1/21『マジック教室(オリジナルターベルコース・レッスン43)』終了しました。

プロダクション(出現)特集です。とはいっても現在とはまたちょっと違った概念となります。お客の上着や帽子から出現させます。最初にプロダクション法が大きく分けて二種類であることが説明されます。アウトサイド・ローディングとセルフコンテインド・ロードです。前者はあとから密かにロードすることであり、後者は密かにすでにロードされているというものです。今回はこの後者を中心に特集されました。

1.コメディ版・玉子の出現(COMEDY EGG PRODUCTION)
 当時のスター、サーストンやデバントが子供を相手にする際に得意としていました。デバントがこの演目を行っている写真も残されています。
 この現象は現在YouTubeで、ランス・バートンが演じている姿を見ることができます。つまり現在においても大変有益なマジックなのです。
 マスターハットという道具が使われます。これはブルネル・ホワイト(Brunel White ?~1944)考案であり、ここに記されているのはその改案です。
 マスターハットを作るためには山高帽(ダービーハット)を入手しなければなりません。まずはそれが困難でした。なんとか帽子屋を見つけ、購入すると思ったよりも高かったです。実際に作ってみてびっくりしたのは、思った以上に玉子をロードしておけるという点です。
 実演して思ったのは、確かにこれはコメディとして面白いと感じました。いつか本当に子供相手に実演してみたいです。

2.マスターハット・プロダクション(A MASTER HAT PRODUCTION)
 マスターハットは玉子以外にも様々な品物で応用が可能です。シルクやストリーマー、紙テープなどが使えます。紙テープの出現後にはそこからウサギを出現させられます。硬い帽子を使いますが、メリケンハットと類似する現象です。

3.ラビット・プロダクション(RABBIT PRODUCTIONS)
 レッスン24の袋玉子特集においてすでに品物をお客の身体にロードするということを学びました。またレッスン25ではウサギを使ったマジック、レッスン30ではそのためのラビットバックを覚えました。今回はその集大成です。
 生きたウサギを用意できませんので、ぬいぐるみで行いましたが、それでも効果抜群であることがわかりました。もしこれがレパートリーになれば素晴らしいマジシャンだと思います。 これを行うためにラビット用ポケットを作らなければなりません。ターベルお薦めはバットウイング(コウモリの羽)式です。ウサギをロードするためだけではなく、品物の消失にも使えることが述べられています。1927年の時点でトピットが存在したのです。

4.想定外のラビット・プロダクション(AN UNEXPECTED RABBIT PRODUCTION)
 帽子からウサギが出てくるというまるでカリカチュアされたマジシャンのような演目です。ウサギ用ポケットさえあれば簡単なのです。
 この頃ウサギを取り出す際には耳を持つようにと書かれています。ところが、百科事典版(第五巻)になると耳を持ってはいけません、と注意書きがあります。戦前と戦後では動物愛護の観点が違ったのでしょう。
 ここではハンカチを使って帽子を消します、というパターを用いています。実際には帽子は消えず、なぜ消えないのかというとウサギさんが居座っているからです、というサカーイフェクトです。

5.帽子からのウサギ・素早く行う方法(RAPID PRODUCTION OF RABBIT FROM HAT)
 とても実用的なウサギの出現法です。ただダイレクト過ぎるのもどうかな?とは思いました。

6.帽子からのウサギ・珍しい出現方法(NOVEL PRODUCTION OF RABBIT FROM HAT)
 レッスン23で学んだマイザーズドリームのクライマックスです。山高帽を使っていますので、最後にウサギを出すことができます。それまでコインが出現していましたから、想像もしない驚きを与えることができます。この場合はアウトサイドローディングが用いられます。

7.帽子からのウサギ・易しいやり方(EASY METHOD FOR RABBIT FROM HAT PRODUCTION)
 この方法こそが、当時最も行われていたのではないでしょうか? 直接的ではありますが、素晴らしい方法です。

8.シルクとウサギ(SILKS AND THE RABBIT)
 これも当時、ポピュラーだったと思います。この応用?として和妻の傘出しがあると考えて良いのでしょうか。

9.紙テープからのウサギの出現(RABBIT PRODUCTION FROM PAPER RIBBON)
 前述のマスターハット・プロダクションにおいてシルクや紙テープを出し、そのフィニッシュとして最高の現象です。

10.男性客の上着からのウサギの出現(RABBIT PRODUCTION FROM GENTLEMAN'S COAT)
 なんとお客の身体に生きたウサギをロードするのです。大変困難ではありますが、とてつもなく素晴らしいマジックです。この演技ができれば一流マジシャンの証でした。サーストンの宣伝用写真では男性の背中からウサギを取り出しています。
 ここではレッスン30で学んだべスティングが使われます。

11.男性客の上着からのニワトリの出現(A CHICKEN PRODUCED FROM GENTLEMAN'S COAT)
 ウサギのぬいぐるみで代用しましたが、これはニワトリ、アヒル、小型犬で行える方法だそうです。いずれ生きた動物で実際に演じてみたいです。

12.男性客のお尻のポケットからのミルク瓶あるいは酒瓶の出現法(PRODUCTION OF BOTTLE OF MILK OR LIQUOR FROM GENTLEMAN'S HIP POCKET)
 禁酒法(1920~1933)の時代にウイスキーボトルをお客の身体から出せば、とてつもないほどウケたであろう事は容易に想像がつきます。現在でもコメディとして素晴らしいです。

13.ウサギのキャンディボックスへの変化(CHANGING RABBIT TO BOX OF CANDY)
 ウサギを出現させた後に行われる現象です。ウサギをプレゼントするという体で、ウサギを包装紙にくるみ、子供に渡します。包みを開くとチョコレートになっているという現象です。ブラックストーンが演じていた映像が今でも残っています。
 この素晴らしい現象を行うには特殊なテーブルを作らなければなりません。BWチェンジングテーブルと言って当時は有名だったようです。

14.男の子の上着からのソーセージの出現(SAUSAGES FROM BOY'S COAT)
 これは絶対にウケるということが想像できます。タマリッツはこれを応用してさらに不思議な現象に昇華させています。しかし、未だに入手できません。当時はターベルシステム社で販売していました。

15.帽子からのプロダクション・総括(GENERAL HAT PRODUCTIONS)
 ここでは今までの原理の応用も述べられています。目覚まし時計やコーン缶、桃缶などです。

 次回は2月18日(日)にレッスン44を行います。化学&機械的マジックの特集です。薬品や毒手な道具を使いますので、なかなか演じるのは難しいかと思います。しかし参考になるのは間違いなしです。水のワインへの変化、パスパスボトルなどが学べます。
 マジック教室終了後には飲み会(新年会)を行います。ぜひ皆様ふるってご参加ください。お待ちしております。