテーション裏から登場するという瞬間移動現象が加わります。

4.バリエーション2SECOND VARIATION )
 これは袋に中に入ったはずの女性アシスタントが客席から登場するという現象です。

5.フー&フィッチ・シンプルメソッド(WHO AND WHICH BY SIMPLE METHOD)
 これはマジシャンと女性アシスタントの2人だけで演じられる簡易な方法です。最も実用的かもしれません。

●復習
 レッスン1「ディゾルビングコイン」を行いました。ここで学ぶことはまず「フィンガーパーム」です。マジックの根幹を成す技法です。またパームした際に観客の目線に配慮するという概念「アングル・オブ・ビジビリティ(視線の角度)」、言葉やジェスチャーで暗示する「パワー・オブ・サジェスチョン(暗示の力)」、これらによってさりげなく手が空であることハンカチにコインがると思わせることに成功します。さらにはコインが完全に水の入ったグラスに入ったと錯覚するのです。
 原案は優れたコインの消失現象です。しかしその分、消したコインの出現が見劣りします。そこで今回は私の提案として海賊箱から取り出すという部分を加えました。この海賊箱は指輪などの出現用のものであり、一般客の興味を惹くアイテムです。これがあれば自信を持って演じることができるでしょう。

 次回は10月21日(日)にレッスン52を行います。またもや低予算で可能なイリュージョンです。とはいえこれもまたマジックバーで再現することは不可能です。ミニチュアなどを使って解説致します。ご了承ください。
 また第一期の中から重要部分を抜き出して復習を行います。もう一度ターベルシステムを勉強し直したい方もぜひご参加ください。
 マジック教室終了後には飲み会を行います。ぜひ皆様ふるってご参加ください。お待ちしております。